家庭用エンターテイメント・システムやホームセキュリティ・システムのデバイスから、自動化された工場の複雑なシステムにいたるまで、私たちが毎日使用している電子システムは、相互に通信し、中に入っているさまざまなノードに情報を中継する機能が必要となります。

TIの『MSP430™』バリューライン・マイコン・ファミリは、他のさまざまなペリフェラルを使用しながら、通信機能とシグナル・プロセシング機能をすべて1つのICに統合しています。 『MSP430』バリューライン・マイコン TechNoteシリーズには、次の4つのTechNoteを含む、通信機能のさまざまな使用方法を解説した文書があります。

異なる通信プロトコル間での変換能力は、複数のIC間またはシステム間の通信における1つの重要な側面となります。TechNote「低メモリ『MSP 430』マイコンを使用したUART-SPI間ブリッジ」では、ユニバーサル非同期レシーバ・トランスミッタ(UART)およびシリアル・ペリフェラル・インターフェイス(SPI)シリアル・プロトコル間のブリッジとして低コストのMCUを使用する方法を示しています。この機能を汎用の入力/出力(I/O)を利用して、eUSCIモジュールがSPI通信を処理しながら、ソフトウェアUARTインターフェイスを提供することで、一つのユニバーサル・シリアル・コミュニケーション・インターフェイス(eUSCI)モジュールのみを搭載している『MSP 430FR2000』のような低コストMCU上にこの機能を実装することができます。

TechNoteで解説されている実装方法では、eUSCIモジュールが3線モードのSPIマスターとなっています。その一方で、2つのGPIOとTimer_BペリフェラルがUART通信に使用されます。システムはブリッジを介した双方向通信をサポートし、『MSP430』マイコンのソフトウェアUARTがデータバイトを受信するとトリガします。このデータバイトはSPIポートの送信バッファに送られ、SPIバスを介してスレーブ・デバイスに転送されます。 SPIバスを介して受信されたデータバイトは、ソフトウェアUARTによる送信のためにブリッジを介して戻ってきます。図1は、このブリッジとそのインターフェイスを示すブロック図です。

 図1: UART-SPI間ブリッジ・ブロック図

異なる通信プロトコル間の変換に加えて、異なるボーレートで動作するデバイス間での通信が必要となります。これは、例えばUARTを使用する際に、通信デバイスが同じボーレートを使用することを要求する非同期プロトコルである理由から、しばしば必要となります。 TechNote「低メモリ『MSP430 マイコン』を使用したUART-UART間ブリッジ」は、UART-SPI間ブリッジと同様に、異なるボーレートで動作する2つのUARTデバイス間のブリッジとして低コスト・マイコンを使用する方法を示しています。

電子システムにおける通信面で考慮すべきもう1つの重要な点は、接続するハードウェアの数を減らすことです。 TechNote「『MSP430マイコン』を使用したシングル・ワイヤ通信ホスト」は、マスターとして動作するMSP430 マイコンで容易に達成可能なプロトコルに準拠した1線シリアル・インターフェイスの実装方法を示しています。

低コストの『MSP430』デバイスで動作するように設計された通信機能のコードは、『MSP 430FR2000』マイコン上の0.5KBのメモリ内に収まります。 『MSP430FR21xx』 MCUで利用可能な最大4KBのメモリを使用することで追加機能を加えることができます。これらのデバイスは、16ピン薄型スモールアウトラインパッケージ(TSSOP)と24ピン超薄型クワッドフラットノーリード(VQFN)パッケージで提供されています。これらのMCUは、1,000個ロット時の推奨再販価格が29セント(より多くのロットの場合は25セント)と低く、今日の多くの固定機能ICのプログラム可能な代替製品となります。

参考情報

※MSP430はTexas Instruments Incorporatedの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。

※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年11月14日)より翻訳転載されました。

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