今回は、ゲストのブロガーとしてSari Germanos(サリ・ゲルマノス)氏を招きました。

同氏は Ethernet POWERLINK Standardization Group(Ethernet POWERLINK標準化グループ)のテクノロジー・マーケティング・マネージャです。

専門分野は、複合的な分散型リアルタイム・メカトロニクス・アプリケーションの開発です。また、大規模な分散型システムの開発効率を向上させる

目的でシミュレーション・テクノロジーを適用する分野でも多くの経験を積んできました。

装置全体での高精度な同期を実現

市場には、分散している装置を同期する必要のあるアプリケーションが多くあります。ラベル印刷アプリケーションでは、特定のラベルの位置に基づいてプリント・ヘッドの開始位置を決定する必要があります。このプロセスでは、信頼性、反復性、ロバストネスが求められます。織物用のアプリケーションでは、変化する織物の厚さを見ながら、巻き取りの速度を同期する必要があります。移動する自動化装置のアクセル制御は、角度と速度に基づいてホイールの回転を同期させる必要があります。

装置内での同期した動作を実装するだけでも、かなり複雑な作業になります。このような問題は通常、シャフト、ギア、ディファレンシャルのような機構を使用して機械的に解決しています。一方、デバイスからリアルタイムかつ短い待ち時間で情報(位置と速度など)を取得すると、複雑度を大幅に緩和できます。装置内部にあるコンポーネントの間で、信頼性の高い方法、かつ低レイテンシで情報を共有できれば、複雑な機械的機構によって生じる追加コストが削減できます。以下の要件を満たす高性能の通信系ネットワークにより、要求の厳しいアプリケーションのニーズを満たす、高度な同期を実現できます。

1)      ネットワークのパケット・サイズを 100 バイト以下に維持

2)      バス・マスターの関与なしで、プロトコルで 1 対多の直接通信を許可

3)      各情報パケットを短い待ち時間(10μs 以下)で送信し、ジッタを 10μs 以下に維持

4)      プロトコルとしてスイッチを使用しない。スイッチは不必要に送信遅延を長くすることにつながります

幸い、無料で利用でき、一般的に使用されているオープンソースのプロトコル(Ethernet POWERLINK)が存在しており、非常に高度な同期を高精度で達成できます。このプロトコルをTI Sitara AM335x processors と組み合わせて使用すると、以下の要件すべてを満たすことができます。

a)      POWERLINK はサイクル形式のバスを使用します。各バス・サイクルは、バス管理ノード(MN)がサイクル開始(start-of-cycle、SoC)フレームを発行した時点で開始されます。また、このフレームは、同期フレームとしても使用されます。次に、MN は各制御ノード(CN)に対する要求フレームの送信へと進みます。CN はそのフレームを受信した時点で、要求ごとおよびサイクルごとに 1 個のデータ・フレームを発行します。CN のフレームには、ただ 1 個のノードから取得したデータのみが格納されているので、データ・サイズを数バイト程度に維持することができ、高速な反応時間を保証できます。

b)     各 CN の応答をブロードキャスト・モードで送信します。その結果、ネットワーク全体に存在するあらゆるコンポーネントが、そのような応答のリッスン(待ち受け)を選択することができます。このメカニズムは、同期を実現するうえで理想的です。この動作により、システム内に存在する各エンコーダやセンサを、ネットワークに直接接続できます。その結果、どのモーター・ドライブもモーター内などに存在するあらゆるエンコーダをリッスンし、自らの管理下にあるモーターを制御するためにそのデータを使用することができます。バス・マスターを使用してこのデータのルーティングと分散を実行する手間は必要ないので、データはサイクルごとにリアルタイムで利用できます。

c)      オフィス内のネットワークでは、通常は RTOS/イーサネット・コントローラの組み合わせを使用しますが、この場合はネットワークへの接続をそのような方法で管理する必要がありません。ここではSitara AM335x プロセッサがインターフェイスを管理し、ネットワークをリッスンします。このプロセッサではすでにパケットを準備およびプリロードしており、管理ノードからの要求をコプロセッサが受け取った直後に、このパケットをネットワークに送り出します。シン・レイヤー・プロトコルである POWERLINK と、専用ハードウェアの組み合わせにより、小さいジッタ、短い待ち時間、および高速な反応時間が保証されます。

d)      POWERLINK の仕様により、各コンポーネントはリピータ経由で自らの内部に接続される 2 個のイーサネット・ポートを実装する必要があります。この結果、ネットワーク接続されているコンポーネントをデイジーチェーン接続するか、ハブを使用してスター構成を維持することができます。ネットワーク遅延は最小化され、Wireshark のような無償のツールを使用してネットワークのトラフィックをログに記録し、またネットワークの問題をデバッグすることができます。

装置を見直してみませんか。ネットワークサービスの実装により、装置をより最適にすることができます。

Powerlink テクノロジーの詳細と、TI Sitara プロセッサを使用して実現する方法を確認するには、2015 年 7 月 16 日米国東部夏時間(EDT)午後 2 時に開催される無料の Web セミナー「Using Real-Time Ethernet to Control and Synchronize Industrial Machines」(英語)に登録してください。

開発に今すぐ着手

Sitara Ethernet Powerlink 開発��ラットフォームのリファレンス・デザイン{34}を活用して Powerlink ソリューションを評価する

www.ethernet-powerlink.orgにアクセスする

・TI のホワイトペーパーPOWERLINK on TI Sitara™ Processors(英語)を読む

 

 

上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。

http://e2e.ti.com/blogs_/b/process/archive/2015/06/20/can-you-achieve-high-performance-synchronization-across-your-machine


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