さまざまな場面で広告を目にするとき、競合製品に比べてどれほど信頼性に優れているかという製品広告が宣伝されていることがあります。自動車メーカから工具メーカ、半導体メーカに至るまで、すべての企業が自社製品こそ本当に信頼できる唯一の製品だと証明しようとして躍起になっています。マーケティングの大部分でそれほど信頼性に重点が置かれているなら、信頼性が重要課題であることは間違いありません。しかし、最も信頼性に優れた製品とはどのようなものなのでしょうか?

信頼性の最も基本的な定義は、測定値の整合性です。同じ条件下で一貫して同じ結果を出すことができれば、その製品は信頼性が高いことになります。また、単純さも重要な要素の1つです。システム内の部品数を削減すると、1つの部品が誤動作を起こし、システムの性能に悪影響が及ぶリスクも低下します。たとえば自動車産業における最大の懸案事項は、内燃エンジンの信頼性です。エンジンの機能は、何百という可動部品の完璧に同期した相互作用によって成り立っているため、自動車が10年以上にわたって適切な走行を続けられるようにするには、信頼性が極めて重要です。同様にパワー・エレクトロニクスの分野では、顧客が求める性能を実現するために、ほとんどのDC/DCコンバータでデバイスの構成に主に外付け部品が使用されています。しかし、追加で必要となる外付け部品は、すべてがシステムにとってリスクを増やす要因になります。

信頼性と単純さは密接に関連しているため、当然、最も単純な部品構成で設計することは、信頼性の向上にもつながりやすくなります。そのような理由から、より単純な製品では部品表(BOM)の部品数が削減され、可能な限り多くの外付け部品がチップに統合されています。高いレベルでの統合には、BOM部品数とBOMコストの削減、基板スペースの削減、設計作業の削減、信頼性の向上など、いくつかの利点があります。高い信頼性とトレードオフの関係にあるのは、柔軟性の欠如です。図1に示すTIのLM5575のようなコンバータには、機能の構成とDC/DCレギュレータの設計最適化を行い、特定のアプリケーションに最も適した性能を実現するために、12個以上の外付け部品が必要です。しかし、アプリケーションに特に厳しい要件がない限り、作業やリスクを必要以上に増やしても無駄になってしまう可能性があります。14個の外付け部品を使用し、苦労して複雑なデザインを完成させるか、より単純で信頼性の高い製品を購入するか、どちらを選びますか?

図1: LM5575の回路図

BOM部品数を少なく抑えて信頼性を向上させる方法の1つは、集積回路(IC)の内部に補償回路を組み込むことです。補償回路は、電源ICの設計において安定したループ応答を確保するために欠かせない部分です。従来から、電源系のエンジニアは外付けの補償回路を設計してきました。外付けの補償回路の利点は、過渡応答の高速化を実現するために、部品を自由に選択して設計を最適化できる柔軟性です。しかし、補償回路の設計は複雑で骨の折れる作業です。電源のエキスパートで時間に余裕があるという場合は、それでも問題ありませんが、締め切りに追われて作業している場合や、必要な専門知識を持っていない場合、外付けの補償回路を適切に設計するには時間が足りないかもしれません。そのような場合は、補償を内部に組み込むことによって電源IC設計の作業手順やリスクを大幅に削減できます。内部補償回路は、不具合のある部品や設計上のミスによって最終機器の性能に悪影響が及ぶリスクを最小化します。また、電源プラットフォームの設計にかかる時間も短くなります。

TIでは、信頼性を向上させるもう1つの方法として、固定出力電圧の各バージョンを提供しています。出力電圧のプログラミングに柔軟性が必要な場合は、可変の出力オプションも用意していますが、TIのお客様の大部分は、降圧コンバータを使ってバッテリから24V、12V、5V、または3.3Vの各レールに給電しています。これらの電圧レベルで固定出力電圧を提供することには、BOM部品数の削減、信頼性の向上、出力電圧精度の向上、出力ノイズの低減など、いくつかの利点があります。たとえば、図2のLM2596を動作させるために必要な外付け部品は4個だけです。

図2: LM2596の回路図

LM257x、LM259x、LM267xの各製品ファミリは、すべてのSIMPLE SWITCHER® DC/DC降圧レギュレータの中でBOM部品数が最少となっています。TIでは、単純さと信頼性を考慮に入れて製品を一から設計することで、必要となるBOMの外付け部品数を11個から4個または5個にまで削減することができます。それぞれの外付け部品を除外したりチップに内蔵したりすることで、製品の信頼性を向上させながら、必要な設計作業の量も削減できるという利点が生まれます。設計作業をより簡単にして、本当に信頼できる降圧コンバータを選びましょう。

こちらでは、これまで説明してきた信頼性の高いSIMPLE SWITCHERデバイス一覧をご確認いただけます。  

その他のリソース

  • 設計基準に合致するSIMPLE SWITCHERデバイスをこちらから検索し、その結果を部品数の少ない順に並べ替えることができます。
  • こちらから、LM2596と、必要なBOM部品数が少ないその他のSIMPLE SWITCHERレギュレータについて、詳細をご確認いただけます。

上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。

https://e2e.ti.com/blogs_/b/powerhouse/archive/2016/06/13/more-components-more-problems

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