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車載用高電圧コンタクタ・エコノマイザに電流モードPWMコントローラを使用する方法について

HEV/EVの高電圧バッテリは、トラクション・インバータへの給電に加えて、ACコンプレッサなど他の高電圧負荷への給電にも使用されます。バッテリを負荷に接続するために、バッテリからの電力ラインは、コンタクタと呼ばれる電子制御の高電圧スイッチを通して配線されます。

図1に示すように、車載用の一般的な高電圧電源基板回路では、バッテリ切断ユニット(BDU)と配電モジュール(PDM)内にコンタクタが使用されています。

図1:HEV/EVの一般的な高電圧電源基板回路で使用されるコンタクタ

高電圧コンタクタは、その内部の低電圧コイルへの電力供給によって電子的に制御されます。低電圧のコンタクタ制御回路は、エコノマイザと呼ばれ、コンタクタ内部の低電圧コイルを駆動し、車両内の低電圧バス(12Vバスなど)によって給電されます。また、高電圧コンタクタをオンまたはオフに切り替えるための制御信号は、車両制御ユニット(VCU)または車載HVAC制御モジュールによって生成されます。

図2に、低電圧コイル内の電流のプロファイルを示します。この電流プロファイルは、「プルイン・アンド・ホールド」プロファイルと呼ばれます。コンタクタが最初にオンに切り替わったとき、コイル内の初期電流は大きな値です。これがプルイン電流であり、図2のipullで示されています。プルイン電流に続き、コンタクタがオンになっている残りの時間は、図2のiholdで示される一定のホールド電流が流れます。プルイン電流によって接点の接続を確実に行い、ホールド電流によって接点をそのままの状態に維持します。

図2:コンタクタのプルイン電流とホールド電流

図2に示すように、エコノマイザの主な機能の1つは、低電圧制御コイル内の電流を制御することです。テキサス・インスツルメンツが提供する電流モードPWMコントローラの幅広いポートフォリオには、UC2843A-Q1UCC28C43-Q1などのデバイスが含まれ、低電圧コイルの電流制御に最適です。

これらのデバイスには、単純でありながら効果的な制御アーキテクチャが搭載されています。UC2843A-Q1およびUCC28C43-Q1は、わずか8本のピンでMOSFETのゲートを直接駆動できます。また、産業用途で実績のあるこれらのデバイスは、高電圧から低電圧への変換用に柔軟でスケーラブルなコントローラ・ソリューションを提供し、幅広い入力範囲のアプリケーションをサポートします。

図3に、PWMコントローラを使用したエコノマイザの回路概念を示します。

図3:コンタクタ・エコノマイザに使用される電流モードPWMコントローラ

図3のエコノマイザには、電源ブロックと電流設定点発生ブロックも含まれています。これらのブロックは、テキサス・インスツルメンツのLDO、アナログ・マルチプレクサ、オペアンプ、コンパレータの幅広いポートフォリオを使用して簡単に実現できます。

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参考資料:

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