充電とペリフェラル接続が可能な USB Type-C ポートを搭載した新型のノート PC、スマートフォン、タブレットがが市場に出てから、USB Type-C が話題を呼んでいます。

裏表が反転しても使えるType-C コネクタはユーザの利便性を向上させることから、Type-C 対応 AC/DC チャージャとパワー・バンクに対する需要は高まっています。 より重要な点は、Type-C チャージャとパワー・バンクがノート PC、スマートフォン、タブレットなどへのユニバーサル対応が可能なことです。

皮肉なことに、これらのチャージャやパワー・バンクの構成は、従来の Type-A 対応品とそれほど異なっているわけではありません。 一方、チャージャの設計者が見落としがちですが、重要な意味を持つのは、Type-C の回路追加に伴い Type-C 接続の消費電力が増加するという事実です。 USB 2.0 時代に比べ、新たに追加されるのは D+/D- 接続端子だけではありません。

Type-C では、プラグの向きを確認し、接続されたポートの役割を確定するために、構成チャネル(Configuration Channel、CC)ピン検出機能が必要です。また、より高い出力電圧が必要とされる場合は、追加のパワー・デリバリ(PD)通信機能も必要です。 これらの追加機能が原因で、より複雑な IC が必要になり、その結果、当然、消費電流が増加します。 現在、市販されている多くの Type-C ソリューションは、マイコン(MCU)コアをベースとしており、通常、静止時電流(IQ)消費はミリアンペア(mA)単位に達しています。

電流消費の増加は待機時消費電力に悪影響を及ぼします。また、AC/DC アダプタに関する最新の規格(Code of Conduct、CoC)V5 Tier-2 では、スタンバイ電力を 75mW に設定するように規定されています。その実現はそれほど容易ではありません。 また、パワー・バンクに Type-C 制御回路が内蔵されている場合は、実際に使用していないときでも、電流増加が原因でバッテリを消耗する可能性があります。

先進的なダウンストリーム側ポート(DFP)コントローラの設計においては、低 IQ が重要な目標となります。 こうした設計では、消費電流を最適化し、マイクロアンペア(μA)単位まで抑えています。 たとえば、Type-C DFP コントローラであるTPS25810 のデバイス非接続時の消費電流は 0.7μA 未満(代表値)です。 こうした低消費電流特性により、AC/DC アダプタの電力効率要件への対応が可能になり、充電済みのパワー・バンクの長時間電力保持が実現します。

先進的な Type-C コントローラの低 IQ 設計により、AC/DC チャージャの設計者は追加制御回路による消費電流への影響を回避でき、スタンバイ電力要件への対応が可能になります。 低 IQ コントローラを採用したパワー・バンクは電力保持時間の延長を可能にし、ユーザの利便性を向上します。

その他のリソース:

上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。

https://e2e.ti.com/blogs_/b/powerhouse/archive/2016/01/21/why-does-iq-matter-for-usb-type-c

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