WEBENCH に新しい設計パネルが追加され、 WEBENCH 対応の電圧レギュレータのプロダクト・フォルダ内で、 WEBENCH で設計した回路をフル・プレビューできるようになりました。 この新パネルは、WEBENCH で設計した回路を 1 クリックでダイナミックな双方向操作により、カスタム化することができます。  Power Designer のフル・バージョンで設計を開く前に、再計算と最適化により、設計のカスタム化が可能になります。  図 1 のパネルは、回路カリキュレータポップアップ・ウィンドウであり、図 2 では WEBENCH Power Designer が提供するいくつかの機能を示しています。

図 1: インタラクティブなプロダクト・フォルダのパネル

この新しいパネルにより、設計が必要な仕様に対応しているかどうかを迅速に判定できるようになり、設計と部品を調べるのに必要な時間を短縮でき、要件に対応した電源回路設計を瞬時に完了できます。さらに、同じ要件に対応して作成された類似の設計回路との比較も可能になります。これまでのプロダクト・フォルダでも類似部品のパラメトリック比較が表示されていましたが、対象となる部品を比較できるだけで、最終的な設計への影響については把握できませんでした。  Interactive Design 内の比較機能を使用すれば、進行中の設計と類似の要件を満たす同じような設計回路を参照し、2 つ の設計回路と 2 つの部品の同時比較が可能になります。  製品ファミリ間の共通仕様を簡単に把握し、最低コスト、最小部品点数、最小占有面積に基づき、類似の設計回路をソーティングできます。  また、プロダクト・フォルダ内の同じポップアップ・ウィンドウで、各設計の回路図、部品表(BOM)、動作時グラフ、動作値(Op Val)を横に並べて参照できます。

製品フォルダの Interactive Design ウィンドウを開くには、一番上の「Interactive Design」アイコンまたは「Explore Now」ボタンのいずれかをクリックします。 ポップアップ・ウィンドウが開き、パネルに入力された要件により、完全な WEBENCH 設計が生成されます。

図 2: Interactive Product Folder Design の生成

設計の作成後、図 2 のパネル左下のアイコンをクリックすれば、設計の回路図、動作時グラフ、部品表(BOM)、動作値(Op Val)に移動できます。   また、パネル上部で設計入力の再計算や設計の最適化が可能です。

回路図を参照すると、設計の複雑さを即座に確認できます。  回路図の拡大や部品の編集の際には、「View/Edit Schematic」をクリックすれば、同じ設計を WEBENCH Power Designer のフル・バージョンで開くことができます。  「Charts」ビューには、指定した出力電流における VIN Min と VIN Max 間の 3 つの電圧レベルについて、効率とデューティ・サイクルの動作時グラフが表示されます。 「BOM」ビューには、部品、メーカー、占有面積、各部品の属性リストが表示されます。 設計のいずれかの要件を変更する際には、「View/Edit BOM」をクリックし、 WEBENCH Designer のフル・バージョンを起動します。  「Op Val」ビューには、最も重要な動作値が表示されます。さらに詳しい動作値を確認したい場合は、WEBENCH ツールのフル・バージョンに移行して、ほかの動作値にアクセスするか、Power Designer の先進機能を使用できます。 

「Op Val」タブの下には「Compare(比較)」タブが用意されています。  「Compare(比較)は、 Interactive Design ツールに最近追加された新機能です。  この機能は WEBENCH Power Visualizer ロジックを使用し、「Design Inputs」セクションの要件に対応した類似ソリューションのページ化リストを生成します。

図 3: インタラクティブなCompare Table(比較表)

図 3 の比較表は、WEBENCH ツールで生成可能な類似ソリューションと作成中のソリューションを比較します。  この表では、表の上のテキスト・ボックスに入力した型番によるフィルタリングが可能です。また、列ヘッダーをクリックすると、最大出力電流、ソリューション効率、ソリューション総占有面積、BOMコスト、部品点数により、ソリューションのソーティングが可能です。

作成中のソリューションと比較したいソリューションを探したら、表の型番の横にある「Compare」をクリックします。  この操作により、別の WEBENCH 設計が動的に生成され、作成中のソリューションと並べ、直接比較が可能になります。

図 4: Interactive Design Comparator

図 4 は、Interactive Design Comparatorの「Schematic」ビューです。 Comparator を使用すると、2 つの WEBENCH 設計を横に並べながら、複雑さとターゲット値の迅速な比較が可能になります。  また、2 つのソリューションの回路図、動作時グラフ、部品表(BOM)リスト、動作値(Op Val)を、同じ画面で並べて確認できます。 その際、設計入力の再計算や、両方の設計の同時最適化が可能になります。 各ソリューションのそれぞれのタブの下にある赤いボタンをクリックすると、WEBENCH Power Designer のフル・バージョンでさらに詳しく調べることができます。

TI 製品の名前しかわからない場合、比較機能を使うことで、新しい部品を見つけ出し、最適なソリューションを実現できるでしょう。  この機能は、WEBENCH ツールをまだ使用したことがない設計者にとって、WEBENCH 設計ツールの利点を実感できる良い機会となります。

 

上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。

https://e2e.ti.com/blogs_/b/powerhouse/archive/2015/11/19/new-webench-interactive-product-folder-with-compare-feature


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