超音波テクノロジによってホーム・オートメーションの利便性と性能を向上させる方法


照明、ファン、サーモスタット、テレビ、音楽機器、ガレージ・ドア、玄関のチャイムなどの制御の自動化についての関心が高まっていることで、商用ビルディング・オートメーション・テクノロジを住宅に導入する傾向がますます強まっています。例えば、Amazon Alexa、Google Home、Apple HomePodおよびHomeKit、Winkのほか、多数のセントラル・ハブ製品が、住居内の各種電気/電子デバイスを制御および監視しています。(図1)


図1:動作検出や存在検出を備えた一般的なホーム・オートメーション製品

ホーム・オートメーションの課題は、テクノロジが発展の初期段階にあるため、セントラル・ハブにも効果的に機能するものとそうでないものがあるという点です。ホーム・オートメーション用のセントラル・ハブやデバイスのメーカーは、継続的に技術革新を行うことにより、性能の向上と利便性の強化を進めながら、エネルギー消費の低減にも取り組んでいます。

大部分の製品には、近くにいる人の存在や人の接近を検出し、それ以外の場合はスリープ・モードを維持して電力を節約する機能が必要です。このようなデバイスは、検出時に自動的にウェークアップして、照明のオン/オフ、HVAC(暖房、換気、空調)システム設定の調整、電子チャイムを押される前にオンにして家主に通知(またはビデオを録画)する、防犯アラームを作動させるなどの主要機能を実行します。

動作検出器は一般に光学、マイクロ波、または音響テクノロジに基づいています。最も一般的なのは受動型赤外線(PIR)光学テクノロジですが、このブログ記事では、超音波音響テクノロジについて説明します。

「なぜ存在検出や動作検出に一般的なPIRセンサではなく超音波センシングを採用しなければいけないのか?」と疑問に思われるかもしれません。PIRセンサはセンサの前で生じる温度変化の原理に基づいて動作しますが、それは昆虫や小動物がトリガとなってセンサを作動させてしまう可能性があることを意味します。また、白色光がセンサに直接当たると一時的にセンサが「目隠し」された状態になり、アラートが誤作動する可能性もあります。カメラ・システムはフレーム間の変化を検出して動作を記録しますが、やはり昆虫や鳥がこのシステムを作動させるトリガとなり、カメラの視野内に葉や草木があれば、その動きもトリガとなる可能性があります。超音波センシングは、センサから送信された音波を遮ってセンサにエコーを返す目標物の動きや存在の原理に基づいているため、このような誤検出が発生する余地はありません。人が存在している場合のエコーの強度は昆虫やペ��トのものとは異なり、適切な目標物を検出するようシステムをプログラミングすることができます。

光学式ToF(タイム・オブ・フライト)センシングや静電容量式センシングなど、人の存在や接近を検出できるセンシング・テクノロジはいくつかありますが、その中で最も低コストかつ用途の広いテクノロジの1つが超音波センシングです。現在は車載用駐車支援システムでの障害物/存在検出に広く利用されていますが、超音波センシングはセントラル・ハブ、在室判定、高度な動作検出器にも活用できます。

さまざまな状況で、超音波テクノロジにはコストに加えて性能面での優位性があります。空気、水、ガスなどの異なる媒質内で機能します。形状、サイズ、色、表面の輪郭に関係なく物体を検出できます。レーダのように3Dイメージを作成できるので、家庭のペットと人を見分けるなど、システムで高精度の判定を行えるようになります。最後に、超音波テクノロジには、最終製品での機能あたりの価格を他より抑えることができるというメリットがあります。

超音波センシング・ベースの存在検出サブシステムをホーム・オートメーション・デバイスに組み込むと、特定の方向か円弧状の広範囲(90~135°)に向けた超音波トランスデューサで、近付いてくる人を検出することができます。トランスデューサを追加すれば、検出範囲を360°まで拡大できます。反射された超音波から存在が検出されると、このサブシステムの出力によってデバイスが作動し、玄関チャイムのビデオや監視カメラの機能がオンになります。

スマート・スピーカーのようなシステムでは、超音波ベースの存在検出によって近付いてくる人の方向に向いている特定のマイクをオンにすることができるので、システムの精度が向上します。その他には、超音波サブシステムで人が検出されたときに部屋の照明や空調をオンにしたり、ホーム・セキュリティ・システムに使われている動作検出器の代わりに使用したりする例もあります。

もちろん、存在検出の用途はホーム・オートメーションに限られたものではなく、ビルディング・オートメーションにまで範囲を広げることもできます。急速な成長を遂げるアプリケーションの1つが、空港やショッピング・モールなどの商業施設にある屋内駐車場での空き駐車スペースの検出です。このユースケースでは、駐車スペース上に配置されているか地中に埋められている超音波モジュールが車両の存在を検出します。天井に取り付けられている緑色または赤色のランプによって、そのスペースが空いているか使われているかを運転者に知らせます。以下の図2に示すモジュール例は、『PGA 450-Q1』超音波システム・オン・チップ(SoC)インターフェイスICと超音波トランスデューサを小さなフォーム・ファクタ内に収めたものです。


図2:小さなフォーム・ファクタの超音波センシング・モジュール

駐車スペース検出器モジュールは、設計要件と関連コストに応じて有線にすることもワイヤレスにすることもできます。有線システムの場合、必要なのは図2のリファレンス・デザインと同様のモジュールを、2つの発光ダイオード(LED)ライトが含まれるように修正するだけです。また、Bluetooth®、Wi-Fi®、Zigbeeなどの多数のワイヤレス標準のいずれかを使用したワイヤレス・メッシュ・ネットワークを採用すれば、屋内駐車場の天井に沿って配線する必要がなくなります。

存在検出はさまざまな方法で実装できますが、個人的な意見を言えば、最もコスト効果が高くアラートの誤作動を最小限に抑える手法は、超音波ベースの手法です。

参考情報

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※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年10月5日)より翻訳転載されました。
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