TIのDLPテクノロジによる高解像度HUDを搭載したリンカーン・コンチネンタル・セダン登場

15年の空白を経て、新しいリンカーン・コンチネンタルが登場します。このプレミアム・モデルには、技術パッケージとして提供されるDLP®テクノロジを使用した独自の新しいHUD(ヘッド・アップ・ディスプレイ)を含む、いくつかの先進的な機能を備えています。

本来、航空機向けに開発された技術であるHUDは、現在、ミドル・クラスからプレミアム・クラスに採用されています。このシステムにより、ドライバーは運転中に視線を維持しながら、自動車のフロントガラスに画像を投影し、運転関連情報を見ることができます。最も基本的なシステムでは、速度やRPMなどの数字だけ表示され、高度なHUDではナビゲーションや警告通知がサポートされています。リンカーンの顧客を対象にした調査によると、ドライバーはHUDを搭載した車両の運転を楽しんでおり、実際に運転に集中できるため、インストルメント・クラスタのみで運転することを好んでいます。すでにHUD搭載車を所有しているドライバーは、新車を購入する際にHUD搭載を選ぶ傾向があります。

車載向けHUDへの関心の高まりにより、TIは同社のDLPテクノロジをベースにしたHUDテクノロジを開発しました。 DLPテクノロジがどのようにHUDに応用されているのかを検証してみましょう。

1:リンカーン・コンチネンタルに搭載されているHUD機能

HUD開発におけるDLPテクノロジ性能の優位性
 DLPテクノロジは、業界で最も明るく鮮明な画像を生み出す新世代の広視野(FOV)HUDを実現し、容易に15,000カンデラ/平方メートルの輝度、 温度によって品質が劣化しないNTSC(National Television System Committee)の色域性能が5,000:1および125%のダイナミック調光範囲色域性能を実現できます。さらに、DLPテクノロジは光源の偏光を必要としないので、ドライバーはお気に入りの偏光サングラスを着用しても、HUD画像をはっきりと見ることができます。立ち上がりを見せる活気づくAR(拡張現実)市場では、DLPテクノロジにより、長時間の仮想画像に伴う太陽熱負荷の課題を克服し、仮想画像を15-20m先まで投影できるHUDを実現しています。

リンカーン・コンチネンタルに搭載の『DLP3000-Q1』HUDチップセットは、0.3インチのDMDと『DLPC120 DMD』コントローラで構成されています。コンチネンタルのHUDは、現在使用されている中で最も明るく、大きなHUDの1つで、優れたDLPテクノロジを活かし、明るい周囲環境でも効果的な投影画像を実現します。フロントガラスの投影面積は、10×2.5度のFOV(図2参照)を持ち、分解能は1度あたり70ピクセルを超えています。比較すると、視力2.0の人は、通常、1度あたり60ピクセルまで認識できます(図3参照)。 60ピクセル/度以下の分解能は、ギザギザに歪んで見えることがあります。

2HUDジオメトリと用語

3 2.0の視力を持つ人は、1度あたり60ピクセルまで認識できる

リンカーン・コンチネンタルのHUDは、所定のエリアのスピード制限、クルマの現在の速度、アダプティブ・クルーズ・コントロール情報、燃料がなくなるまでのマイル数、電話情報(発信者IDなど)、ギアの表示、ウィンカー、現在の時間および外気温を表示します。また、ナビゲーション、レーン・キープ・アシスト、BSW(ブラインド・スポット・ワーニング)、後退中に横方向の交通を警告し運転者をサポートするCTA(クロストラフィック・アラート)、スポーツモードでの走行時のタコメータなど、より高度な情報を表示する機能も備えています。

カスタマイズ可能なディスプレイ
 自動車メーカーは、車載ディスプレイのカスタマイズやスペース効率を求められます。コンチネンタルHUDは、ドライバーがフロントガラスに投影したいと思う機能や、あるいはインストルメント・クラスタで見たいものを選択して変更できるよう設計されています。同じ情報は車内の複数の場所に表示されず、ドライバーはどこに何を表示させるのかを制御できます。

リンカーンはコンチネンタル用のHUDを設計し、運転者の注意を遮らないように表示されたデータに優先順位を付けました。より低い優先度の情報は16インチディスプレイの端に沿って配置され、優先度の高いデータは上位に投影され、アクセスしやすくなります。

HUD装備の運転席で
 2017年型コンチネンタルにHUDを搭載しドライバー視線で情報を見やすくすることで、リンカーンはドライバー・エクスペリエンスを向上させることを目指します。ダッシュボードの表示を見ることなく関連コンテンツをフロントガラスに投影することで、ドライバーは視線に落とさず道路先を見据えることができます。

新しいHUD機能は、2017年モデルのリンカーン・コンチネンタルに搭載され、2018年モデルのリンカーン・ナビゲーターに搭載される予定です。バックカメラおよびブラインドスポット検出の進化と同じように、HUDは今後自動車産業において標準機能となるでしょう。リンカーン・コンチネンタルのHUDのビデオはこちらからご覧いただけます。

<参考情報>
+ HUD向けのDLPテクノロジ(英語)

+ブログ:
-HUDの未来を推進するAR機能  -On the lookout for a driver’s change of view (英語)

※DLPはTexas Instrumentsの登録商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。
※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年10月4日)より翻訳転載されました。