システム内の不揮発性メモリは足りていますか? あるいは低消費電力のキーパッドや外部ウォッチドッグ・タイマを探してはいませんか? このように広範囲に及ぶアプリケーションには互いに関連性が見出せないかもしれませんが、これらはすべて、コスト効果の高いMSP 430™強誘電体ランダム・アクセス・メモリ(FRAM)マイクロコントローラ(MCU)を使用して実現できるアプリケーションです。

従来型の設計では、EEPROM(Electrically Eerasable Programmable Read-Only Memory)や外部ウォッチドッグ・タイマなどの機能がそれぞれ専用の集積回路(IC)によって実装されており、コストや複雑さ、使いやすさに大きなばらつきがあります。TIでは、MSP 430バリュー・ラインMCUを使用して同様の機能を実現できるという認識のもと、単純な機能にインテリジェンスを付与する方法を説明したシステムおよびハウスキーピングTI TechNoteシリーズを紹介してきました。

固定機能ICの代わりにプログラマブルMCUを活用することで、従来型の手法では得られないことの多い機能性や柔軟性を追加できるようになります。以下のTI TechNoteでは、単純なMSP 430 MCUをベースにこれらの機能を実装する方法を示しています。

これらの機能は、MSP430バリュー・ラインMCUが汎用性を備え、一般に組み込みMCUの使用が検討されることのないアプリケーションで広く使用できることを示しています。また、MSP430 MCUの低消費電力特性には、一部の従来型ICに欠けている特別な利点があります。この例として、『EEPROM Emulation Using Low-Memory MSP430 FRAM MCUs』TI TechNoteで説明されているEEPROMエミュレーション機能について詳しく見ていきましょう。

MSP430 MCUに組み込まれている不揮発性FRAMは、電気的に消去可能な不揮発性ストレージとして利用でき、従来型EEPROMのミリアンペア単位の消費電流に比べてマイクロアンペア単位でしか消費しません。この低コスト実装により、シリアル・ペリフェラル・インターフェイス(SPI)を介した読み取り/書き込みアクセスができる48バイトのデータ・ストレージが得られます。さらに、より大きなFRAMメモリ容量を備えたMSP430 MCUを選択することにより、データ・ストレージ・メモリの容量を簡単に拡張できます。

このTechNoteでは、超低消費電力の不揮発性メモリ・ストレージのニーズを満たす、優れた代替ソリューションについて説明しています。図1は、MSP430 MCUと汎用ホスト・プロセッサの間のSPIインターフェイスおよびその他の制御信号接続を示したブロック図です。

 図1:EEPROM SPIのブロック図

TechNoteシリーズに詳しく記載されているすべてのシステムおよびハウスキーピング機能は、TIの低コストMSP430デバイスで動作するよう設計されています。提供されているコード例は、MSP430 FR2000およびMSP430FR21xx MCUの512バイト~4KBのメモリ内に収まります。これらのデバイスは、16ピン薄型シュリンク・スモール・アウトライン・パッケージ(TSSOP)と24ピン超薄型クワッド・フラット・ノーリード(VQFN)パッケージで供給されます。1,000個注文時の希望小売価格は29セント(さらに数量が多い場合は25セント)と低価格なので、多くの固定機能ICに対するプログラム可能な代替品として利用できます。

 その他のリソース

  • 単純な機能へのインテリジェンスの付与に焦点を当てたTechNoteの全シリーズについて詳しくは、このシリーズの他のブログ記事をご覧ください
  • 全TechNoteとその他のプログラミングに関するヒントやコツをまとめたeブック(HTMLまたはPDF)をダウンロードしてください。
  • TIのMSP430バリュー・ライン・センシングMCUファミリについて、詳しくはこちらを参照してください。
  • 技術サポートが必要な場合は、MSP E2Eフォーラムにアクセスしてください。

上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。
https://e2e.ti.com/blogs_/b/msp430blog/archive/2017/12/05/25-functions-for-25-cents-systems-and-housekeeping

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