デジタル・コックピットへの道のり

ナビゲーションやインフォテインメント・システムが導入される前の自動車は、A地点からB地点に行くのに自分の記憶を頼りにせざるを得ず、車内のエンターテインメントといえばAM/FMラジオしかありませんでした。ダッシュボードには、走行速度を示す速度計と、ガソリンの残量を示す燃料計ぐらいしか計器類は備わっていませんでした。

過去から今日まで話を進めると、私たちのライフスタイルにおいてインターネット接続がますます進み、クルマのエンジンをかけたらすぐにネットに接続できるようなシステムを完備できるよう、自動車メーカーも昼夜取り組んでいます。

1:典型的なデジタル・コックピット応用例

最新の自動車のデジタル・コックピットではすでに、この技術の影響の大きさを垣間見ることができます。(図1)

中央の高精細ディスプレイに表示される、3Dナビゲーション及びマルチメディア・システムを備えたインフォテインメント・システム

統合周辺ビューおよびドライバー・モニタリング・システムを備えた、グラフィカルな完全デジタル・クラスタによる情報の共有化

ユーザーのデバイスから音楽を再生するだけでなく、車外の周辺雑音や振動を除去できるオーディオ・システム

ドライバーが前方の道路に集中できるように、ARを活用して、道路上にリアルタイムの状況や他の情報を重ね合わせるヘッドアップ・ディスプレイ

乗客の車内体験をより充実したものにする後部座席エンターテインメント・システム

このコネクティッド体験を提供し、他社と差別化を図るために、OEMメーカー各社はデジタル・コックピットを設計する際に先進のエレクトロニクスとソフトウェアの統合や、コストの最適化に注力しながら、コックピット内でシームレスなユーザー体験を提供するために異なるシステムを統合しています。

では、各メーカーがより充実したデジタル・コックピット体験を開発できるように、TIではどのようなサポートを提供しているのでしょうか。まずは多くの複雑なシステムと同様に、新しい自動車を選択する際にメーカーが考慮する機能を実現できるプロセッサとその機能についてご紹介します。

TIの『Jacinto 6 Plus』は、『Jacinto 6』車載用プロセッサ・ファミリに最近追加されたもので、デジタル・コックピットを念頭に設計されています。これらのプロセッサは、その他の『Jacinto』製品ファミリと同じコア・プラットフォームとアーキテクチャを共有していることから、顧客や開発者は同じ製品プラットフォームとソフトウェアを使用することができ、既存の投資を最大限に活用できます。また自社デザインをエントリ・レベルの乗用車から高級車にまで拡張することができ、市場投入期間を短縮できます。既存の『Jacinto 6』ファミリを拡張した、より高機能の『Jacinto 6 Plus』プロセッサにより、顧客はより安全でコネクティッドなドライブ体験を実現できる機能を追加できるようになります。

2:『Jacinto 6』から改良された性能

『Jacinto 6』車載用プロセッサは、以下の機能により、コネクティッド・カー体験をより充実したものにします。

既存のソフトウェアとハードウェアの再利用を容易にします。外部カメラのルーティングや追加ディスプレイの接続を含む、システムのアップグレード以外は、最小限のデザイン変更で済みます。

その他の『Jacinto 6』ファミリと同じ堅牢な実証済みアーキテクチャを使用することで、OEMメーカーは自社デザインを拡張する際の市場投入期間を短縮できます。

ARM-Cortex MPU、C66x DSP、GPU、拡張メモリ速度(図2)による性能向上により、ヘッド・ユニット機能の同時並行処理、分析/画像操作、マルチドメイン/マルチOS機能のヘッドルームを提供します。

マルチOSとGPU共有をサポートした堅牢なハイパーバイザ実装により、OEMメーカーはデジタル・コックピット応用例と機能(図1)を単一のSoCに統合できます。

イメージ・シグナル・プロセッサ(ISP)やCSI-2ポート、CAN-FDなど、複数の新しいIPを統合することで、最適化されたBOM(部品表)とともに新しいイノベーションをサポートします。

デジタル・コックピットは今後も、インタラクティブでありながら、気を散らすことのないドライビング体験を求めるユーザーの期待の高まりに応えるために継続的に進化するでしょう。『Jacinto 6 Plus』プロセッサにより、自動車OEMメーカーはシームレスにコネクトした、充実したドライビング体験への進化をサポートすることができるのです。

参考技術資料(英語)
+「Jacinto6 Plus
+「デジタル・コックピット
+「デジタル・コックピットの革命

※すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。
※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年6月7日)より翻訳転載されました。

*ご質問は E2E 日本語コミュニティにお願い致します。