• FRAMかフラッシュか:アプリケーションに最適なマイコンの選び方

    自社のアプリケーションでマイコン(MCU、マイクロコントローラ)を使用する際、フラッシュまたはFRAM(強誘電体メモリ)のいずれかを選択する必要があります。FRAMとはどのようなもので、それが有用な機能なのか、疑問に思う人もいるでしょう。FRAMは、フラッシュなどの従来のテクノロジに比べて、高速な書き込み速度、統合メモリ、低消費電力の書き込み、事前消去の不要など、複数の優位性を備えています。これらの優位性は、低消費電力が求められるアプリケーションにおいて、ただちに実際の機能レベルでの利点となります。

    OTA(Over The Air)アップデートなど、屋外でファームウェア・アップデートが必要なアプリケーションについて考えてみましょう。例えば、SPI(シリアル・ペリフェラル・インタフェース)を介して、4KBのファームウェア・イメージをメモリに転送する必要があり、フラッシュまたはFRAM搭載デバイスのどちらを使用するか、社内で話し合っているとします…

  • 超低消費電力MCUによるスマート・センシング – 第5部:スマート・マイク

    このスマート・センシング・シリーズの第5回では、現在民生用として利用されているGoogle HomeやAmazon Echoなどの一般的な家庭用自動化製品においても見られる、ユーザー・インターフェイスの新たなトレンド、スマート・マイクについて説明します。

    スマート・マイクとは、人間の声からコマンド情報を抽出するために、従来のマイクに超低消費電力のデジタル信号処理テクノロジを組み込んだデバイスです。少数のコマンドだけで操作できるアプリケーションの場合は、メイン・システムのウェイクアップやサーバーへの接続を行わずに、スマート・マイク内のデジタル信号処理機能ですべての演算処理をローカルに実行することができます。この機能は、スマート家電/機器、テレビ、ロボットなどのデジタル・アシスタントの音声インターフェイスと連動する鍵となる機能であり、民生用と産業用、両方のアプリケーションに対応しています。

    では、スマート・マイクはどのような仕組みで動作するのでしょうか…

  • 超低消費電力MCUによるスマート・センシング – 第4部:ホルター・モニタ

    このスマート・センシング・シリーズの第4回では、ホルター・モニタの動作原理と実装について説明します。

    心電図(ECG)は、心臓の電気的活動と、臨床診断に使用される既知の生体信号をグラフ形式で記録します。ECGセンサは、一定期間にわたり、心拍ごとの電気的活動における小さな変化を検出します。ECGによる測定では、心拍の規則性に基づく、心臓の機能についての貴重な洞察が得られます。図1は、人間の心臓の解剖学的構造と、ECG信号の心拍波形を示しています。図2は、5秒の時間間隔でのECG波形を示しています。

    図1:心臓の解剖学的構造と心拍のECGパルス

     図2:5秒間のECG波形

    ホルター・モニタは、患者が装着して利用できるポータブルECG記録デバイスです。このデバイスは、医師による短時間の外来診療では診断を下すことができない症状のために、患者の心臓血管の活動を長時間(24時間以上)にわたって継続的に監視します。1950年代にHolter…

  • 超低消費電力MCUによるスマート・センシング – 第3部:状態監視における超音波センシング

    このスマート・センシング・シリーズの第3回では、状態監視における超音波テクノロジの利用について説明します。

    状態監視は、予知保全や先行保全の主な構成要素となっています。状態監視とは、機器の動作における重要な変化を検出することにより、機械または電気システムの動作状態を監視し、障害の発生を防止するプロセスです。状態監視を行うことで、機器の耐用年数を縮めてしまうような状態に対処できます。

    状態監視の手法にはさまざまなものがあり、広く利用されているのが超音波テクノロジです。超音波センサは、通常は20kHz~100kHzの周波数範囲に含まれる音圧波を検出します。この周波数範囲内の音波は、さまざまな"不具合症状"から発生します。不具合症状は、注油不足による摩擦の増大などの単純な症状の場合もあれば、ベアリング・レースに対する回転体のこすれや滑り、機械的ひびや劣化した潤滑油によって引き起こされる衝撃などの場合もあります。高速および低速の機械式アプリケーションにおける摩擦や…

  • 超低消費電力MCUによるスマート・センシング – 第2部:スマート障害インジケータ

    前回はスマート・センシングについて、ガラス破損検出器との関連で説明しましたが、このシリーズの第2部では、別の種類のアプリケーション、障害インジケータについて説明します。

    障害インジケータは、配電ネットワークの架空送電線や地下ケーブルにおいて、障害状態を検出および通知するために広く利用されているデバイスです。架空送電線に取り付けられている障害インジケータの下部には、発光ダイオード(LED)があります。過電流状態が検出されるとLEDが点灯し、離れた位置から障害を視認できるようになるため、現場スタッフが障害箇所を特定できます。

    適切に実装すれば、障害インジケータによってネットワーク上の障害部分についての情報が得られるため、運用コストや停電の発生頻度の削減につながります。さらに、このデバイスを利用することで、危険な障害診断を行う必要性が低下するため、安全性が向上し、機器の損傷が少なくなります。障害インジケータは、その設置場所から主にバッテリ駆動であり…

  • 超低消費電力MCUによるスマート・センシング – 第1部:ガラス破損検出器

    今日の生活環境においては、検出および測定したい事象について、超低消費電力でより正確なデータを提供できる、スマートなセンサが必要となります。

    このシリーズでは、いくつかのスマート・センシング・アプリケーションと、それらの実装用プラットフォームとしてTIのMSP 430™マイクロコントローラ(MCU)を使用する方法について説明します。最初に紹介するスマート・センサは、ガラス破損検出器です。

    ガラス破損検出器は、ビルディング・オートメーションのセキュリティ・システムに使用されるセンサです。このセンサは、窓ガラスが砕けたり割れたりした場合にアラームを発します。一般的にはガラス製のドアや店先のガラス窓の近くに設置されます。

    ガラス破損検出器は、長年にわたって利用されているセンサです。このセンサでは、ガラスから発生するノイズや振動を監視するために、通常はマイクが使用されます。これよりシンプルな検出器では、単にガラスの破損に特有の周波数を持つ音を監視して…

  • 少ない電力と配線で環境データを収集

    ビル・オートメーション・アルゴリズムに起因する環境要因の変化を把握し、その建物のセキュリティに関連するセンサから多くのデータを集めたい場合、周辺環境からデータを収集することが有益でしょう。ただ、ビルに多くのセンサを追加すると、一つ問題が生じます。それは、各デバイスに電力を供給し、通信するために膨大な配線が必要になるということです。ワイヤレス・センサを備えたIoTデバイスは、この配線問題を軽減します。また、以前、英語ブログ「IoTデバイスのバッテリ寿命を延ばす方法」で紹介したように、IoTデバイスのバッテリ寿命問題を解決する方法もあります。従来の有線システムをワイヤレスにする方法はいくつかあり、思っているほど煩雑なことではないのです。

    商業ビルで使用される環境光センサは、ある特定のエリアの光量を検知し、特定の仕事場の環境光全体のバランスを取ります。ワイヤレス・コネクティビティを備えたスマート・コネクタを光源に繋ぎ、窓際にワイヤレス光センサを設置することで…

  • コネクティビティの壁を打ち破るBluetooth 5

    日々の生活で多くのものに利用されているBluetooth®に大きな変化が見られます。もはやBluetoothはワイヤレスで音楽を聴くためや、携帯電話から少し離れたところで電話をするために使用するような、単なるパーソナル・ネットワークではなくなっています。

    インターネット検索で「Bluetooth 5」と入力してみてください。TIも参加する国際機関が策定した標準であるこの技術は、ビル・オートメーションから産業用制御まで、広範なアプリケーションでのワイヤレス接続性を劇的に向上させます。

    TIは完全認証されたBluetooth 5ソフトウェアを提供する最初の企業で、メーカーはTIのSimpleLink™ワイヤレス・マイクロコントローラ技術と統合することで、Bluetooth 5対応製品を迅速に市場投入することができます。この強力なワイヤレス・システムは、4倍の通信距離、2倍の通信速度、8倍のデータ通信容量を提供します。これによって…

  • 産業用通信機能を容易に実現するAMIC 110 SoC

    産業用イーサネット・プロトコルはFA(ファクトリ・オートメーション)の重要な要素になっています。現在、EtherCAT、Profinet、Powerlink、Ethernet/Industrial Protocol(IP)、Sercos IIIなどの多くのプロトコル標準が存在します。非常に多くの異なるプロトコルが存在することから、複数の異なるネットワークに対応可能なソリューションの開発が、技術的に困難な課題となっています。その1つのソリューションが、シングル・デバイスを採用し、異なるプロトコルに対する再プログラムを可能にすることです。その代表的な例が、TIが最近発表したAMIC 110システム・オン・チップ(SoC)です。

    TI Sitara™ ARM®プロセッサはプログラム可能なリアルタイム・ユニット産業用通信サブシステム(PRU-ICSS)を通じて、10種類超の産業用通信標準への対応を可能にします。すでに設計で既存のアプリケーション…

  • CMOS技術により実現するミリ波センサの小型化

    多くの商用レーダ・システム、特にADAS向けレーダ・システムは、シリコンゲルマニウム(SiGe)技術を用いて開発されており、今日の高級車は、マルチチップSiGeレーダ・システムを搭載しています。SiGeレーダ・システムは車間距離適応走行制御向け77GHz車載レーダに求められる高速要件を満たしている一方、サイズが大きくかさばり、基盤面積を多く占有しています。車載レーダ・センサの数が少なくとも10個(前方、後方、中央)に増えれば、スペースの制約から各センサを小型化、低消費電力化し、コスト効率を高める必要があります。現在開発中のいくつかのレーダ・システムでは、トランスミッタ、レシーバ、クロック、ベースバンド機能をシングル・チップに統合し、フロントエンド・チップの数を4個から1個に削減することが可能になります。しかし、これはレーダ・フロント・エンドに限られます。TIは、この統合をさらに進め、CMOS技術を活用して、MCUとDSP機能にインテリジェント…

  • 進化するファクトリ・オートメーション

    以前、ロボット工学に関する記事で、ロボットの種類とそれぞれの特長について論じました。以下はその要約です。

    • 産業用ロボット:通常、位置が固定され、同じ作業を正確に繰り返せるように設計されています。ロボット・アームの基礎部分かその隣に設置されたロボット・コントローラで制御されています。
    • 協調型ロボット:人間とやり取りするように設計された産業用ロボットの一つのサブ・グループです。安全に人と協調できるよう、多数のセンサを搭載しており、人間やモノとの衝突を避けるために自動的に動作を止めるようにできています。
    • 物流ロボット:倉庫や工場の限られた場所の中で使われることが多く、その中で一つの場所から別の場所へモノを運びます。これを行うために、ロボットは位置検出やマッピング作成のためのセンサや周囲を検出するためのセンサなどを備えています。物流ロボットは、バッテリを電源とするので、使用可能な電力バジェットの適切な管理が必要です。
    • サービス・ロボッ…
  • センサの通信方式を革新するデュアルバンド・ワイヤレス・コネクティビティ

    ベン・ギルボア (Ben Gilboa), Texas Instruments

    ここ数カ月の間に、Sub-1 GHzとBluetooth® low energyの両テクノロジを同時にサポートするデュアルバンド動作機能を搭載したワイヤレスSoC(System-on-Chip)が発表されました。これによりスマート・ワイヤレス・ネットワーク構築への新しい道が開けました。これまで、センサは中央の制御装置等や他のセンサと直接通信を行っていましたが、Bluetooth low energyが加わることによって、センサは、これまでの通信のみならず、スマートフォンやタブレットと直接通信できるようになります。

    ワイヤレス・センサ製品はよく知られている様に住宅やビル管理に広く用いられています。ここ数年、RF機器の性能の向上や消費電力の削減のみならず、集積化によるコストの削減などの技術的な改善によって、ワイヤレス通信はセンサの接続に推奨される方式となりました…

  • スペース制約のある組み込みアプリケーションにより多くの性能を詰め込む方法

    センサのアプリケーションは、物理的にますます小型化してきています。工場内で見えないよう設置するのに必要な産業用リモート・センサ(図1)や、次世代のスマート・ウェアラブル・デバイス向けのセンサを設計する場合でも、リソースとしてのスペースは不足してきています。

    一方、マイコンやシステム・レベルでのローカルな集積化やプロセシング技術に対する需要は増えています。ラックやテスト・ベンチから複数のノードに直接つなげて、非局在化された測定を行う場合に、局在的な解析をサポートする先進的なプロセシング能力と結び付けると、リモート・ノードは、よりタイムリーに詳細な情報を得た上での判断を行うことができます。これにより、通信の遅延をできるだけ小さくし、通信リンクの途切れを和らげます。

    より小型化/高集積化することは、どちらも魅力的ですが、互いにうまく作用するとは限りません。組込みアプリケーションの開発者は、物理的にも演算上でもこれらの制約にピッタリ合致した製品を見つけることが重荷になっています…

  • 多数のコネクテッド製品と接続規格、1つのプラットフォームによる産業用IoTの変革

    ネットワーク接続された未来の工場を想像してみてください。回転するモーターやあちこち動き回るロボット・アーム、電気を供給すると、うなりを上げて振動する機器の動作でにぎやかな工場になっていることでしょう。そこでは、見渡す限りすべてのものが電子的に接続されています。これが産業用IoT(IIoT:Industrial Internet of Things)の未来像です。

    それぞれの機器とクラウド内のリモート・サーバーの間で大量のデータが継続的に交換され、発生する振動やノイズから、放射される熱や湿気まで、各機器のデジタル"鏡像"とその状態が伝えられます。クラウドでは、各機器の"通常状態"を把握するためにデータ分析が適用され、何らかの異常が発生した場合はリモートでオペレータへの警告が行われます。

    産業用IoTの機器をつないでクラウドに情報を送るために必要な接続には、Sub-1GHz、Wi-Fi®ネットワーク…

  • Bluetooth low energy で広がるIoTの世界

    ステファン・リモージュ(Stephen Limoges), Texas Instruments

    はじめに

    過去10年間、組み込みデバイスはムーアの法則に従って急激な発展を遂げ、IoT(モノのインターネット)の展開を促進してきました。いずれハードウェアは共通化され、機能の差別化はソフトウェアで実現する日が来るでしょう。この変化によって、ソフトウェアを適応させるだけで別の用途に簡単に転用できる、柔軟なプラットフォームが可能になります。この記事で後述するように、民生用のリモコンと、進歩したインダストリ4.0ノードの違いはわずかです。インダストリ4.0とIoTは、デバイスを相互接続するか、またはクラウドに接続する、というコンセプトの上に構築されています。このコンセプトはワイヤレス通信によって実現され、そのためのソリューションの選択肢はたくさんあります。この記事では、最も発展した魅力的なワイヤレス・コネクティビティ・テクノロジであるBl…

  • 新製品!SensorTagキットのファミリにWi-Fi®を追加!

    IoT(Internet of Things)クラウド・アプリケーションのデモンストレーションが、これまでにないほど簡単になりました。SimpleLink™ SensorTagファミリに新しく加わったSimpleLink Wi-Fi® CC 3200 SensorTagキットを使用すれば、より高速かつ簡単にクラウドへ接続できます。

     新発売のSimpleLink Wi-Fi SensorTagキットは、TIの低消費電力SimpleLink Wi-FiデバイスであるCC 3200を利用しています。これは、業界で初めてチップ・レベルでWi-Fi CERTIFIED™と認められたワイヤレス・マイコン(MCU)です。この低消費電力テクノロジーによって、SensorTagは単4電池のみで動作でき、バッテリー駆動アプリケーションの最適なデモ・プラットフォームとなります。

    TIの新しいWi-Fi SensorTagキットには…

  • ビルをより環境に優しく、スマート化するIoTとその費用対価値

    建物は、基本的に居住者にとって快適な空間を提供しなくてはなりません。IoT(モノのインターネット)は、建物を居住者にとって単なるハコから、より認識されやすいものにすることで、居住者の環境を配慮し生活コストを抑えながら、より実りあるものに変えてくれます。

    スマートビルを作るには、インテリジェントな照明やHVAC(空調機器)、火災報知器、ビルセキュリティ、そして互いを認識し合い、インテリジェンスを共有するようなエレベータ・システムが必要です。そうすれば、ビルは居住者と電力事業者の両方のニーズに迅速に適応し、対応できるようになります。

    長期的に見た場合、スマートホームやスマートビルは運用面やエネルギー面でコストを節約できますが、短期的にはセンサ・ネットワークやゲートウェイ、クラウド・コンピュータ等のインテリジェントなシステムを使うためには投資が必要です。たとえばビデオ・インターフォンは、従来のドアベルの10倍以上も高価です。スマート…

  • MSP430 イベントドリブンの移植  [msp430info soft]

    • MSP 432 イベントドリブン 速度性能」のexampleをMSP430 FR5969に移植して、性能を測定しました。
    • EventLibは、Cの標準命令で作成されていますので、どのマイコンにも移植が可能です。
      EventLibの機能については、下記をご参照ください。

    MSP432 イベントドリブン example
    MSP432 LPM0とLPM3のwait切り替えexample

     

    1 FR5969 EventLibの性能測定

     

    • 末尾添付example FR5969_test_event2を使い、Event_read(irqn):IRQn:0~63を測定し、MSP 432P401と比較した結果は下記の通りです。FR5969では、Optimization level:0(default) -> 1(Local)でも、大きな変化は有りません。

    MPU

    Event_read  eventあり

  • 超高感度センサの需要を創出するIoT、ウエアラブル製品その他のアプリケーション

    IoTInternet of Things、モノのインターネット)のほか、数多くのスタンドアロンのポータブル機器や、デジタルカメラ、ICレコーダー、多機能携帯電話や携帯ゲーム機その他のパーソナル電子ガジェットによって、新しいアプリケーションで、次世代の知的機能を備えたセンシングや計測機能への膨大な需要が創出されつつあります。

    これらのアプリケーションの多くは電池動作で、非常に小型のフォームファクタであることから、より高い感度、微小電流の検出、超低消費電力といった、数々の共通した要件を持っています。さらに、進歩したセンサや計測デバイスの多くは出力信号として微小な電流を出力します。この信号は最終的にはデジタルで処理しなければなりません。その前に、微小電流信号を増幅し、電圧信号に変換し、さらにA/Dコンバータでデジタル信号に変換して、ある種のプロセッサに入力しなければなりません。ほとんどの場合、プロセッサにはマイコン製品が使われます…

  • メーター読み取りの自動化に役立つSub-1GHz + Bluetooth® low energy と超低消費電力マイコン製品

    私たちの日々の生活の中で、世界資源の低消費化がますます注目されている中で、簡単に節約できる二つの重要な要素は水とエネルギーです。この目標を達成するために導入されたテクノロジの一つに、電力エネルギー、水道やガスなどの資源の消費量と状態のデータを自動的に収集するAMR(自動メーター読み取り)があります。

    このテクノロジよって、ユーティリティ供給事業各社は、メーターの設置場所まで定期的に読み取りに行く必要がなくなるとともに、概算ではなく、ほぼリアルタイムの資源消費量に基づいた課金が可能になります。この情報を元に、ユーティリティ供給事業各社と顧客の両方が、資源の生産と消費を、より良好に制御できるようになります。


    現在、自動メーター読み取りは、ヨーロッパやアメリカなどの全域で運用が開始されています。現代の大多数の住居や商用の建物が資源の消費を自動的に管理しようとする時代となったことから、Energy Policy Act of 200…

  • MSP432 イベントドリブン optimization [msp432info soft]

    ・ 「MSP432 イベントドリブン example 速度性能」 を optimization level設定でどう性能が変わるか調べました。

    ・ 結果として、Optimization level:0(default) -> 1(Local)に変更すると、大きな速度改善が得られました。

       条件:CCSv6.2 Compiler TIv16.9.1LTS

    ・ Optimization設定は、プログラム構造にも影響しますので、お客様にてご評価お願いいたします。

     

    1 EventLib

     

    1.1 4bitサーチに変更

     

    ・ Event_read(irqn)内部のビットサーチを部分を、8bitサーチから4bitサーチに変更して調べました。

    ・ 前回と同じく、MCLK=24MHzです。

    ・ 末尾添付example Test_event2を使い、Event_read(irqn):IRQn0~63を測定した結果は…

  • MSP432 イベントドリブン 速度性能 [msp432info soft]

    下記に掲載したexample Event_read() の速度性能が遅いので改造して、速度性能を調べました。

    MCLK=24MHz、LDO_Vcore1、最適化設定なし の条件です。 測定値は目安としてお考えください。

    MSP432 イベントドリブン example

    MSP432 LPM0とLPM3のwait切り替えexample 


    ** さらに、compiler optimaization 設定で大幅に性能改善した結果を、下記に追加いたしました。

    MSP432 イベントドリブン optimization

     

     

    1 EventLib改善

     

    1.1 変更点

     

    ・ MSP432P401IRQnmax640~63)のため、event64バイトサーチ部分の時間がかかりすぎていました。

    ・ eventをビットに変更して、16bits4ビット8bit単位のビットサーチに変更しました。

     

    1.2 速度測定

     

    ・ IRQn0~63

  • MSP432 LPM0とLPM3のwait切り替えexample [msp432info soft]

    ・ ほとんどDIORTCからの割り込みを待機するシステムでは、省電力モードのLPM3で待機するのが得策です。

      しかし、Timerなどのクロックを使用するペリフェラルを動作させるときはLPM0で待機する必要が有ります。

    ・ このような、LPM0LPM3の待機が混在するときに、簡潔にLPM0/3の切り替えを制御する例を説明します。

      exampleのプログラムは、下記で説明しましたイベントドリブン構造で作成して有ります。

      MSP432 イベントドリブン example

     

    E2E Japan MSP430 forum参考記事

    ① MSP432 MSP432 Power Control Manager (PCM)

    ② MSP432 LPMとWakeup

     

     

    1 LPM0LPM3の切り替え制御が必要な理由

     

    ・ BCLK以外のクロックが動作していると、デフォルトではLPM3指定してもLPM0で待機(wait)となります。

  • MSP432 イベントドリブン example [msp432info soft]

    ・ ISRからアプリケーションに、イベントを通知するexampleについて、説明します。

    ・ 過去にも、MSP430向けに下記のexampleを投稿していますが、仕組みを大幅に簡素化しました。

      複数ペリフェラルを並行動作させる方式

     

    ・ LPM0とLPM3を切り替えてsleepする方法は、下記に掲載しました。

      MSP432 LPM0とLPM3のwait切り替えexample

     

     

    1 概要

     

    ・ 複数のペリフェラルを並行動作させているアプリケーション(APP)では、下記の処理が必要になります。

    ① ISRから割り込み(イベント)を受けているのか調べる

    ② イベントに対応した処理に分岐する

    ③ 複数イベントが発生したときも、もれなくイベントを処理する

    ④ イベントが無ければ、sleepに入る

     

    ・ 例えば、portに複数の割り込みが発生したことを識別できる必要が有ります。

    ・ これを簡潔に処理する仕組み・関数のexample

  • TIマイコンを活用した革新的なアプリケーション事例:TIマイコン設計コンテストの応募作品から (2)

    テキサス・インスツルメンツ・インドでは、エンジニアの技術的な知識を向上させるため、TIのマイコンを活用して設計したアプリケーションを募集するコンテストを実施しました。多くの応募がありましたが、ここではその中から、革新性に富み、日本の設計者の方々のアイディア作りに役立つ設計プロジェクトとして次の3つの応募作品を選び、詳しく解説します。

    設計のヒントとしてお役立てください。

                  ・ロボット・アームを装備した音声制御方式の車椅子

                  ・先進的な駐車場管理システム

                  ・スマート・リモート・コントロール・システム

    今回は、「スマート・リモート・コントロール・システム」をご紹介します。

    スマート・リモート・コントロール・システム:
    S&S / Karmic Design(カーミック・デザイン)チーム

    このシステムは、インターネット/LANや近距離無線を利用してさまざまな家電製品の電源のオン/オフをリモート制御することによって、家庭内の節電を実現するものです…