• 産業用システムに役立つ絶縁型LVDS製品

    ご存じのように、絶縁デバイスは幅広いアプリケーションに搭載されています。これらのデバイスは、高電圧から人体や低電圧回路を保護するため、またノイズに対する耐性を高めるため、さらには通信サブシステム間のグラウンド電位差に対応するためなどに使われます。デジタル・アイソレータ、絶縁型CAN(コントローラ・エリア・ネットワーク)やRS-485トランシーバ、絶縁アンプやモジュレータ、絶縁型ゲート・ドライバや絶縁型電源をはじめ、市場には膨大な数の絶縁型デバイスが流通しています。この記事では、数多くの高性能絶縁製品に追加される、新しい絶縁型LVDS(低電圧差動シグナリング)デバイスについて説明します。

    この記事では、以下のQ&Aで、絶縁型LVDSデバイスがお客様のアプリケーションにどのように役立つかも説明します。

    Q: 絶縁型LVDSとは?

    A: 絶縁型LVDSは、通常の差動低電圧信号の送受信が可能ですが、その心臓部には、図1に示すよう…

  • 拡大するエネルギー需要に対処するための6つのトレンド

    社会のテクノロジへの依存度がますます高まるにつれ、世界のエネルギー消費量は著しく増大しています。データセンタや車載用、産業用を含む数多くのアプリケーションの利用により、世界の個人電力消費量は石油製品の消費量に迫りつつあります(1)。こうしたトレンドに対応するため、設計者は半導体ソリューションを積極的に活用しており、2016年には世界で8,240億個の半導体製品が購入され、私たちの生活のありとあらゆるところに利用されています。(2)

    こうした製品の設計者が求めているのは、より競争力のある動作を実現しながら、環境に配慮したエネルギー使用に関する法令も順守する電源管理テクノロジです。

    TIでは3年前に、半導体産業において2020年まで影響力を持つことになる、電源およびエネルギー管理の3つの主要トレンドを紹介しました。そのときに示したエネルギー効率電力密度ビッグ・データの格納と提供という3つのトレンドは拡大し続けており、2018年においても最重要課題に含まれています…

  • 交通管理を新たに活気づけるミリ波レーダ

    シングルチップのレーダ・ソリューションにより、ハードウェアおよびソフトウェア設計が簡素化され、参入障壁が低下

    交通システムは、世界中で人や貨物をすばやく効率的かつ安全に運ぶために不可欠なものです。したがって、交通システムおよび関連インフラストラクチャは、道路やその周辺のデータを収集し状態を検知することで、長期的およびリアルタイムの変化に対応する必要があります。交通関連のエンジニアは、このデータを使用して統計情報を構築し、将来のインフラ投資の計画に役立てることができ、ドライバーはこのデータを利用して適切なルートを走行することができます。

    インテリジェントな交通システムの市場は2022年までに636億ドルを超える見込みであることから、この情報の価値は明白です。しかし、交通監視システムがさまざまな条件下で輸送の効率と安全性を高める能力を提供する一方、設計者は以下のようなさまざまなセンシングの課題に直面しています。

    • 位置および速度の管理…
  • TIの技術が実現する、手頃でポータブルな次世代超音波診断機器

     1954年に世界で初めてSomascopeが発表されて以来、超音波診断技術は大きな進歩を遂げています。当時、水槽と変換レーダフレームを組み合わせたこの診断機器が『Life』誌に掲載された時、多くの読者を驚かせました。その開発者であるDenver Veterans Affairs Hospital の医師、放射線科医、そして2人の電気技師は、1人の技師を水槽に沈め、無骨なトランスデューサーでその技師の身体に音波を送り、エコーを解析することで、腎臓の2D画像を生成しました。

    超音波は現在、非常に有益な医療器具として利用されています。X線では検知できない無害で非侵襲の音波による生物学的構造体の視覚化は、癌や婦人病、心臓病、理学療法、血管医学など、幅広い分野で応用されています。Somascopeの発表から60年で、電子工学と圧電材料の進歩、ドップラー超音波の統合、より高精度なイメージング技術と急速に進化する高速な処理性能により、超音波検査は飛躍的に進化しました…

  • スマート・ロボット: 将来の工場におけるロボティクスおよび機械学習について

     ロボットはすでに数十年間にわたって製造環境で使用され、自動車からコンシューマ製品まで幅広い産業に変革をもたらしてきました。従来の産業用ロボットは安全な防壁内で動作しますが、新世代のロボットは、工場や倉庫内で学習を重ねながら作業員と連携して動作するように設計されています。革新的な半導体技術とインターネットに基づく人工知能により、これらの機械は自身のパフォーマンスを向上させ、高度な製造の基盤となっています。

    こちらの動画では、TIの技術革新アーキテクトであるステファニー・ワッツ・バトラー (Stephanie Watts Butler)とTIのチーフ・テクノロジストのアハマド・バハイ(Ahmad Bahai)が、最新ホワイトペーパー「自律産業用システムを支える機械学習」よりトピックを紹介しています。ここでは、機械がどのようにして、周囲の実環境との相互作用から学習し、人間と連携して作業し、自動車製造からスマート・ファクトリまでさまざまなアプリケーションに影響を与えることができるのかを考察しています…

  • スマートシティを実現するミリ波センサ

    国連が発表した報告によれば、世界の人口は2050年に現在よりも20億人増加して91億人に達すると予測されています。世界的に現在進行している都市部への人口移動は、今後も加速が続くとみられます。事実、都市部に居住する世界の人口の比率は、現在の49パーセントから70パーセントに上昇すると推定されています。

    こうした都市部では、地理的なスプロール現象と、耕地、水、エネルギーなどの資源不足の拡大との間の最適バランスを見出す必要があります。都市計画者はこうした課題への対応のために技術の導入を急速に進めており、資源を最大化し、急増する住民の生活の質を向上するスマートシティの実現に取り組んでいます。スマートシティはセンサを活用し、資源レベルとともに人々やモノの動きをモニタします。ミリ波レーダ技術を使用するセンサは、検知範囲、速度、角度に関するユニークな特性や、環境条件に左右されない高精度かつ堅牢で長距離に対応するセンシング特性により普及する見通しです…

  • ミリ波技術で実現するドローンの感知/回避機能

    ドローンを使用することで天気予報や宅配、3Dマッピングなどの民生アプリケーションにおいて大きな恩恵を得られる一方、ドローン業界は「安全な飛行」と「低価格化」という2つの課題に直面しています。現在市場に流通しているドローンの多くは、感知/回避(SAA)技術を搭載しておらず、近くの人や自動車を危険にさらす可能性を秘めています。そのため、米国連邦航空局(FAA)は、業務でドローンを飛行させる場合、目視可能な範囲で飛行させ、人や走行する車の上を飛行させないことを定めたUAS(無人航空機システム)規則を遵守することを求めています。

    現在市場に流通しているほとんどの衝突回避システムは、1)ビジョン式、2)超音波式、3)赤外線またはレーザ式の3つに区分されます。ビジョン式衝突回避システムは、近距離の対象物を正確に特定できますが、その性能は天候や光条件に左右されます。超音波式衝突回避システムは最も低コストですが、感知領域に限りがあります。赤外線またはレーザ衝突回避システムは最も長距離の感知領域を誇りますが…

  • TIエンジニアが生んだ、世界が注目するレゴ作品”BB-8”

    TIのエンジニア、マーク・スマイリー(Mark Smiley)の趣味は、映画『スターウォーズ』の鑑賞や、レゴ・ブロックで遊ぶことです。彼の勤務するDMOS5のデスクにはレゴで作った宇宙船が飾られ、自宅の部屋には数千のレゴ・ブロックを含む、たくさんのおもちゃで溢れています。このように遊び心を忘れない彼が映画『スターウォーズ フォースの覚醒』に登場したロボット、BB-8をレゴで作ろうと思い立ったのは自然なことでした。全てレゴでできたBB-8は頭部を常に上部に維持しながら、ボールのように転がることができます。このBB-8が動いている動画は、こちらのYouTubeでご覧いただけます。

    頭部が胴体と離れながら転がるロボットは子ども達には手品のように見えるかもしれません。その仕掛けは、頭部をバランスよく保つために埋め込まれた磁石にあります。マークは「アイデアのカギは重みのあるボールと磁石だったけれど、これを実際にレゴで作るとなると、なかなか大変だったよ…

  • ワイヤレス・コントローラの開発方法

    デジタルシステム教育研究(DSTR)ロボット・コントローラ・チュートリアル

    Texas A&M大学のMobile Integrated Solutions Laboratoryでは、学生が小型フォーム・ファクタのロボティック・プラットフォームであるDSTR Robotを開発しました。1年ほど前に、DSTR(Digital Systems and Research)は、月面からサンプルを採取する、将来の月面車になりうるとしてNASAの科学者の注目を集めました。NASAの科学者とTexas A&Mのチームは協力して、月面の砂や土を採取できる回転スコップを備えた制御可能なアームをDSTR向けに開発しました。この小型ロボットは、小質量、小型フォーム・ファクタ、月着陸船から離れたところでサンプルを採取できる点で注目を集めました。

    Texas A&Mチームは、DSTRで使用するための独自のコントローラを開発しました。このコントローラは…

  • ミリ波センサによって産業用アプリケーションに新たなインテリジェンスを導入

    位置センサや近接センサからレベル・センサ、光センサに至るまで、センシング・ソリューションは私たちの周りの世界を検知し、デジタル化して処理するための手段として役立ちます。アプリケーション固有の問題によって数多くの異なるセンシング・テクノロジが生み出されており、システムではさまざまなレベルの精度と多様な条件で周囲の状況を検知できるようになっています。最近のスマート・インフラストラクチャや、ビル/ファクトリ・オートメーション製品におけるインダストリー4.0、自律ドローンのような最新アプリケーションの急増に伴い、センサには、新たな水準のシステム性能と効率性を実現するための原動力として、開発者から期待が寄せられるようになっています。

    ミリ波レーダ・テクノロジは、短距離(5cm)から長距離(150m以上)までの検出に対応できる固有の機能を備えており、高速で移動している物体(最高300km/時)の距離、速度、方向を、周囲光や霧、雨、ほこりの影響を受けずに高い精度で検出できるという本来的な性質があります…

  • 2017年の技術革新を牽引する4つの技術トレンド

    電子化の波が高まり、エレクトロニクスは生活環境のあらゆる場面で利用されています。私たちを取り巻くあらゆるものが、より賢く、より多くつながるようになることは、すなわち、世の中にいかに多くの半導体搭載製品が溢れているかを表しています。

    ビッグ・データはますます巨大化し、パーソナル・エレクトロニクスはますますパーソナル化し、スマート機器はよりスマート化しています。2017年には、次に述べる技術トレンドが技術革新の方向性を決めるであろうと考えています。これらのトレンドの中には、前年から持ち越されたものもありますが、2017年にも普及を続け、ますます重要な技術となっていくでしょう。

    1. 高電圧
     高電圧分野が成長している一つの理由は、電気自動車(EV)やハイブリッドカー(HEV)の普及です。多くの大手自動車メーカは、EVもHEVも積極的に開発しています。そしてクルマの駆動部や充電ステーションに対するニーズは、高電圧のパワー・エレクトロニクスの成長を加速するでしょう…

  • スマート・ゲート・ドライブ・アーキテクチャとは何か(Part 2):TDRIVEについて

    このシリーズのPart 1では、ゲート・ドライブ電流をダイナミックに制御し、それによりMOSFETスルーレートを制御するIDRIVE機能を取り上げました。今回取り上げるテーマは、モーター・ドライブ・システムの堅牢性と効率を向上する内部ゲート・ドライブ・ステート・マシンのTDRIVEです。

    TDRIVEはMOSFETハンドシェーク・スキーム、ゲート・フォルト検知、dV/dtターンオン防止の3つの主要コンポーネントで構成されています。最初のコンポーネントであるMOSFETハンドシェーク・スキームは、スマート・ゲート・ドライブにより、不適切なデッドタイムを原因とするMOSFETのシュートスルー(すなわちクロス・コンダクション)の発生を防止します。ローサイドMOSFETがオフになったのと同時にハイサイドMOSFETがオンのコマンドを受け取った場合には、ターンオフとターンオン間の遅延のために両方のMOSFETがオンになる時間帯が生じる可能性があります…

  • スマート・ゲート・ドライブ・アーキテクチャとは何か(Part 1):IDRIVEについて

    制御、効率、保護・・・ 新しいICに関連してこうした用語を耳にしますが、これらは何を意味するのでしょうか?私はデバイスのすべてについては話すことはできませんが、テキサス・インスツルメンツがモーター・ゲート・ドライバとともに導入しようとしている新しい技術については語ることができます。ブラシ付きDC、ステッパ、ブラシレスDCモーター・アプリケーション向けのTIのモーター・ゲート・ドライバは、スマート・ゲート・ドライブと呼ばれる新しいアーキテクチャを採用しています。このブログ・シリーズでは、スマート・ゲート・ドライブとは何か、どのようなモーター・ゲート・ドライバに使用されているのかを解説するとともに、関連資料やツールについても紹介します。

    TIのスマート・ゲート・ドライブ・アーキテクチャは、IDRIVEとTDRIVEと呼ばれる2つの機能を通じて、保護機能とゲート・ドライブ設定機能を提供します。このブログ・シリーズでは、Part 1でIDRIVE…

  • ドローン・メーカーの設計課題を解決

     CES 2017で60を超える出展者がドローン技術のデモを実施し、ドローンがこの世界最大のエレクトロニクス展示会の重要な技術であることが証明されました。

    荷物の配達や航空写真から、セキュリティ/監視モニタリング、通信に至るまで、ドローンはさまざまな方法で利用されています。しかし、ドローン開発者にはバッテリ駆動時間と飛行時間という2つの大きな技術的課題が残っています。空飛ぶロボットの障害物回避を可能にするために、ドローン・メーカーが方向制御やセンシングなどの機能を追加する中で、重量が増えており、ドローンのすでに短いバッテリ駆動時間に、さらにマイナスの影響が加わる可能性があります。

    私たちはドローン開発者が直面している技術的課題のいくつかに対処するため、新しいリファレンス・デザインを提供しています。これらのリファレンス・デザインは、荷物の配達、監視または通信に使用されるクワッドコプターや非軍事用消費者向けドローン、産業用ドローンの飛行時間とバッテリ駆動時間の延長や…

  • 正しい産業用Ethernet標準規格の選び方: PROFINET

    正しい産業用Ethernet標準規格の選び方シリーズでは、産業用Ethernetをシステム内で活用しようと決めた設計者向けの記事です。このシリーズでは、アプリケーションへの正しい標準規格の選択に役立てるために、数種類の主要な産業用通信プロトコルを扱います。本ブログでは、ファクトリ・オートメーション向けで主流な産業用Ethernet標準規格の一つであるPROFINET(プロセス・フィールド・ネットワーク)について説明します。PROFINETには異なるバージョンがありますが、ここではPROFINET I/Oについて解説します。

    PROFINETネットワーク・テクノロジはファクトリ・オートメーション、プロセス・オートメーション、ビルディング・オートメーション、自動車の製造ライン、発電所やロボティクスなどに使われています。

    PROFIB US DP Siemensが開発した、RS-485トランシー…

  • 正しい産業用Ethernet標準規格の選び方: PROFI BUS

    正しい産業用Ethernet標準規格の選び方シリーズでは、産業用Ethernetをシステム内で活用しようと決めた設計者向けの記事です。このシリーズでは、アプリケーションへの正しい標準規格の選択に役立てるために、数種類の主要な産業用通信プロトコルを扱います。本ブログでは、PROFI BUSについて説明します。

    このブログ記事のタイトルに誤りがあるのに気付きましたか? PROFI BUS (プロセス用フィールド・バス)は、産業用Ethernetをベースとするものではありません。しかし、既に産業用Ethernetをサポートしている場合でも、このプロトコルは非常に重要なことから、同じタイトルでPROFI BUSを説明することにしました。

    PROFI BUS はシリアル通信をベースとしたフィールド・バス・プロトコルに属し、1993年から使われている成熟した標準規格です。仕様を促進し、適合テストを調整している組…

  • 正しい産業用Ethernet標準規格の選び方: EtherCAT

    正しい産業用Ethernet標準規格の選び方シリーズでは、産業用Ethernetをシステム内で活用しようと決めた設計者向けの記事です。このシリーズでは、アプリケーションへの正しい標準規格の選択に役立てるために、数種類の主要な産業用通信プロトコルを扱います。本ブログでは、EtherCATと最終アプリケーションや、その動作について説明します。

    Beckhoff AutomationEtherCATを開発し、その後EtherCAT2003年から、2,600社もの会員で構成された産業用フィールドバス組織である EtherCAT Technology Group (ETG)の傘下に入りました。

    EtherCATファクトリ・オートメーション 、半導体ツール製品、包装ロボティクスその他に使用されています。

    技術的な面では、EtherCAT は図1に示すように、マスタ-スレーブ・ネットワーク・アーキテクチャです…

  • 正しい産業用Ethernet標準規格の選び方: EtherNet/IP

    “正しい産業用Ethernet標準規格の選び方” シリーズでは、産業用Ethernetをシステム内で活用しようと決めた設計者向けの記事です。このシリーズでは、アプリケーションへの正しい標準規格の選択に役立てるために、数種類の主要な産業用通信プロトコルを扱います。本ブログでは、ファクトリ・オートメーションやプロセス・オートメーションのアプリケーション向けの、5つの主流の産業用Ethernet標準規格の一つであるEtherNet Industrial Protocol (EtherNet/IPまたはEIP)について説明します。

    この産業用Ethernet標準規格は、米国のメーカ各社に一般的に採用されています。EtherNet/IPはRockwell Automationで開発され、現在はIEC(International Electrotechnical Commission、国際電気標準会議)61158…

  • 産業用ロボットの進化:FAにおける安全なロボット・ヒューマン・インタラクションの技術的課題

    “I’ll be back.”(「必ず戻る」)

    これは映画『ターミネーター』の中でターミネーターが口にした言葉ですが、おそらく、ロボットが発した言葉の中で最も有名な言葉と言えるでしょう。しかし、第1作でのターミネーターの行動は、友好的な人間の行動からはほど遠いものでした。このため、この言葉はおそらく、ロボット技術をプロモーションする上では最適な言葉とは言えないかもしれません。幸いなことに『ターミネーター』は単なるSF映画で、第2作ではアーノルド・シュワルツェネッガー(アーニー)は人類を救うことになります。ここでエンターテインメントの世界からビジネスの世界に話題を切り替え、ファクトリ・オートメーション(FA)にかかわるさまざまな種類のロボットと人間のインタラクションから人間が得ることのできるメリットと、ロボットとともに働く際の安全性の確保法について見てみたいと思います。International…

  • パワー・マネジメント IC が鍵となるIoT デバイス用スマート・サーモスタット

    家庭やオフィスで使っているスマート・サーモスタットで、あなたがもっとも重視している機能や性能は何ですか?もし、まだスマート・サーモスタットをお持ちでない場合、新しいサーモスタットに求める性能や機能は何ですか?読みやすい大サイズのディスプレイですか?それとも、あなたにとってもっとも重要なのは電話を使った制御機能ですか?信頼性は?将来もバッテリを交換する必要がないことが重要ですか?

    IoT への接続機能と並んで、私がもっとも重視しているのはパワー・マネジメント機能です。新たな機能が追加されているにもかかわらず、スマート・サーモスタットは消費電力が極めて小さく、多くの場合はこれまでの機種の消費電力を下回っています。これを可能にしているのは、マイコンや電源回路など、サーモスタットで使用されている回路で消費電力低減を可能にする方法が採用されていることです。

    この記事で紹介しているように、この新しい超低消費電力Energy Trace++技術を搭載した…

  • ビルディング・オートメーションの最新トレンド:ユーザーの快適性を実現するコネクテッド・センサ

    ビルディング・オートメーションのためのワイヤレス・センサ・ネットワークのトレンドを取り上げたこのブログ・シリーズの2回目では、安全性とセキュリティについて説明し、ビルディング・オートメーション・システムへのセンサの積極的導入を牽引する主な 4 つのキー・トレンドを紹介しました。

    • 電力効率
    • 安全とセキュリティ
    • ユーザーの快適性
    • 予防的メンテナンス

    今回の3回目では、ユーザーの快適性について解説します。ビルディング・オートメーションが導入されると、快適な環境が生まれると同時に、各種のセンサ・ノードとの相互作用を通じ、シームレスでモダンなユーザー体験が実現します。

    このシリーズの最初のブログではスタンドアローンの環境センサを取り上げました。センサで複数の部屋または室内の複数ゾーンの温度/湿度をモニタすれば、スマートな空調(HVAC)制御が可能になります。初回のブログではまた、部屋の最大収容人員ではなく、部屋に実際…

  • 産業用イーサネット規格の正しい選択法:マルチプロトコルのメリット

    Other Parts Discussed in Post: TMDSICE3359, AM3359

    FA(工場自動化)やプロセス自動化、グリッド・インフラ、ビル・オートメーションなどの分野で、シリアル・ベースのフィールドバスに代わり産業用イーサネットが主要な役割を果たすようになっています。産業用イーサネットは、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)と現場に設置されたセンサ/アクチュエータ、I/O モジュール、バス・カプラ、ドライブを接続します。

    困ったことに、製造業全般をカバーする共通の産業用イーサネット規格は存在しておらず、30 を超える規格が工場で利用され、現場では規格がばらばらになっています。多くの業界をリードするメーカーが、既存のシリアル・ベースのフィールドバスの一つを元に、自社のニーズに対応した個別の産業用イーサネット規格を定義しています。

    ほとんどの産業用イーサネット規格は個別のデバイス・ソリューションを必要とします…

  • ビルディング・オートメーションの最新トレンド:安全とセキュリティのためのコネクテッド・センサ

    前回のブログで私は、ビルディング・オートメーション用ワイヤレス・センサ・ネットワークのいくつかのトレンドの中の最初のテーマとして、電力効率を取り上げました。前回取り上げたのは、ビルディング・オートメーション・システムでセンサの採用を加速させている以下の4つのキートレンドです。

    • 電力効率
    • 安全とセキュリティ
    • ユーザーの快適性
    • 予防的メンテナンス

    今回は、ビルディング・オートメーションに使われる各種センサの概要について説明します。ユーザーとその所有物の保護、セキュリティの侵害が起こった場合のユーザーとセキュリティ管理センターに対する通知、あるいは有害な状況の発生の検知などを目的に、ビルディングには各種センサが配置されるようになっています。


    安全とセキュリティの2つのテーマに関しては、空調機器(HVAC)からビルディングのセキュリティや防火システムに至るまで、広範なビルディング・オートメーション機器が使用されています。


    ビルディング…

  • スマート・ファクトリ・オートメーション・システムにおける制御レベルの設計課題

    インダストリ4.0向けに設計されるファクトリ・オートメーション(FA)・システムは、リアルタイム通信と制御を担う三つのレベルの装置を備えています。

    1. I/Oモジュールやアクチュエータ、ドライバが工場の実動作に使われる現場レベル
    2. PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)やCNC(コンピュータ・ニューメリカル・コントローラ)が現場レベルから情報を集め、コマンドを現場レベルへ発行する場所制御レベル
    3. HMIデバイスがオペレータと情報のやり取りをし、オペレータがコマンドを発行できるオペレータ・レベル

    これらのレベルでは、それぞれに最適化されたハードウエアとソフトウエアのソリューションを必要とする設計上の課題があります。制御レベルに関する課題は、特に取り組むことが難しいです。

    産業用オートメーションの設計に関する課題(消費電力、長い供給ライフサイクル、および信頼性の要件)に加え、この制御レベルの装置設計者は、一つのコントローラが対応できるノード数が増加していることから生じるいくつかの問題に直面します…

  • ビルディング・オートメーションの動向:ネットワーク接続されたセンサによるエネルギー効率の向上

    ビルディング・オートメーションでは、新旧どちらのビルでも、ワイヤレス・センサ・ネットワーク(WSN)とモノのインターネット(IoT)の採用がますます広がっています。 WSN は、追加の配線やアクセスしにくいエリアへの機器の設置について心配せずに、既存のビルディング・インフラストラクチャを「スマート」なものにできます。

    私は、ワイヤレス・システムについて調べながら、「HVAC(暖房、通気、エアコン)やライティング、ビルディングのセキュリティ・システムに、もっとセンサを追加する目的や理由は何だろうか」と自問することが増えています。

    この疑問の答えとして、4 つの主な動向を挙げられます。

    • エネルギー効率

    • 安全およびセキュリティ

    • ユーザーの利便性

    • 予防保守

      このブログ・シリーズの最初の部分で、エネルギー効率について取り上げます。これは、ビルディング・オートメーション・システムへのセンサの追加に関連する重要な動向です。

      ビルのオーナー…