• ワイヤレス・センサ・ノードでのバッテリ寿命をのばす方法

    IoTの拡大に伴って、ワイヤレス・センサ・ノードの需要は増しています。 IoT ネットワークには、多様なセンサ・タイプが統合されているところです。温度、湿度、圧力、周囲光などがその例です。 IoT ネットワークにセンシング能力を追加しようとする要望が高まるにつれて、センサ・ノードのバッテリ寿命の重要性も高まっています。

    たとえば、商業ビルディングにワイヤレス・センサ・ノードを後付けし、スマート・ビルディング化する場合は、サーモスタットや煙探知器と火災探知器など、さまざまなデバイスをリンクするために数千個に達するワイヤレス・センサ・ノードを設置することが考えられます。 個別のノードすべてに対して電源ケーブルを取り回す作業は実用的ではないので、バッテリから電力を供給する必要があります。 ただし、これらすべてのワイヤレス・センサ・ノードに内蔵されている合計数千個のバッテリを交換する必要が生じた場合は、大量の人件費が発生します。

    バッテリのメンテナンス関連コストと不便さを軽減するために…

  • 古いビルに IoT によるオートメーション・テクノロジーを導入するために

    ほとんどのビルは新築ではなく、古いビルの多くは、「ここに電源が設置されていれば、ビル制御システムを動作させることができるのに」と思うことがあります。 急速な都市化の中、別の手段を考える必要があります。 新しいビルは、エネルギー・コストを節約する機械式制御を実現するテクノロジーを通じて、より効率的なビルディング・オートメーション・システムを採用しています。 同時に、古いビルの制御システムを、新しいビルに追いつかせる必要があります。

    先進的なビルディング・オートメーション・テクノロジーを古いビルに後付けで導入すると、エネルギーを節約することができます。 目標を達成する方法の 1 つに、商業施設と住宅では、周囲光センサがあります。 周囲光センサは、特定の領域で光の強度を検出できます。 ここで、低消費電力マイコンとワイヤレス通信プラットフォームにセンサを組み合わせることを考えてみましょう。 照明制御が容易になります。

    たとえば、自然光と窓の組み合わせにより…

  • ウェブを生み出した人物から、IIoT開発に学ぶこと

    最近では、インダストリアルIoT(産業向けモノのインターネット:IIoT)がもたらしたプロセス自動化とファクトリ・オートメーションのメリットに関するニュースを毎日のように耳にします。産業界に深くかかわる人たちと話をしていると、センサからデータウェアハウスまでの統合の問題とサイバーセキュリティが、IIoTの立ち上げを遅らせる最もクリティカルな問題となっています。

    センサからデータウェアハウスに至るまでを統合するIIoTが直面するこれらの問題を理解し、解決策を特定するため、インターネットとWWW(World Wide Web)を成功に導いたものは何だったのでしょうか。ウェブが最初に登場した1950年代では、その開発は極めて遅々と進められており、大学や国防関係の研究というニッチな領域に限られていました。しかし、ティム・バーナーズ・リー氏(Tim Berners-Lee)がインターネットを可能にする3つの原理を定義した時に状況がガラリと変わりました…

  • スマート・グリッド向けの簡単な SuperCap バックアップ電源 ( Easy supercap backup power for smart grid )

    図 1: バックアップ電源が 6.5 秒間電力を供給

    スマート・メーターには高い信頼性が求められています。 電力の利用者がスマート・メーターに求めているのは、電源喪失時に自分が電力会社に通知しなくても、スマート・メーターが電力会社に正確な電源喪失時間を知らせてくれることです。 こうして、通知が早い段階で行われれば、電力会社は電力復旧のため迅速な対応が可能です。 一方、電力会社がスマート・メーターに求めているのは、スマート・メーターが利用者の電力使用を少しももらさずに把握してくれることです。 正確な電力使用量がわからなければ、電力会社にとって電力使用料金の請求が不可能になります。

    こうした信頼性を確保する上で重要な要素となるのが、スマート・メーターに対し常時、要求される機能の実行に必要な電力を供給することです。 どんなメーターにも発生する可能性のある電源喪失に対し適切な処置をとるために、バックアップ電源が必要となります。 バックアップ電源があれば…

  • ワイヤレス・センサ・ノードでのバッテリ寿命をのばす方法 ( Achieve extremely long battery life in wireless sensor nodes )

    モノのインターネット(IoT)の拡大に伴って、ワイヤレス・センサ・ノードの需要は増しています。 IoT ネットワークには、多様なセンサ・タイプが統合されているところです。温度、湿度、圧力、周囲光などがその例です。 IoT ネットワークにセンシング能力を追加しようとする要望が高まるにつれて、センサ・ノードのバッテリ寿命の重要性も高まっています。

    たとえば、商業ビルディングにワイヤレス・センサ・ノードを後付けし、スマート・ビルディング化する場合は、サーモスタットや煙探知器と火災探知器など、さまざまなデバイスをリンクするために数千個に達するワイヤレス・センサ・ノードを設置することが考えられます。 個別のノードすべてに対して電源ケーブルを取り回す作業は実用的ではないので、バッテリから電力を供給する必要があります。 ただし、これらすべてのワイヤレス・センサ・ノードに内蔵されている合計数千個のバッテリを交換する必要が生じた場合は、大量の人件費が発生します…

  • 産業用 IoT アプリケーションにおけるワイヤレス・コネクティビティ (Understanding wireless connectivity in industrial IoT applications)

    ワイヤレス・コネクティビティ・テクノロジーは産業用市場での地位を急速に確立しつつあります。ケーブルに伴う制約からデベロッパーを解放し、効率と生産性の向上、コストの削減、プロセスと機器の制御の改善に寄与します。  超低消費電力センサ、ワイヤレス・コネクティビティ規格、高集積マイコン(MCU)の組み合わせで実現された産業用 IoT(モノのインターネット)は、ファクトリ・オートメーションとビルディング・オートメーション、エネルギー・インフラ、スマート・ライティングのような産業用アプリケーション、またオートモーティブ、小売、健康管理のような産業分野以外のアプリケーションとともに普及が進んでいます。 

    もちろん、産業用システムの設計者は、ワイヤレス・コネクティビティに関連する多数の要因も考慮する必要があります。  これらの要因には、以下のものが含まれます。アプリケーションの要件とユースケースに最適なワイヤレス・コネクティビティ選択肢の選定。デバイスの消費電力…

  • 高CMTI アイソレータで実現できること (What you can do with a high-CMTI isolator)

    以前のブログ投稿では、高電圧からの保護を実現するためのアイソレータの使用方法について説明しました。 今回の投稿では、アイソレータの重要な性能パラメータについて説明します。 同相過渡電圧耐性(Common Mode Transient Immunity)、つまり CMTI です。

    CMTI は、アイソレータを通過する信号を破損させることなく、アイソレータが 2 つのグランドの間で発生する高スルーレートの電圧過渡に対処する能力を表します。 一般的に、CMTI が大きいほど、ノイズに対して堅牢であり、さまざまな絶縁アプリケーションで優れていることを意味します。 また、CMTI が大きいアイソレータを使用すると、最終機器で大きな差別化となるアプリケーションがいくつか存在します。

    太陽光エネルギー、風力エネルギー、グリッド・ストレージの各アプリケーションはインバータを使用して、発電または蓄積された DC 電力を AC 電力に変換し、次いで送電網に流します…

  • ワイヤレス・センサ・ノードで昇圧コンバータを使用する方法 (How to use boost converters in wireless sensor nodes)

    以前のブログ投稿で、ワイヤレス・センサ・ノードにおける長いバッテリ寿命の重要性と、具体的なデューティ・サイクル形式の実装について説明しました。 今回は、このようなワイヤレス・センサ・ノードを想定したパワー・トポロジに関するいくつかの考慮事項を説明します。

    一部のワイヤレス・センサ・ノードでは、さまざまな集積回路に対して、適切に安定化された動作電圧を供給する必要があります。 通常、高精度のアナログ・センシング・コンポーネントはドリフトのない電圧を必要とします。または、センサ・ノード内にあるコンポーネントが、バッテリからの供給電圧より高い電圧を必要とすることがあります。 さらに、バッテリの寿命末期に電圧が低下すると、バッテリの使用可能期間が短縮される結果になります。 適切に設計された昇圧コンバータを追加すると、ワイヤレス・センサ・ノードでバッテリ寿命を延長するために必要とされていた要素を実現できます。

    デューティ・サイクル形式のワイヤレス…

  • UART を使用して既存システムに Wi-Fi の追加 (Add connectivity to existing hardware with our UART to Wi-Fi bridge)

    皆さんはこのような経験をお持ちだろうと思います。 ある日の午前中、技術部長がやってきて次のように話します。「製品『x』に Wi-Fi® 機能を追加する必要が生じた。ただし、私としてはこの機能を追加する際に、製品『x』の回路を変更したくない」。 既存のシステムに、ホスト・プロセッサへの UART(ユニバーサル非同期レシーバ/トランスミッタ)接続機能がすでに搭載されている場合は、Wi-Fi 機能を容易に追加できます。 

    TI は 24 V VAC 電源付 Wi-Fi ブリッジへの UARTTIDA-00375)というリファレンス・デザインを製作済みであり、オートメーションと HVAC(暖房、換気、空調)システムの構築を想定しています。 このデザインは、低消費電力の SimpleLink™ Wi-Fi CC3200 ワイヤレス・マイコンを搭載し、インターネット・コネクティビティに対応しています。 このデザインには、電源セクションも実装されており…

  • LDO によるIoTでの電力削減 (Two ways LDOs save power in the IoT)

    モノのインターネット(IoT)が家庭や職場で普及するにつれて、これまで以上に多くの家電製品とシステムがエレクトロニクスを統合し、世界中の事実上あらゆる場所からアクセスできるようになっていることに気が付いています。 ところで、家庭やオフィス内で非常に多くのデバイスが接続された結果、消費されるスタンバイ電力がかなり増加しています。 サーモスタット、ビデオ・インターホン、セキュリティ・システム、TV をより効率的にすると同時に、これまでと同じコネクティビティを維持するために、何を実行できるでしょうか。 シンプルなリニア・レギュレータ(LDO)が貢献できます。 以下に、その重要な理由を示します。

    LDO による電力効率の向上

    住宅や職場にある多くのデザインは、高精度の機能を実現するためにセンサに大きく依存しています。 これらのセンサの多くは、高い分解能を実現し、わずかな量の化学物質や気体を検出するほか、微量の液体を測定する必要があります…

  • 産業用通信の 3 つのプロトコル - 4 ~20mA 電流ループ、HART, IO-Link (Three protocols for industrial communication)

    センサは大量のデータを生成しますが、通信機能が利用できない場合はほとんど価値がありません。 産業用センシング・アプリケーションの分野では、このような通信を実行するために、4 ~ 20mA 電流ループ、HART、IO-Link の各形態による有線経由の通信が一般的に使用されています。 TI の超低消費電力 MSP マイコンは、センサ・トランスミッタ・アプリケーションで制御とデータ記録に関する重要な役割を演じます。低消費電力が重要な差別化要因となるループ電源アプリケーションでは、特にこのことが当てはまります。

    ファクトリ・オートメーションで最も人気のある通信インターフェイスは、4 ~20mA ��流ループです。 電流ループは性質上、電気的ノイズへの感度が低いので、データ送信に最適です。 電流ループでは、トランスミッタの電力は、2 線実装の通信ループか、4 ~ 20mA 電流ループと直接関係ない別個の電源線(通常は 3 線または 4…

  • エネルギー・ハーベストの秘訣: ナマケモノとクマ (The secrets of energy harvesting: The sloth and the bear)

    Industry 4.0(産業 4.0)は、サイバーフィジカル・システム(CPS)がファクトリを変革するという構想を表す用語です。 このコンセプトを紹介した最近のドイツ語記事で、筆者は、産業界の変革がこれまでに新しいデータ管理と新エネルギー源の優位をどのように組み合わせてきたか、またエネルギー・ハーベストが Industry 4.0 をどのように強化しているかを説明しました。 エネルギー・ハーベストを成功させるためのベスト・プラクティス共有が限定されている場合は、これらの設計の成功率も限定されるので、このブログを通じて筆者はこのようなベスト・プラクティスのいくつかを共有および公開したいと思います。

    筆者はたびたび、エネルギー・ハーベスト・システムを最善の方法で設計するためのヒントととコツについての問い合わせを受けます。 この投稿で、エネルギー・ハーベスト・システムに取り組むときは、「ナマケモノ」ではなく「クマ」になることの重要性について説明します…

  • Solved: 産業用アプリケーションにおけるソフトウェアの複雑度上昇と超低消費電力への対応 (Solved: High software complexity and ultra-low power for industrial applications)

    競争の激しい現在の IIoT(産業用のモノのインターネット)環境では、新製品の開発速度の短縮が不可欠です。 すべての作業を迅速に実行する必要がありますが、同時に今後数年にわたるスケール化や、超低消費電力に対応することも必要です。 サイズと複雑度の点で製品の要件が増大することを考えると、ソフトウェアで対処する方針になります。

    たとえば、バッテリ動作のワイヤレス製品を新規開発しているとしましょう。 仕様は確定済みで、まず以下の 3 つの事項に関する結論を下す必要があります。

    1.  複数のセンサとの相互作用が必要です。

    2.  アプリケーションは複雑で、多数の状態に加え、厳格な無線タイミングを使用します。

    3.  低消費電力は不可欠です。 事実、この製品ではバッテリ寿命を主要な差別化要因にする予定です。

    上記の課題を解決するための解決策は多数存在していますが、このワイヤレス製品を開発する状況で多くの労力節約につながる重要な機能は少数にとどまります…

  • NFC の「タップ」によるサービス・インターフェイス (Service interface using NFC “tap-to-service”)

    ほとんどの産業用機器では、診断データのキャプチャ、および機器への構成データ送信を行うために、機器とのインターフェイスが必要です。  具体的な方法は、水道メーターや電気メーターなどの場合と、製造機器の場合では異なると思われます。  このようなデバイスへのインターフェイスは、安全、堅牢で適切なデータ・スループットを達成するとともに、コストや消費電力を過度に増やさないことが求められます。 

    近距離無線通信(NFC)は、このようなワイヤレス・サービス・インターフェイスを実現する優れた方法の 1 つです。  NFC は短距離(通常は <10cm)ワイヤレス通信プロトコルで、磁界の中で 13.56MHz を使用して動作します。  このテクノロジーは近接ベースなので、通信を開始する前にペアリングの手順は必要なく、ユーザーの操作が簡単になります。  最も基本的な形態では、ユーザーが NFC リーダーを単純に「タップ」するだけで、NFC タグが何らかのデータを読み取ることができます…

  • ドローンによる高精度農業 (Precision farming with flying farmers)

    冒険を求めるドローンの動きは新しい高さに達しましたが、一方でドローンを使用する競技や、子供の使用に適したモデルの登場といった流れも見受けられます。産業用/商業用のドローン・セクタも、派手さはありませんが、すでに始まっています。産業用分野でのドローン・アプリケーションとして、マッピング、セキュリティ、検査、捜索救難、物流、資源採掘、農業などを挙げることができます。ここでは農業に注目し、どのように、またなぜドローンが農業の将来に不可欠なのかを考えてみます。

    農業は 10,000 年以上にわたって継続されています。1800 年代の産業革命により、新たな機械化方式で生産性は驚くべき水準まで向上しました。その結果、少数の農業従事者が大規模な農場を運営する傾向が強まり、急激に増加する人口にどのように食糧を供給するかという問題を解決できるようになりました。最新の米国国勢調査では、米国の人口のうち 1% 未満の農業従事者が、9 億エーカー(3…

  • 低消費電力回路(LPC)による時間と費用節減 (How to save time and money with low power circuits)

    多くの産業用システムは、UL(Underwriters Laboratories)や IEC(International Electrotechnical Commission)の特定の安全性規格を満たすように設計されており、多くの場合は UL 認定を取得することを最終的な目標にしています。 このプロセスの一環として、多くの設計は UL と IEC の一方または両方で規定されている非常に具体的な一連の要件に合致することが求められます。 たとえば、欧州で販売される家電製品は IEC60335-1 に合格する必要があり、世界全体で販売される家電製品は UL 60730 に合格する必要があります。 幸いなことに、以下のような低消費電力回路(low-power circuit、LPC)の定義を含め、これら 2 つの規格は多くの点で共通しています。

    「次いで、抵抗器によって消費される電力が最大値に達するまで、抵抗を減少させる。 電源に最も近い任意のポイントであると同時に…

  • 絶縁物としてのアイソレータ:電気的安全性を想定した絶縁 (Isolators as insulators: using isolation for electrical safety)

    効果的な絶縁とは、2 つの回路の間で流れる DC 電流および制御されていない過渡電流を最小化すると同時に、情報伝達と電力伝送の実現を許可することです。 絶縁を実現する集積回路(IC)をアイソレータと呼びます。

    一部のアプリケーションは、機能を果たす目的、つまり、システムが正常に動作するようにする目的で絶縁を使用しています。 機能的な絶縁に関する 2 つの例は、ファクトリの床で物理的に離れた場所に設置されている 2 つの 24V システムの間で、グランド電位差(Ground Potential Difference、GPD)を防止すること、また車内にある 12V 領域と 48V 領域の間で通信を実施することです。 多くのアプリケーションは、絶縁レベルが適切に定義および実装されている場合に、危険性のある電圧に接続された 1 次側回路と、人間のオペレータがアクセスすることのできる低電圧の 2 次側回路の間で絶縁リンクを形成できるようにするために…

  • オートメーションでの光投射テクノロジー (How to use light projection technology for automated manufacturing)

    テキサス・インスツルメンツの DLP® テクノロジーは、その中核にデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を搭載しており、高い潜在能力を秘めています。3D プリントマシン・ビジョンのような分野に応用すると、高解像度の画像形成、高速な製造速度、低廉な製造コストを実現し、自律型の製造という構想を現実化するのに役立ちます。

    DLP テクノロジーによる 3D プリント

    ステレオリソグラフィー(SLA)は一般的な 3D プリント・プロセスの 1 つであり、従来の印刷に似ています。 トナーを紙片に堆積させるのと同様に、3D プリンタは一連の 2D 断面図に相当する素材の層を複数堆積させ、物理的な 3D オブジェクトを形成します。 SLA では、素材は樹脂であり、紫外線(UV)光源を使用して処理されます。 樹脂を処理すると、そのモノマーは架橋結合によりポリマ・チェーンを作り出し、硬い素材を形成します。

    SLA を DLP チップ…

  • 産業イーサネット規格: PROFINET (How to select the right industrial Ethernet standard: PROFINET)

    Other Parts Discussed in Post: PROFIBUS

    今回は、システム内で産業用イーサネットを活用する作業に取り組んでいる設計者向けの『適切な産業イーサネット規格を選択する方法』ブログ・シリーズの 3 回目の投稿です。 このシリーズでは、アプリケーションに適した規格を選択するための支援として、いくつかの一般的な産業用イーサネット通信プロトコルを網羅します。 これまでの投稿で、筆者は EtherCATSercos III について説明しました。

    今回は、process field network(PROFINET)について説明します。これは、ファクトリ・オートメーションの分野で有力な産業用イーサネット規格の 1 つです。 PROFINET には複数のバージョンが存在しており、今回の投稿では PROFINET I/O について説明します。

    PROFINET ネットワーク・テクノロジーは、ファクトリ・オー…

  • 産業イーサネットの特徴: EtherCAT (How to select the right industrial Ethernet standard: EtherCAT)

    システム内で産業用イーサネットを活用する作業に取り組んでいる設計者向けの『適切な産業イーサネット規格を選択する方法』ブログ・シリーズの 2 回目の投稿に引き続きアクセスされたことに感謝します。 このシリーズでは、アプリケーションに最適な規格を選択するための支援として、いくつかの一般的な産業用イーサネット通信プロトコルについて説明します。 Sercos III に関する以前の投稿をこちらでご覧になることもできます。

    一方、今回の投稿では、EtherCAT、その最終アプリケーション、および動作方法について説明します。

    EtherCAT を考案したのは、Beckhoff Automation(ベッコフ・オートメーション)社です。 2003 年以来、同社は EtherCAT Technology Group(ETG)の傘下に入っています。ETG は、約 2,600 社のメンバーが加入している、産業用フィールドバスに関する組織です。

    EtherCAT…

  • 産業用イーサネットを標準イーサネットと同等にシンプルに (How to make industrial Ethernet as simple as a standard Ethernet)

    通信プロトコルを搭載した業界最新PLC システムと、TI のマルチプロトコル・ソリューションによるシンプルな接続

    私たちは皆、将来はオートメーションがどのように展開されるかという未来像を見聞きしてきました。実際、コンシューマの立場では、スマート・サーモスタットからスマート・カーまでさまざまな製品が登場しています。また、製品の背後にあるバックエンドでは、製造施設のインテリジェント化がますます進んでいます。 これらのスマート施設の目標は、製造プロセスの効率とフレキシビリティを最大限に高めることです。 産業用オートメーション業界の有力な各社は、これまでに独自の産業用イーサネット・プロトコルを開発して、ネットワーク接続されたセンサ、産業用ドライブ、プログラマブル・ロジック・コントローラで構成されたオートメーション製品のエコシステムを構築してきました。 これらネットワーク接続されたデバイスは、スマート・ファクトリの基礎をなすもので、その中心にあるのはプロセス…

  • 低ノイズで小型の産業用電源を設計するには? (How to design a quiet and compact industrial power supply)

    産業用電源のエンジニアは、電源に関する多くの課題に直面します。主要な課題の 1 つは、入力電圧範囲に大きな変動が生じることです。 使用する場所が離れていることを含め、多くの理由が原因になっています。 たとえば、工場に、建物全体への送電を行う 1 つのメイン電圧レールが存在しているとしましょう。 この長いレールでは、インピーダンスに起因する電圧降下が発生する可能性があります。また、異なる場所で電源ラインに接続されている機器や、大量の誘導性素子と容量性素子で構成された大規模な集約型負荷が原因で、誘導電圧やノイズが引き起こされる可能性もあります。

    図 1 - ワイド入力電圧範囲、低ノイズ、トリプル出力、降圧コンバータ・リファレンス・デザイン 

    図 1 に示すリファレンス・デザインは、3 つの低ノイズ出力を供給する単一入力降圧コンバータです。 このモジュールでは、SIMPLE SWITCHER® 同期整流降圧 DC/DC コンバータ …

  • 古いビルディングにIoTによるオートメーション・テクノロジー を導入するためには (How to bring the IoT to older buildings with automation technology)

    ほとんどのビルディングは新築ではなく、古いビルディングの多くには、「ここに 電源 が設置されていれば、ビルディング制御システムを動作させることができるのだが」という願望が付きまといます。 現在見受けられる急速な都市化の中、別の手段を考える必要があります。 新しいビルディングは、エネルギー・コストを節約する機械式制御を実現するテクノロジーを通じて、より効率的なビルディング・オートメーション・システムを採用しています。 要約すると、古いビルディングの制御システムを、新しいビルディングに追いつかせる必要があります。

    先進的なビルディング・オートメーション・テクノロジーを古いビルディングに後付けで導入すると、エネルギーを節約できます。 商業施設と住宅では、周囲光センサがこの目標を達成する方法の 1 つになります。 周囲光センサは、特定の領域で光の強度を検出できます。 ここで、低消費電力マイコンとワイヤレス通信プラットフォームにセンサを組み合わせることを考えてみましょう…

  • c2000マイコン:アクセラレータで処理能力向上とコスト最適化 (How fast is your 32-bit MCU?)

    設計者は常に、必要となる機能の追加やアルゴリズムの複雑度をあげるためにプロセッサの性能を向上しなければいけない状況に直面しています。 性能を向上させるという課題は、プロセッサの価格上昇を招く可能性もあります。 TI の C2000™ マイコン(MCU)は、独創的な方法でこの問題を解決するために、コスト最適化ソリューションを提供することに加え、ハードウェア・アクセラレータを追加しています。これらのアクセラレータは、制御ループや数学演算の待ち時間を短縮すると同時に、プロセッサの帯域幅を向上させるアーキテクチャを採用しています。

    C2000 マイコンは、4 種類の異なるアクセラレータを搭載しており、それぞれに特定の目的が割り当てられています。設計者はこれらを活用して、デジタル制御設計の性能を向上させることができます。 これらのアクセラレータは、以下のとおりです。

    • 浮動小数点ユニット(FPU) - 浮動小数点演算を実行することができ…
  • 電力のバンパイアに効率よく対処するには (How to efficiently handle vampire power for industrial appliances)

    スタンバイ電力は、気が付かないうちに消費されることから、バンパイア(夜のうちにこっそり人の血を吸う)電力、またはリーク電力とも呼ばれ、システム内における電力損失の主要な原因の 1 つになっています。  システムの電源がオフになっているときは、電力消費はゼロであると考えがちです。しかし実際は、電源がオフになっている間でも、コンセントや電力供給源に接続されている場合はアプライアンスの一部は引き続き動作しており、貴重な電力を消費しています。

    スタンバイ・モードで消費される電力への対処は、電力の厳格な試験手順について定義した ISO 62310 のような規格が導入されて以来、非常に難しくなりました。 これらの厳酷な試験手順と要件が原因で、アプライアンスがこれらの規格を満たすのが困難になっています。

    アプライアンスの現時点での実装では、マイコンを活用して電力を管理していますが、もちろんマイコン自体も動作するために電力を消費します。 産業用設計にとっては過酷な話ですが…