• 位置センサとのインターフェイスの実現 (Enabling simple interfacing with position sensors)

    多くの OEM(original equipment manufacturer)はこれまで、既成製品でサポートされていない機能を実現するために、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ)や ASIC に依存してきました。 

    このような機能の 1 つとして、産業用サーボと AC インバータ ・ドライブで使用されている位置センサとのインターフェイスを挙げることができます。 FPGA と ASIC を使用して位置センサのフィードバックをサポートする場合は、システム・コストが増加し、開発が複雑になります。 機能を実装する場合は、複雑なコードを記述するために時間と労力が必要であり、モーター制御やモーション制御のような製品差別化要因と得意分野に取り組む時間が減少します。 加えて、FPGA と ASIC の両方が提供する選択肢は比較的固定度が高い実装であり、再設計の必要なしで複数のアプリケーションを網羅する拡張性に欠けています。 

    一方…

  • 産業イーサネット: Sercos III (How to select the right industrial Ethernet standard: Sercos III)

    Other Parts Discussed in Post: TMDSICE3359, TIDEP0039, TIDEP0010

    筆者は産業用イーサネットの目的に関する問い合わせを受けることがよくあります。多様な産業用イーサネット規格はどこで使用され、特にそれぞれどのような利点があるでしょうか。  

    この新しいブログ・シリーズは、システム内で産業用イーサネットを活用する作業に取り組んでいる設計者向けです。 いくつかの一般的な産業用イーサネット通信プロトコルについて説明する予定です。 これらの説明は、アプリケーションに最適な規格の選択に役立ちます。

    産業用イーサネットは、ファクトリ・オートメーションとファクトリ制御、プロセス・オートメーション、ビルディング・オートメーション、その他多くの産業用アプリケーションを想定しています。 標準的なイーサネットに対する産業用イーサネットの利点の 1 つは、確定的(Deterministic)なリアルタイム…

  • インダストリー4.0に備えて (Are we ready for Industry 4.0? )

    産業オートメーションに関わっていると、インダストリー4.0はメディア報道、顧客との会議、エンジニアからのCEOの会話など様々な形で毎日耳にします。
    しかし、公開されている情報を見ていると、答えより多くの疑問が浮んできます。インダストリー4.0の枠組みで何が可能になるのか? インダストリー4.0を進めるために何に多くの時間がかかるのか? このブログでは、これらの疑問に関する考えを述べたいと思います。

    インダストリー4.0 は何のために必要で、それは何か。

    製造品に競争力を持つためには、製造プロセスの継続的な改善が必要です。情報技術(IT)を用いることにより製造業者の効率と柔軟性が大幅よって改善されます。
    製品ライフサイクルの透明性とリアルタイムビューを提供するメーカーはインダストリー4.0の枠組みのバックボーンを構築することができます。クラウドのビッグデータを分析を実行しているプロセスを向上させることができます。

    この説明には、根本的な疑問があります…

  • PI コントローラの動作方法の指定(パート II) ( Teaching Your PI Controller to Behave (Part II) )

    Dave Wilson(デーブ・ウィルソン)、モーター製品エバンジェリスト、テキサス・インスツルメンツ

    このトピックに関する筆者の前回のブログでは、PI コントローラのいきさつを簡単に振り返り、現在一般的に使用されている 2 つの形式を示しました。  皆様がどちらの形式を使用するかにかかわりなく、周波数応答は同一です。  ただしこのシリーズの分析では、次に示すように、PI コントローラの直列形式に注目します。

    制御システムの周波数安定性分析を実施したことがある場合は、Ka が非常に重要な理由を理解していることでしょう。この係数は PI 制御ループのゲインを設定し、その結果、システムの安定性に関して顕著な効果をもたらすからです。  ただし、グラフでは変曲点(導関数の値が 0 になる「ゼロ」周波数)として表現されるとともに、システムの性能にとって重要な、しかし名状しがたい役割も演じます。  この係数を理解するには、PI コントローラに対応する伝達関数を導くために…

  • PI コントローラの動作方法の指定(パート I) ( Teaching Your PI Controller to Behave (Part I) )

    Dave Wilson(デーブ・ウィルソン)、モーター製品エバンジェリスト、テキサス・インスツルメンツ

    Richard Poley(リチャード・ポーリー)は、TI の C2000 マイコン(MCU)トレーニングマネージャで、TI Industrial Control Seminar(産業用制御セミナー)シリーズの講師も務めています。  (制御理論に関する Richard のクラスは非常に楽しいので、ぜひ参加してください。)  Richard が好んで話す説明の中に、PI(D)コントローラがどのようないきさつで考案されたか、というものがあります。  ロシア系米国人の Nicolas Minorsky(ニコラス・ミノルスキー)は 1920 年代前半に米国海軍向けに自動操舵システムを設計していました。さまざまな条件下で、操舵手がどのような方法で操船するかを観察していました。  Wikipedia.org によると、平穏な条件下では、誤差信号の簡潔な増幅で操舵手の動作を近似できる可能性があることに…

  • ブラシ付き DC モーター用ゲート・ドライバ設計の簡略化 ( Simplifying gate driver design for brushed DC motors )

    皆様は簡潔なブラシ付き DC モーター用のドライブに携わっていますか。 開発期間が限られている状況で、大型のブラシ付きモーターに大電流をドライブするために、複数のディスクリート MOSFET を使用する必要に迫られることがありますか。

    既製品のゲート・ドライバを選択するときは、図 1 のような回路図を目にするはずです。2 個の抵抗を選択するだけで、(理論的には)先に進むことができます。

    図 1: ゲート・ドライバの理論的な回路図

    ここには 1 つの問題があります。 図 1 の回路は動作しません。 ハーフ・ブリッジが High にプルアップされた時点でローサイド FET はオンになります。貫通電流と損傷を防止するために、設計者はローサイド FET のゲート電圧を Low に維持する必要があります。 代わりに、回路が動作するように、最終的に図 2 のような別の回路を使用することになります。ただし、今度はハーフ・ブリッジの立ち上がり時間を低速にする必要が生じます…

  • モーター・ドライブの検証: 動き続けるために ( Motor drive validation: Keeping our parts in your hands )

    皆様はこのビデオをご覧になったことがありますか。サメのコスチュームを着たネコが、ロボット掃除機に乗って移動していています。 ネコ好きの人にとって、このビデオの内容を紹介されただけで好奇心をそそられるでしょう。 犬好きの人にも、 サイドバーを参照すると、犬が同じ行動をしているビデオがいろいろあります。

    筆者は検証エンジニアとして、ペットがかわいいというだけではなく、最終製品の品質を検証することになるのでこれらビデオを素晴らしいと思います。 特にあるビデオでは、成犬のシベリアン・ハスキーがロボット掃除機の上に乗っているのが確認できます。 

    「どれぐらいの重量だろうか」と考える人もいるでしょう。 ハスキーは最大で 60 ポンド(27.24kg)以上に成長することがありますが、それに対し、ロボット掃除機の重量はわずか 8.4 ポンド(3.81kg)です。 犬の体重が加わった結果、ドライブ・トレーンにかかる負荷は増大します。 移動を続けるために…

  • モーター起動の技法: パート3 ( Motor start-up techniques: Part three )

    このシリーズの第 1 部で、TI の InstaSPIN-FOC™ テクノロジーを使用したセンサレスのモーター起動について、また第 2 部で、モーターを起動するときに十分なトルクを生成し、モーターが回転している間にトルクを最大化する方法の説明を続けました。 このシリーズの第 3 部そして最終回では、最大 100% つまり定格トルク出力に達する変動性の高い動的負荷を使用するアプリケーションでの課題に対処する方法について説明します。

     

    連続角度トラッキング

    問題を本当の意味で解決するには、速度ゼロや非常に低速で動作している時点で回転子フラックスの角度を継続的に推定できる能力に加えて、低速オブザーバと高速オブザーバの間での切り替えを安定した方法で実行できる能力が必要です。 この能力を実現できるようにする新しい一連のライブラリが、InstaSPIN-FOC テクノロジーとともに供給されています。 このライブラリは、2 つのパートで構成されています…

  • 過酷な産業用イーサネット環境対応のための 3 つの考慮事項

    イーサネットは登場以来、急成長し、商業・企業市場で広く普及しています。イーサネットが産業用途でも広く普及したことは、明確に定義された規格と実装の容易さから見て、論理的な帰結でもあります(図 1 参照)。しかし、過酷な産業環境下でイーサネットの使用要件に対応するためには、さまざまな配慮と工夫が必要です。

     産業環境は商業環境とは大きく異なっており、独自の課題を克服する必要があります。産業環境下では、しばしば、高温、高電圧、大きなノイズ、機械的応力などの過酷な条件が存在します。産業グレードのイーサネット物理レイヤ(PHY)は、要求の厳しい環境下でもイーサネット・プロトコルに従って正しく動作しなければなりません。本稿では、産業グレード・イーサネット PHY に関して特に重要な 3 つの特性について考察します。

    図 1:イーサネットは産業環境下で複数の異なるセクション間の通信ブリッジとして機能可能

    1. 低レイテンシ:レイテンシとは…

  • Motor Drive forum の上位 FAQ(よくある質問)パート 2: モーターからの回生と VM 上昇を推定する方法 (Motor Drive forum Top FAQs Part 2: How to estimate motor regeneration and VM pumping )

    モーターからの回生は、モーター・ドライブ・システムで発生する一般的な問題です。 多くの設計者は公称電圧の 2 倍に達するモーター電源電圧(VM)を選択する必要がありますが、これはシステム・コストの上昇につながります。 幸い、電源電圧の上昇の詳細について最初に理解した時点で、必要とされる VM マージンについて理解することができます。 よくある質問(FAQ)に関するこのシリーズの最初の投稿で、Nicholas Oborny(ニコラス・オボーニー)はモーター・ドライバのデータシートを読み取る方法を説明しました。 今日は、説明の続きとして、電圧上昇レベルを推定する方法を紹介します。

    VM 上昇の波形

    図 1 に、減速プロセスの際の回生が原因で発生した代表的な VM 上昇の波形を示します。 入力 PWM(パルス幅変調)のデューティが 99% から 70% に変化した時点で、VM 電圧は 24V から 32V に上昇しました。 (テストに使用した…

  • Motor Drive Forum の上位 FAQ(よくある質問) 電流定格の理解 ( Motor Drive Forum Top FAQs: Understanding current ratings )

    これまでにテキサス・インスツルメンツのデバイスを検索したことがある場合は、図 1 のようなツールを目にした記憶があるでしょう。 この製品セレクション・ツールは、数万以上のデバイスを迅速に確認するのに役立つ強力な手段です。

    図 1: 製品セレクション・ツール

    ただし、よく言われるように、入力が不適切であれば、出力結果も思わしくありません。 そのため、アプリケーションに適した製品を見つけるうえで、検索しようとするデバイスのさまざまな仕様について理解しておくことが重要です。 Motor Drive Forum の上位 FAQ(よくある質問)シリーズに属するこの投稿では、モーター・ドライバの仕様のうち、誤解されることが多い特性の 1 つである、ドライバ電流定格に注目します。 ここで検討する 2 つのドライブ電流パラメータは、ピーク出力電流と RMS(Root Mean Square、二乗平均平方根、実効値)出力電流です。

    ピーク出力電流は…

  • CAN 入門 ( CAN we start at the very beginning? )

    CAN(Controller Area Network)に関する新しいシリーズの最初の投稿にようこそ。 このシリーズでは、CAN の概要、基礎から始めて、機能の詳細を比較的短い期間で習得し、CAN ネットワークを設計するときに見受けられるアプリケーションに関する一般的な疑問に取り組み、サンプル・アプリケーションを使用して詳細な点まで充足することです。

    CAN は 30 年近くにわたって使用されてきた、分散型の制御を採用する、シリアル、2 線式の差動ネットワーク・テクノロジーです。 CAN は当初。自動車向けに開発されたことが原因で、一般的には乗用車やトラックでのみ採用されていると考えられがちですが、必ずしもそうとは言えません。 堅牢性と簡潔さを実現していることから、暖房、通気、エアコン(HVAC)システム、エレベータ制御のようなビルディング・オートメーション、海運アプリケーション、白物家電など、産業用制御アプリケーションで幅広く使用されています…

  • RS-485 の基礎 RS-485 ドライバ ( RS-485 basics: The RS-485 Driver )

    筆者の最初の投稿では、RS-485 について紹介し、多くの産業用フィールドバス・アプリケーションで優先されるインターフェイスになった理由を説明しました。 今回と次回の投稿では、RS-485 の基礎について説明し、RS-485 ネットワークを設計するときに発生する、アプリケーションに関する一般的な疑問に取り組みます。 RS-485 に関する一般的な質問の多くは、ドライバとレシーバの構造および動作について基本的な理解をすると解決できます。 今回の投稿では、RS-485 ドライバと、RS-485 規格に掲載されている該当の仕様について説明します。

    図 1: 差動出力ドライバの構造

    図 1 に、半二重トランシーバである TI の SN65HVD72 のうちドライバ部分の等価出力回路を示します。 H ブリッジ・ドライバの出力構造は、A 出力と B 出力のそれぞれに対応するハイサイドとローサイドのトランジスタで形成されており、これらは各端子の ESD(静電気放電…

  • RS-485 の基礎 概要 ( RS-485 basics: Introduction )

    Other Parts Discussed in Post: PROFIBUS

    1983 年の定義制定以来、RS-485 は多くの産業用フィールドバス・アプリケーションで優先されるインターフェイスになっています。 RS-485 の基礎を取り上げるこのシリーズは、TI E2E Community の新しい Industrial Strength(産業の強み)ブログの一部であり、RS-485 の基礎について理解し、RS-485 ネットワーク内で設計を行うときに発生する、アプリケーションに関する一般的な疑問を解決できるように、役に立つ情報提供型の集約されたリソースを作成および提示したいと考えています。

    RS-485 は、以前は ANSI(米国規格協会)の TIA(通信工業会)/EIA(電子工業会)による TIA/EIA-485-A として知られていましたが、シリアル通信を実行するための平衡型データ送信に関する規格です。RS-485 を使用すると、ファクトリ…

  • ホームやビルディングの IQ スマート化の実現 ( What is the IQ of your home or building? Is it indeed smart? )

    今となっては容易に信じられない話ですが、ほんの数年前まで、家庭内で一般的に見受けられる唯一のオートメーションは、数箇所に設置されたセキュリティ・システムが固定電話サービス(POTS)回線を経由して警備会社と通信する機能でした。 現実に、程度の差こそあれ従来はスマート・ホームの現実性はかなり低いものであり、簡潔なセキュリティ・システムより高度なホーム・オートメーションも一応利用可能ではあったもの、設置の基盤となるインフラはごく一部の富裕世帯に限定されており、大部分の人にとってこのテクノロジーは手の届かないものでした。

    しかし、現在の全体像は大幅に異なっています。 テクノロジーの進歩により、ほんの数年前には手の届かなかったサービス(および前提として要求されるプロフェッショナル用の設備)が、手の届くものになり、Do It Yourself(日曜大工)を好むユーザー層をターゲットにするようになりました。 お気に入りのホーム・センターの売り場案内やインターネット検索で…

  • PLC の正しい順序のシャットダウンの実現 ( Providing an orderly shutdown of PLCs )

    プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)は、産業用オートメーションの市場でますます一般的になってきています。  想像可能なすべての製造環境に存在するあらゆる種類の機械を制御するには、化学プラントにある撹拌タンクのバルブの開閉から、製造ラインに設置されているベルト・コンベヤの速度制御まで、多様な機能に対応するプログラマビリティが必要とされます。   複数の異なるプロセスに対して、同じ PLC カードを使用することができます。違いは、それぞれのプログラムです。 

    プログラマビリティと、これらのプログラムに関するデータ保持の目的で、入力電圧が突然失われた場合でも、時には PLC を正常にパワーダウンするための十分なエネルギーを蓄積しておくバックアップ電源が必要になることがあります。  ラックマウント・タイプのシステムにホット・プラグ方式で接続される PLC カードの場合は、そのような電力停止は頻繁に発生します。

    適切なパワーダウンを実現するには…

  • 流量計メーカーが機械式から超音波式に切り替え��理由 ( Why are flow meter manufacturers switching from mechanical to ultrasonic? )

    流量計メーカーは、超音波式の先進的な流量計測テクノロジーを迅速に採用することで、公共企業のニーズに対応しています。 多くの企業と同様、公共企業も一般的には自らが提供するサービスから売り上げを計上する事業であり、単純に料率を挙げることをせずに、売り上げを伸ばすことに熱心です。 この目標を達成する有力な方法の 1 つは、消費者による水やガスの使用量をより高い精度で測定することです。

    従来型の公共メーターの多くは機械式です。メーター内部に機械式のホイールがあり、ホイールが完全に回転した回数を数えて、水やガスの使用量を測定します。 このように表記すると簡潔なように思えますが、いくつかの欠点を識別することは難しくありません。 機械式ホイールは、フィールドに設置された当初は、最も少ない抵抗で回転します。 これ以降、期間が経過すると、可動部に水あかやガスの残留物が付着してホイールの回転量が少なくなり、メーターの動作寿命が短くなると同時に、精度が低下します…

  • 洗濯機がコウモリに似ている点: サウンドを使用した生活の改善 ( How are washing machines like bats? Using sound to improve our lives. )

    テキサス州オースティンには多くのアトラクションがあります。少数の例を挙げるだけでも、音楽、テクノロジー、食品などがあります。 ただし、夏の時期の訪問者にとって見逃すことのできないもう 1 つのアトラクションがあります。 毎日の夕暮れ時に、市内にある橋の下や小さな湖から、最大 300 万頭のコウモリが上空に舞い上がり、東へ向かって、文字どおり何トンもの蚊や飛んでいる昆虫を捕食します。 遠方に向かって飛び続けるコウモリの大群を観察するのは、見逃すには惜しい特別な出来事です。

    筆者は常々、エコーロケーションを使用して狩を行うコウモリの能力に感嘆しています。 これも驚きに値することですが、人類は毎日の生活を改善するために同様のテクノロジーを活用するところまで追いついています。 このブログでは、超音波センシングを使用して、世界をより的確にセンスする方法を説明します。 特に、液体内の超音波センサを使用して液面、濃度、組成を測定する方法について説明する予定です…

  • 産業用のモノのインターネットの構築 ( Building the Industrial Internet of Things )

    モノのインターネット、つまり IoT は、多様な市場とアプリケーションにまたがって新しい使用状況を実現できるようにする、対応力の高いテクノロジーです。 一般に IoT について考えるときは、ホーム・アプリケーションやパーソナル・アプリケーションが想定される傾向がありますが、実際のところ、IoT で接続された製品が役割を果たすのは小規模製造業、小規模市区町村、車載、ビル・オートメーション、ヘルスケアなどです。  

    産業用 IoT には強力な潜在能力があります。より多くのセンサと機器がクラウドに接続されることにより、サービスが提供されるからです。 IoT を M2M(マシン・ツー・マシン)コネクティビティを混同しないように注意する必要があります。これらは完全に同じものを指すわけではないからです。 従来型の M2M は閉鎖的な環境内で独自テクノロジーをベースとして実装されてきたのに対し、IoT はオープン環境で使用され、標準的なインターネット…

  • スマート・ファクトリの内部構造 ( What’s inside the smart factory? )

    従来、工場では、単価の低減や品質レベルの向上など、量産の利点を生かすため、製品の大量生産に注目してきました。 現在、消費者が所有する製品のライフサイクルは以前より短縮されており、より多くの選択肢を用意することが求められています。製造側の観点では、稼働している製造ラインの調整能力を向上および迅速化するとともに、小規模なロット・サイズの生産に対応し、機器の再設定や変更に伴う停止時間を最小限に抑える必要があります。

    このような機動性の高い生産モデルを実現するために、現在の産業界ではスマート・ファクトリが急速に具体化しており、最小規模のサブシステムに至るまで、よりインテリジェントな電子機器の採用を推進しています。

    例として、自動車製造工場の自動化された簡潔なねじ回しツールについて考えてみましょう。 鉄、カーボン、プラスチックまで多様な素材でできた部品を取り付けるために、ねじを締めるために必要とされるトルクはさまざまに異なります。 このツールに求められる要件は…

  • モーター・ドライブ・アプリケーションにおける容易な機能 ( Easily increase functionality in motor drive applications )

    皆様はサーボ・ドライブやモーター・ドライブのアプリケーション開発を担当していますか。 そのような場合は、詳細の設計に関して、技術的な疑問の増加に直面していることと思います。

    • 複数のモーター・タイプに対応できるコントローラの設計を実現できるでしょうか。
    • 位置センサに関する最新の各種規格とそれぞれの改訂に追いつくにはどうすればよいでしょうか。
    • アプリケーションで最適な電流センシング技法はどれでしょうか。
    • 産業用ネットワークの各種オプションはどうでしょうか。
    • これらすべてに加えて、顧客は機能安全の統合も要求しています。

    これらの質問すべてを総合すると、圧倒されそうな印象を受けます。 皆様の会社の得意分野がモーション制御やモーター制御である場合は、上記のような質問に対応するソリューションを探索および開発するために時間を費やすと、このような得意分野に取り組む時間が減少する結果になります。

    電子業界で年々開発費用が増加しているのと同じテクノロジーを皆様が開発する代わりに…

  • Industrial Strength ブログの紹介 - 産業用設計に活用できるリソース ( Introducing Industrial Strength… your resource for industrial design )

    Industrial Strength(産業の強み)ブログにようこそ。 皆様がここにアクセスされたことをうれしく思います。ここは、TI のエキスパートが、成長を続けるこの市場で見受けられる最新のトレンド、トピック、最新情報を皆様に紹介する新しい場所です。

    産業用システムは、ますますスマートになり、電力効率が改善され、接続性が向上しています。 インテリジェントなエレクトロニクス制御、スマート制御、ユビキタス通信をファクトリ環境で実現するという「インダストリー 4.0」のビジョンが現実味を帯びています。 センシングとコネクティビティに関する革新により、スマート ・ビルディングとスマート・シティに向かう流れは加速されています。 電子機械(メカトロニクス)システムから電子システムへの移行は、スマート・グリッドとスマート・エネルギーのセグメントで見受けられ、監視、保護、制御、通信の各機能の進歩により実現可能なものになっています。 テスト…

  • 3D プリンタの内部を探る – パート 1 ( Under the hood of a 3-D printer – Part 1 )

    以前の投稿(英語)で、筆者は図 1 に示す、3D プリンタのコントローラ基板として想定されている TI Design のリファレンス・デザインを紹介し、3D プリンタを実現するためのいくつかの主要な TI デバイスに関する簡単な概要を示しました。 今回は、3D プリント全般に関する背景情報を紹介します。 3D プリンタに精通している場合はありふれた情報という可能性もありますが、このデバイスを初めて使用する場合は役に立つ可能性があります。

    図 1: TIDA-00405 リファレンス・デザイン

    3D プリンタ・コントローラのデザイン

    最初に理解する必要のある概念は、3D プリントが多様な形態で使用されているという事実です。 「3D プリント」という非常に包括的な用語は、多様な方式を指して使用されることがあります。 これらの方式全般に共通する特徴は、「追加型の製造」技法であることです。 (コンピューター数値制御機械(CNC)による切削やレーザー切断のような…

  • ステッピング・モーターを効率的に動作させる方法 - パート 2 ( How to spin your stepper motor more efficiently – Part 2 )

    このシリーズのパート 1 では、いくつかの重要なアイデアを紹介しました。

    • TI はステッピング・モータに力をいれています。
    • ステッパ・モーターは、非常に多くの電力を消費することもあります。
    • 逆起電力(BEMF)はステッパ・モーターの負荷の大きさを示します。
    • 逆起電力に基づいて出力電流を制御できます。
    • この事実はある程度の電力節減に役立ちます。
    • 電流制御については説明しません。

    さて、ここまででコンセプトに関する説明は完了しているので(読者への注意:実際の作業はまだ何も実施していません)、今度はこのコンセプトが現実に根ざしたものかどうか確認するときです。 筆者は、電力を節減する目的で、逆起電力に基づいてステッパの出力電流を自動的に調整するシステムのプロトタイプを製作できるでしょうか。 結果をご覧ください。

    手順 1: ステッパの選択

    偶然、机の上に次のステッピング・モーターがあります(次の画像を参照)。 このモーターがどこから来たか知りませんが…

  • ステッピング・モーターを効率的に動作させる方法 - パート 1 ( How to spin your stepper motor more efficiently, Part 1 )

    TI ではステッピング・モータを動かすことに力をいれています。 そしてステッピング・モータをより簡単に駆動できるように、IC や開発ツールを開発しています。 TI製の小型フォーム・ファクタブースタパックによりプロトタイピングが簡単にできます。アダプティブ減衰機能のような先進的な機能により、モーターのチューニングが不要になっています。また、豊富なドライバ IC にはインデクサが統合されており、内蔵または外部の出力段を利用することができ、包括的な保護機能も活用できます。

    図 1: DRV8711 ブースタパック: ステッピング・モータには考慮する点があります。

     

    ステッピング・モータには、他のモーター製品に比べて、制御が非常に容易であるという独自の特徴があります。 ブラシ付き DC モーターやブラシレス DC モーターでは、回転子がどこにあるかを制御するために閉ループを使用した位置フィードバックが必要とされるのに対し、ステッパは開ループで駆動しても…