Recent Technical Articles
  • 電源 IC: AC/DC設計におけるスタンバイ時の可聴ノイズと消費電力を削減する方法

    Other Parts Discussed in Post: UCC256404, UCC256403

    スタンバイ電力の削減と効率の向上を求めて強化されるエネルギー規制に応えようと、エンジニアは、バースト・モード動作といった軽負荷モードを備えた電源の設計を進めています。軽負荷モードは、スタンバイ電力を最小限に抑えるのには有効ですが、新たに問題になるのが、電源の磁気部品から放射される高周波リンギングの懸念です。このような気にさわる音がノートPCのアダプタから出ているのを聞いたことがあるなら、リンギングの除去が非常に重要だということが分かってもらえるでしょう...

  • 産業機器: リアルタイム制御リソースを拡張し、電力変換アプリケーションのプラットフォーム開発を持続させる方法

    性能と効率の向上が絶えず求められるリアルタイム電力変換の領域において、設計者にとって重要なのは、スケーラブルで持続可能な産業用および車載用電力変換ソリューションの設計に労力を注ぐことです。こうした需要は、一方でサーボ・ドライブ、電力供給、グリッド・インフラストラクチャ、オンボード充電といったアプリケーションにおいて、MIPS(毎秒100万回の命令数)、パルス幅変調器(PWM)、アナログ/デジタル・コンバータ(ADC)などのリアルタイム制御システム要件が増大することにもつながります。また、開発者にとっては...

  • 産業機器: 自律型および協調型産業用ロボットのエンジニア向けガイド

    工場でロボットがより一般的になるにつれて、ロボットがよりインテリジェントで自律的、より安全で効率的なものになることが重要です。これらすべては、正確なモーター制御、高度なセンシングテクノロジー、エッジでの処理によって実現され、すべて堅牢なリアルタイム通信を備えています。これらのテクノロジーは、ロボットシステムの設計にとって重要です。

    • 正確なモーター制御により、効率と低消費電力を実現します。
    • 高度なセンシング機能と機械学習機能により、ロボットは周囲の環境と双方向のコミュニケーションをとることができます...
  • オートモーティブ: 2020年に注目される3つの車載技術トレンド

    交通渋滞、大気汚染、高燃費、走行距離への不安。

    現代の自動車運転の課題は、自動車購入者の需要を大きく変化させています。単純に見た目が良く信頼性の高い車が求められていたのは、はるか昔のことです。現在は、安全性機能、より快適な乗り心地、パーソナライズされたキャビン内テクノロジーも同様に求められています。

    イノベーションによって私たちと自動車のつながりはますます深まっています。自動車メーカーが提供するのは、ハードウェアとソフトウェアだけではありません。メーカーは自動車に乗るという体験も提供しています...

  • 電源 IC: [FAQ] 車載ACコンプレッサ・モジュールの3相ブリッジ・ドライバを、ハーフ・ブリッジ・ドライバに変更した方がいい理由は何ですか。

    Other Parts Discussed in Post: UCC27712-Q1

    この記事では、お客様からよく寄せられる質問とそれに対する回答をまとめています。

    質問:BLDCモーターのインバータ段のIGBTに、現在は3相ブリッジ・ドライバを使用しています。

    なぜ、既存ソリューションの3相ブリッジ・ドライバをゲート・ドライバに置き換えることを考えた方がいいのでしょうか。現在のソリューションよりも、ハーフブリッジ・ゲート・ドライバのどこが性能上優れているのでしょうか。 

    回答:

    高電圧3相BLDCモーターは、高電圧HEV/EVのACコンプレッサの駆動に使われます。10kWもの電力が必要になることがあるHVACコンプレッサは、消費電力がトラクション・モーターに次いで2番目の高さです。

    図1は、3相BLDCモーターを駆動するインバータ段としてIGBTを用いる、標準的なACコンプレッサ・モジュールの���ロック図です。インバータ段には、ハーフブリッジ…

  • 電源 IC: 電圧リファレンスを理解する:直列リファレンスだけの特性ではない超低ドロップアウト

    電圧リファレンスを理解する」シリーズの最初の記事では、直列電圧リファレンスとシャント電圧リファレンスの違いについて説明しました。 今回は、超低ドロップアウトと、それが直列リファレンスだけの特性ではない理由に焦点を絞って説明していきます。

    広い入力電圧範囲と低ドロップアウト動作を両立しなければならない電圧リファレンスが必要になったことはないでしょうか?たとえば、低ドロップアウトの直列リファレンスのほとんどが、12Vまでの入力電圧には対応していません。そのような場合は、シャント・リファレンスが非常に便利です...

  • 電源 IC: 電圧リファレンスを理解する:シャントと直列、どちらのトポロジが適しているか

    電圧リファレンスには、シャント・リファレンスと直列リファレンスの2種類があります。  それぞれに固有の使用条件があるので、この2種類からどちらかを選択する場合は、そのプロセスの複雑さに気後れを感じることがあります。  比較表は存在しますが、特定のアプリケーション向けにどちらか一方のリファレンス・トポロジを選ぶ方法については、一般に大した情報は得られません。このブログ・シリーズでは、シャント・リファレンスと直列リファレンスの両方のアプリケーションを取り上げ、どのような場合にそれらを使用すべきかについて説明しつつ...

  • オートモーティブ: 最高性能の前方レーダーでビジョン・ゼロを現実のものに

    Other Parts Discussed in Post: AWR2243, AWR2243BOOST

    この数年間、ヨーロッパ新車アセスメント・プログラム(Euro NCAP)2025の「交通安全プロジェクトビジョン・ゼロ運動」と、消費者向けファイブスター安全等級評価という、2つの大きな力が後押しして、先進運転支援システム(ADAS)の普及が進んでいます。

    ビジョン・ゼロ運動のため、自動車メーカーは車の乗員だけでなく歩行者の安全にもより注目し、可能な限り最高のテクノロジをすべての国で提供するという...

  • 産業機器: 自律型工場の原動力となるエッジ・インテリジェンス

    Other Parts Discussed in Post: IWR6843, IWR6843AOP

    従来の産業用ロボット・システムから現在における最新の協働ロボットまで、さまざまなロボットが頼りにするセンサは、ますます大容量で多様なデータを生み出し、処理しています。図1に示すように、このようなデータを用いて自律型ロボットがリアルタイムに意思決定を下せるようになることで、激しく変化する実世界環境の中で生産性を維持しながら、効率的なインシデント管理が可能になります。

    図1:機械周辺を監視してインシデントのリアルタイム管理を助けるミリ波センシング

    TIのミリ波センサが工場のエッジでどのようにインテリジェンスを実現するか

    TIのミリ波センサは、リアルタイムでの意思決定のために、内蔵プロセッサによりオンチップでデータを処理できます。プロセッサを内蔵することで、光や視覚をベースとしたセンサに比べて小型の設計となっています。さらに…

  • オートモーティブ: 車載テレマティクス・アプリケーションでの暗電流測定

    Other Parts Discussed in Post: INA186-Q1, INA190-Q1

    現在の自動車は、20年前の携帯電話が持っていたよりも多くのインテリジェンスと接続性を備えています。これらの車は、サブスクリプション・ベースの通信サービスや組み込みのセルラー機能を介して、ほぼ常時、世界とつながった状態にあります。さらに将来は、車両間通信の導入も進むでしょう。外の世界との通信を制御する中心的な機器が、テレマティクス制御ユニット(TCU)です(図1)。

    図1:車両を世界とつなぐ標準...

  • 電源 IC: シングル・ボード・コンピュータの設計に高性能DC/DCを使用する方法

    産業用アプリケーションでのシングル・ボード・コンピュータは、かつてはヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)を処理するためのロジック・コントローラとしてのみ利用され、各種の制御機能やネットワーク通信を提供していました。現在、シングル・ボード・コンピュータは、産業用ロボット、マシン・ビジョン、ファクトリ・オートメーションなどで使用される複雑なシステムの頭脳として機能しています。

    必要な処理を実現するために、最新世代のシングル・ボード・コンピュータは、16コアの中央処理装置(CPU)、256GBのDDR...

  • オートモーティブ: 車載Bluetooth Low Energyに関するコネクティビティのトレンド

    世界中どこでもつながるという動きは、自動車業界でも間違いなく勢いを増しています。車のオーナーの多くは、車載ワイヤレス接続といえば、車内のインフォテインメント・システムと単純なやり取りをするものだと考えていますが、実はさまざまな新しい活用例が生まれています。たとえば、オーナーと車とのやり取りをパーソナライズしたり、キーオフ時に低電力で接続動作ができるパスを構築したり、スマートフォンをキーとして使用するPhone-as-a-Key(PaaK)アプリケーションでパッシブ・エントリを実現したり、といったことです...

  • 組込みプロセッシング: 機械的な衝撃や振動がある環境でTIのBAW共振器テクノロジを試す

    エンジンの機械的な振動や衝撃にさらされている車載部品の状態が分かったり、自動化された工場内の激しい機械的振動がある環境で動作するシステムの状態について情報を得ることができたりしたら、素晴らしいと思いませんか。このような情報があれば、予知保全を行って、疲労した部品が完全に壊れる前に取り換えることができ、車のトラブルや工場のダウンタイムをかなり減らせるでしょう。下記のビデオでは、水晶振動子不要のTIのワイヤレスBAWテクノロジに関する試験のデモを紹介しています。今回の技術記事は、その詳細を説明します。


    www.youtube.com/watch

    BAWテクノロジが機械的な衝撃や振動に強い理由
    振動や衝撃を測る2つの重要なパラメータは、IoT接続されたデバイスにかかる加速力と振動周波数です。振動の発生源は、走行中の車や機器の冷却ファンの内部、あるいは携帯型ワイヤレス・デバイスなど、あらゆるところに存在します。そのため、加速力、振動、衝撃に対して強い耐性を持つ安定したクロックをクロック…

  • アナログ: DIN VDE V 0884-11:2017-01規格が絶縁設計に与える影響

    2020年1月時点で、DIN(ドイツ規格協会)V VDE(Verband der Elektrotechnik, Elektronik und Informationstechnik)V 0884-10:2006-12は、磁気および容量性のガルバニック絶縁製品における固有の絶縁特性と高電圧性能の評価に使われる認証規格として有効ではなくなりました。これで、2017年にDIN VDE V 0884-11:2017-01更新規格が発表され���ときにICメーカーに与えられた、3年間の移行期間が終了したことになります...

  • アナログ: 信号の分解:デルタ-シグマADCを使用するときの電源ノイズの影響の低減(第12部)

    Other Parts Discussed in Post: ADS127L01, TIDA-00095, ADS127L01EVM, TPS7A49

    第11部では、電源ノイズについて取り上げ、ノイズが多い電源になる原因や、A/Dコンバータ(ADC)に与える影響などにつ��て述べました。また、ノイズ除去において電源の影響の度合いを測定する方法として、電源除去(PSR)を紹介し、電源ノイズが各種のADC電源に与える影響を分析しました。

    最終回となる第12部では、ADS127L01評価モジュール(EVM...

  • オートモーティブ: ハイブリッド車/電気自動車向けワイヤレスBMSに関する3つの課題

     リチウム電池は、今も低価格化と電力密度の増加が続いており、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)をより遠くまで、長時間走らせることができます。この進歩をうけて、設計者の関心は、バッテリ管理システム(BMS)のサイズを縮小して軽量化することで、さらに効率化を図ることです。

    バッテリ管理システムの背景については、「HEV/EVのバッテリ管理システムの簡単な説明」(英語)をご覧ください。

    従来からある有線BMSアーキテクチャは、ワイヤ・ハーネスを使ってデイジーチェーン構成でバッテリ・パックを接続します...

  • アナログ: SoC電源設計:3つのステップで熱最適化された電源を設計する方法

    Other Parts Discussed in Post: TPS546D24A

    この記事では、通信基地局や試験・計測機器、データ・センターといった、システム・オン・チップ(SoC)アプリケーションの電源設計について解説します。

    熱最適化された電源設計が簡単だったことなどありませんが、最近のSoCに必要な電力要件により、ますます難しい作業になっています。20年ほど前に初めて市場に出たFET(電界効果トランジスタ)内蔵型の降圧コンバータは、基板面積の制限が厳しくなる一方で、より大きな電力をポイント...

  • アナログ: グレード0のデジタル・アイソレータにより高温絶縁設計の課題を解決する

    Other Parts Discussed in Post: TCAN1044EV-Q1

    自動車業界がハイブリッド電気自動車(HEV)に48Vシステムを引き続き採用する中で、車内ネットワークでの信号絶縁の必要性がさらに重要になっています。低電圧回路に対して効果的で信頼性の高い保護を適用しなければ、高電圧の特長や利点は大きく損なわれてしまいます。

    ただし、48V車両内での高電圧事象から信号を絶縁する必要性について理解することは、対策の半分にすぎません。完全な電気自動車(EV)とは異なり、HEVはバッテリ...

  • 電源 IC: アプリケーションに適した絶縁ソリューションを見つける方法

    絶縁がどういうものかについて、すでによく理解していると思いますが、それぞれの種類については不明な点があるかもしれません。この技術記事では、絶縁の主な4つの種類の定義を述べてから、設計においてTIの新しい完全統合型トランス・テクノロジがどのように役立つかを説明したいと思います。このテクノロジには、他の強化絶縁ソリューションと比較して利点がいくつかあります。

    簡単に言うと絶縁とは、システム内の分かれた部分同士の間で、不要な直流電流と交流電流を遮断しながら、必要な信号や電力を伝えることです。電源回路やモーター駆動回路のハイサイド...

  • アナログ: 信号の分解:電源ノイズがデルタ-シグマADCに与える影響の理解(第11部)

    Other Parts Discussed in Post: ADS1261, ADS127L01

    これまで「信号の分解」シリーズでは、A/Dコンバータ(ADC)の外付けあるいは内蔵のアナログ部品から生じるノイズに注目してきましたが、このシリーズの最後のトピックでは電源に起因するノイズを分析します。このノイズは、ADCの外側で発生します。ノイズの多い電源をクリーンにする低ドロップアウト(LDO)レギュレータや、入力電圧範囲を拡張するチャージ・ポンプといった、電源管理機能を内蔵するADCもありますが、これらの機能だけでなくADC自体にも、外部の電源からの給電が必要です。そして、ミクスト・シグナル・データ収集システムの他の部品と同様に、電源もノイズの原因となります。

     幸いにも、電源ノイズの解析は、このシリーズで述べてきた他のノイズ源と同じように行うことができます。電源がある程度ノイズに寄与することは想���できるでしょうが、システム性能にどれくらい影響するかは…

  • 産業機器: 水晶を使わない業界初のワイヤレス・SimpleLinkマイコンで、設計戦略をサポート

    半導体業界のイノベーションは、多くの場合、既存製品に「足していく」ことですが、設計においては「引いていく」ことが重要視されます。TIでは、SimpleLinkTMワイヤレス・マイコン周辺の電子部品表(BOM)を詳しく調べて、機能を犠牲にせずに外付けの高周波水晶振動子を取り除けないかと考えました。こうして、革新的なBAW(バルク弾性波)共振器テクノロジが登場しました。

    設計スペースに限りのあるビル・セキュリティ・システムであれ、過酷な実環境で使われる電動工具であれ、BAW共振器テクノロジを活用することができます...

  • アナログ: 信号の分解:クロックが高精度ADCに与える影響(第10部)

    Other Parts Discussed in Post: ADS127L01, ADS131A04

    信号の分解の第9部でも述べたように、データ収集(DAQ)システムにはすべて基準点が必要です。第9部でのその基準点は、出力コードの生成のためにアナログ入力信号と比較される電圧レベルでした。しかし、DAQシステムには別の種類の基準点も必要であり、それは必ずしも電圧に関連したものではありません。

     DAQシステム内では、すべてのコンポーネントが同期して動作できるようにする時間的基準としてクロックが使用されます。A/Dコンバータ(ADC)に関して言えば、クロックが正確で安定していることによって、ホストがADCにコマンドを送り、ADCがホストからコマンドを受け取る際に、それらが正しい順序で、データの破損なしで行われることが保証されます。さらに重要なのは、システムのクロック信号により、ユーザーがいつでも必要なときに入力をサンプリングし、データを送信できることで…

  • アナログ: オペアンプとは?

    多くの教科書や参考書では、オペアンプは、増幅、加算、減算など、さまざまな機能や動作を行うICとして定義されています。この定義に同意はしますが、デバイスの入力ピン電圧の重要性にも着目する必要があります。

    入力電圧が等しい場合、オペアンプは通常、線形動作をしています。オペアンプが前述の機能を正確に実行しているのは、この線形動作の間です。しかしながら、入力電圧を等しくするためにオペアンプができるのは、出力電圧を変えることだけです。従って、オペアンプ回路の出力は通常、何らかの形で入力に接続されています。これは一般的には電圧帰還と呼ばれています...

  • アナログ: あなたが電源設計者かもしれない7つの特徴

    意欲的な電子工学の学生が何を専攻しようかと迷っているとき、私はパワー・エレクトロニクスを検討するよう強く勧めています。どんな新しい電気製品や電子機器にも電源は必要なので、仕事に困ることはありません。デバイスの小型化や高効率化への要求に伴い、この分野は手ごたえのある仕事や革新の機会に満ちあふれています。

    デジタル設計者のように格好良くはないかもしれません。しかし、進む人が少ない分野を選べば、手ごたえのある革新的な仕事に恵まれ、最終的には、デジタルから離れた人々の緊密なコミュニティに身を置くことになるでしょう...

  • オートモーティブ: 車両のADASテクノロジーをより身近なものに

    先進運転支援システム(ADAS)の機能は、事故を減らし、多くの人の命を救えることが実証されています。Consumer Reportsの記事によれば、Insurance Institute for Highway Safetyが調査した2017年の統計で、前方衝突警告および自動緊急ブレーキの技術を搭載した車両による追突事故は、それらのシステムを持たない車両と比べて50%少なかったことが示されています。悲しいことに、ほとんどの事故は、最も簡単なADASアプリケーションさえ備えていなかった車両のドライバーに起きています...