Recent Technical Articles
  • オートモーティブ: 常に正しく曲がるために:車載照明システムの障害検知回路の設計

    システム障害をユーザーに知らせることは大変重要ですが、車のライトであればなおさらです。

    車載リア・ライトの方向指示器を例として取り上げてみましょう。方向指示器は、運転手が車線変更や方向転換をしようと考えていることを知らせる合図です。方向指示器の光源として一般に使われ、今も増え続けているのがLEDです。LEDは、1段目が電圧レギュレータ、2段目が定電流リニアLEDドライバの、デュアル・ステージLEDドライバ回路トポロジで駆動されます。デュアル・ステージ・トポロジには、熱効率が良いという利点があります...

  • アナログ: クラスABからクラスDアンプへ変更する際のポイント     -懸念があってもご心配なく!-

    Other Parts Discussed in Post: TPA6304-Q1

    一見、難しすぎる作業に思えても、いざ実行してみると思っていたよりずっと簡単だったことに驚いたことはありませんか?最近、このような話を車載オーディオ設計のエンジニアから聞きました。カー・ラジオ・ソリューションのアンプを従来のクラスABからクラスDに変更したのです。

    この記事では、主な2つの懸念点となる、プリント基板(PCB)のサイズへの影響と電磁干渉(EMI)について取り上げます。

    懸念1:クラスDアンプではPCBの...

  • 電源 IC: 次世代バッテリ・モニタによりバッテリの精度を向上、 持続時間を延長し、同時に安全性を高める方法

    近年、掃除機や、電動工具(ドリル、のこぎり、ねじ回しなど)、庭仕事の道具芝刈り機、芝の縁刈り機、芝用トラクターなど)といった一般消費者向け製品は、電源コードを使ってコンセントから電源を取るものから、充電式バッテリ・パックの電力で動くコードレス方式へと変わってきています。自転車のような、これまでは電動ではなかった機器も、バッテリ駆動の電動アシスト自転車や電動スクーターに移行しつつあります。

    バッテリ・パックは通常、リチウムイオン、リチウム・ポリマー、またはリン酸鉄リチウムイオンを使用した個別の電池(セル)で構成されますが、使い方を誤ると火事や爆発につながる恐れがあります。バッテリが安全に使用されていることを保証するため、セルのメーカーが定めた条件下でのみ動作するように、バッテリ・パック内部の電子機器がセルをモニタリングします。一般にこのような条件には以下のものがあります。

    • 最大許容充電電圧
    • 最大充電電流および放電電流
  • オートモーティブ: 車載演算ゲートウェイ・プラットフォームによりソフトウェア定義自動車(Software-defined car)を実現

    Other Parts Discussed in Post: DRA829

    自動車分野には3つの明確なトレンドがあります。半自動または自動運転車への移行、データ帯域幅の増加によりクラウドとつながる車、そして車両の電化です。これらのトレンドは、車載アーキテクチャの変化も促しています。現在の車載アーキテクチャでは、増加し続ける多数のエンジン制御ユニット(ECU)が、低速のCAN(Controller Area Network)/LIN(Local Interconnect Network)通信バスでつながっています...

  • 産業機器: 豊富なセンサを備えたスマート・ストアで買い物がよりスムーズに



    スーパーに行ったら買おうと思っていた商品が品切れだったり、レジに行列ができていたりして、思ったよりも時間がかかってしまうことが多々あります。

    データは光の速さで移動しますが、食料品はそうはいきません。張り巡らされた高速インターネットにより情報通信はますます高速化していますが、商品の売買に伴って必要になる物理的な業務の効率化は立ち遅れたままです。しかし、それも変わろうとしています。

    ホワイト・ペーパー(英語)「最先端の小売と物流のオートメーションを実現」を読む

    TIのシステム...

  • アナログ: HEV/EVバッテリ管理システムの標準的なアンプ機能

    ハイブリッド型電気自動車(HEV)と電気自動車(EV)は、低またはゼロ排出、メンテナンス対象部品の少なさ、高効率、運転時の高パフォーマンスなどから、大きな注目を集めています。新しいHEV/EVメーカーが登場する一方で、既存の自動車会社もHEV/EVへの投資を増やして市場シェアを高めようとしています。

    HEV/EVのパワートレインで最も重要な部分は、配電網から電気エネルギーを取り出してバッテリに蓄え、バッテリからエネルギーを取り出してモータを回転させ、車を動かすというシステムです。このシステムは...

  • アナログ: オペアンプをコンパレータとして使用する際のヒント

    Other Parts Discussed in Post: TLV9062

    コンパレータは、例えば、過電圧状態では論理レベルのHigh(5V)、通常動作ではLow(0V)を出力するといったように、システムの2つの状態を比較するのによく使われます。専用のコンパレータもありますが、オペアンプをコンパレータとして機能するよう構成することも可能です。

    オペアンプの場合、専用のコンパレータと比べて低コストで、必要なプリント基板(PCB)面積が最小限で済むなど、いくつかの利点があります。ただし、オペアンプをコンパレータとして構成するには、オペアンプのいくつかの仕様や特性を事前に検討しなければなりません。この記事では、このような考慮事項について説明し、設計手順を紹介していきます。

    設計上の考慮事項

    オペアンプをコンパレータとして構成する場合には、差動入力クランプ・ダイオード(背面結合ダイオード)の有無、入力同相モード電圧、スルー・レート…

  • オートモーティブ: 未来のレーダー・プロセッシングに求められるもの

    レーダー(電波探知測距)システムは、何十年にもわたり、天気予報から防犯用途まであらゆるところで多方面に利用されてきましたが、21世紀に入る頃から自動車関連にも採用され始めました。この技術記事では、車載機器での典型的なユースケースとそれに関連したトレンドを詳しく見ていきます。

    現在、路上には24GHzベースのレーダー・システムが何百万台も存在し、さらに、TIのRFCMOS AWRx製品ラインなど、次世代の76~81GHzをベースにしたシステムも登場しています。大まかにレーダー・システムの構成は図1に示す最終製品カテゴリに分けられ、さらに対応可能な有効範囲(距離)によって約1メートルの近距離システムから400メートルの長距離システムまで区分されます。

    図1 – CMOS*ベースのレーダー構成の概要

       (*相補型金属酸化膜半導体)

    一般的に、有効距離が延び要求される精度が高くなるほど、より高い処理能力が必要になりますが…

  • 電源 IC: 3つの簡単な降圧回路でのEMI低減手法

    Other Parts Discussed in Post: LMR33630-Q1

    電磁干渉(EMI)は、車載用電源の最終製品における恒常的な課題です。マイルド・ハイブリッド電気自動車(MHEV)ソリューションが台頭するにつれ、システム内の多くの電子回路でバッテリ電圧が12Vから48Vへと移行していることから、EMIは以前にも増して難しい課題となっています。

    車載用回路を設計しているエンジニアの大部分は、フィルタ設計、レイアウト・ガイドライン、およびスペクトラム拡散やフリップチップ・パッケージなどを始めとする多数の管理機能を通じて...

  • アナログ: オーディオ・イノベーションの先駆者であり続けるTIのBurr-Brownテクノロジー



    1982年、Burr-Brownが発表した16ビット、モノリシックD/Aコンバータ(DAC)は、これまでの音楽の聴き方や届け方をすっかり変えてしまいました。音楽を持ち歩けるようになっただけでなく、わずかなコストで録音スタジオと同じように忠実な音を再現できるようになったのです。それ以来、Burr-Brownテクノロジーは、高品質オーディオの代名詞となっています。

    2000年にBurr-Brownを買収してからは、TIがプロフェッショナル・レベルのオーディオ・アプリケーション、スマートホームや車載アプリケーション向けに...

  • 産業機器: TIのミリ波センサを活用した、プライバシーを侵害しない非接触型 転倒検知システム

    米フォーブス誌によると、世界の60歳以上の人口は、2050年までに20億人に達すると予想され、その数は世界人口の5分の1以上を占めることになります。高齢者が増え続けることで、家庭でのより高度な見守りが必要となりますが、同時に個人の自律性も保たれるようにしなければなりません。米国疾病管理予��センターによると、毎年、高齢者の4分の1近くが転倒しており、高齢者が外傷関連で入院する一番の原因が図1のような転倒です。本記事では、転倒検知システムがセンサ主導型ソリューションによる高精度な点群データを使用することで...

  • アナログ: 信号の分解:高分解能デルタ-シグマADC回路のリファレンス・ノイズの低減(第9部)

    Other Parts Discussed in Post: ADS1261, REF6025, ADS1259, ADS1262

    「信号の分解」シリーズの第8部では、A/Dコンバータ(ADC)のノイズとリファレンス・ノイズの関係を説明し、リファレンス・ノイズを求める計算式を導き、システムのリファレンス・ノイズのレベルに与えるゲインの影響を確認しました。

    今回、第9部では、システム全体でこの影響を低減するための方法をいくつか分析し、リファレンス・ノイズについての説明をまとめていきます。低分解能ADCと高分解能ADCに対するリファレンス・ノイズの影響の違いも考察します。

    リファレンス・ノイズの影響の低減

    第8部で述べたように、データ収集システムに入るリファレンス・ノイズの量は、リファレンス電源のノイズ特性と、フルスケール範囲(FSR)の使用率に依存します。この使用率への依存を示すために、リファレンスが2.5Vと仮定し、ADCノイズ、リファレンス…

  • アナログ: 信号の分解:デルタ-シグマADCでの電圧リファレンス・ノイズの影響(第8部)

    Other Parts Discussed in Post: REF6025, ADS1261

    業務用オーブンの温度を管理する高精度温度測定ユニットのような高分解能センサ測定システムを設計することになったと想定してみてください。このようなシステムを作成するためには、温度計測用の熱電対をオーブンに取り付け、熱電対のリード線を測定システムに接続します。すると、A/Dコンバータ(ADC)からデジタル・コードが出力されます。では、このコードに対応する実際の温度をどうやって判断するのでしょうか。

    アナログ回���設計ではベースラインとして電圧リファレンスを使用し、このベースライ���を基準にアナログ測定が行われます。この例では、リファレンスの公称電圧により出力コードが確定し、このコードは決まった温度に対応しています。リファレンスの電圧を変更すると、出力コードも同様に上下することになりますが、測定温度は変わりません。

    出力コードは電圧リファレンスの値に直接関連しているので…

  • アナログ: 信号の分解:デルタ-シグマADCでのアンプ・ノイズの影響(第7部)

    Other Parts Discussed in Post: ADS1262, OPA141, OPA211, OPA378

    「信号の分解」シリーズの第6部では、出力換算ノイズと入力換算ノイズを定義し、それぞれに対する計算式を導き、単一段および複数段のアンプ構成を詳しく掘り下げ、ゲインの増加が低分解能および高分解能のA/Dコンバータ(ADC)に与える影響について検討しました。高分解能ADCに高ゲインの外部アンプを組み合わせるときは、アンプのノイズ特性を慎重に検討する必要があることも第6部でわかりました。

    この説を実証するために、第7部では、アンプが異なると同じ高分解能ADCのノイズにどう影響するのか、設計例を用いて分析します。ベースラインのADCとして、TIの32ビットADC『ADS1262』を使用します。このADCを選択したのは、ノイズ・レベルが非常に低く、プログラマブル・ゲイン・アンプ(PGA)が内蔵されているためです。内蔵PGAのノイズは解析する上での基準点となり…

  • アナログ: 信号の分解:デルタ-シグマADCでのアンプ・ノイズの影響(第6部)

    Other Parts Discussed in Post: ADS124S08, ADS114S08

    多くのデータ収集(DAQ)システムで、低レベル入力信号の正確な測定が設計上の課題になることがよくあります。例えば、ファクトリ・オートメーションのアプリケーションの多くは、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)を使用し、温度センサや負荷セルの値を基に決定を下します。同様に、石油掘削施設では産業用差圧流量計を使用し、ミリリットルの精度で、油田から取り出した石油の量を判断します。

    このような工程内の変化を測定するために、さまざまな種類の最終製品で、測温抵抗体(RTD)や、熱電対、抵抗性ブリッジなどのアナログ・センサが用いられています。通常これらのセンサからの信号レベルは非常に低いため、信号をDAQシステムのノイズ・フロア以上に増幅する必要があります。さらにエンジニアは、アナログ/デジタル・コンバータ(ADC)のフルスケール範囲…

  • オートモーティブ: ドライバーレス・カーに不可欠となる透明ウィンドウ・ディスプレイ

    現在は、ドライバーは他のドライバーや歩行者に、ライトを使って合図したり手振りをしたりするなどのさまざまな方法で意図を伝えています。しかし、車からドライバーがいなくなったらどうなるのでしょうか。

    自動運転車が現実化しつつあるということは、車に関する大事な情報を他のドライバーや歩行者に伝えるために使っている合図を、車と人間がやり取りしやすいように拡張する必要があることを意味します。ドライバーレス・カーには情報や意図を伝えるためのより効果的な方法が必要となり、ディスプレイ・テクノロジーが車とその周辺との間に不可欠なインターフェイスとなっていきます。

    現在の車には多種多様なディスプレイがありますが、車の周辺の世界とやり取りをする目的で設計されている、またはその機能があるものはほとんどありません。しかし、透明なウィンドウ・ディスプレイならその課題に対応できるでしょう。 自動運転車と同じ道路を走るドライバーならびに歩行者や自転車に乗った人がその意図を理解できるようにするために…

  • 電源 IC: DC/DCスイッチング・レギュレータに使用するMLCCを削減する方法

    Other Parts Discussed in Post: TPS568215

    多層セラミック・コンデンサ(MLCC)は、電子回路、特に電源のデカップリングによく使われる部品ですが、2018年頃から大きなケース・サイズのMLCCが供給不足で調達が困難になっています。市場の様子からは、少なくとも2020年まではこの状況は変わらないと見られます。そのため設計担当者は昨今、DC/DCスイッチング・レギュレータに使用するMLCCの数を削減する方法を模索しています。

    DC/DCスイッチング・レギュレータのMLCC部品数を減らす方法の1つは、外付けコンデンサを削減しても機能できるデバイスを選択することです。また、TIのD-CAP+TM制御モードを備えたDC/DCスイッチング・レギュレータを選ぶ方法もあります。スイッチング周波数を上げることも、コンデンサの部品数を削減するのに有効です。例えば、『TPS563201』のスイッチング周波数を580kHzから1…

  • アナログ: 妥協することなくリゾルバの性能を高める方法

    電気自動車の主要部分であるモーター制御には、通常、永久磁石型ACモーター(PMAC)か誘導モーターが使われます。どちらのタイプにも利点があると同時にトレードオフが存在します。

    PMACモーターには、リゾルバかエンコーダを使用します。リゾルバは、メカニカルな動きを、回転角度の絶対位置に関する電子情報に変換します。リゾルバは、1次巻線と2つの2次巻線で構成されます。固定子側の2次巻線は互いに90°の角度になるように配置され、1次巻線は回転子側に配置されています。可変磁気抵抗などの別のタイプでは、3つの巻線がすべて固定子側に配置されます...

  • 組込みプロセッシング: エッジのイノベーションが推し進めるオートメーションの未来


    Processor部門Vice PresidentのSameer Wassonがオートメーションの未来と

    エッジのインテリジェンスについて語ります。

    インテリジェント・マシンの未来は、エッジにおけるイノベーションにかかっています。それはつまり、より動的に意思決定を行うための、リアルタイムでのセンシングと処理を可能にする組み込みテクノロジのことです。

    これまでのオートメーションは事前にプログラム設定されて動きが構築されていましたが、今では周りで起こっていることを機械がリアルタイムに理解し、知能を持って、安全・確実かつ自律的に対応できるように進化しています。これを実現するテクノロジが、人工知能の一分野である機械学習です。

    信号処理テクノロジが進化し、多くの機械学習機能が追加されるにしたがって、TIは必ずしもクラウド処理に頼らなくても済む形で、車内の乗員検出や人間と機械との直感的な連携などにおける進歩の道を切り開いてきました…

  • 電源 IC: サーボ・ドライブとACドライブの出力段の設計に役立つ3つのヒント

    インダストリー4.0が起こした革命により、さまざまな機械からデータを取得して分析することが可能になりました。そのおかげで、高速で自由度と信頼性が高く、より効率的な工程により、高品質の製品を低コストで生産できるようになりました。ただし、システム・レベルでは、DC/DC降圧レギュレータを使った電源設計について、インダストリー4.0による課題も生まれています。このような課題として挙げられるのは、信頼性の向上、放熱を最小限に抑えるための高負荷効率の向上、出力コンデンサを小型化するための過渡応答の高速化の必要性などです。この記事では、これらの課題を解決するヒントを紹介します。

    1. 広い入力電圧範囲と高電流を考慮する

    図1は、24VDC補助電源から電力供給されるサーボ・ドライブ出力段の電源アーキテクチャの簡易図です。24Vは、絶縁型電源を使ってDCバス電圧でも生成できます。1段目は、フィールド入力保護回路、2段目は、非絶縁型DC/DCフィールド電源です…

  • アナログ: 低電力でノイズに強いシステム設計を可能にする新型ロジック・ファミリ

    ノイズのせいでシステムが予想もしない動きをしたり、ひどければシステム障害も起こしたりしますが、原因を突き止めるのは非常に困難です。従来の高速CMOS(相補型金属酸化膜半導体)ロジックでは、ノイズにより信号に発振が生じることがあり、そのため電流消費量が増加したり、ときには信号エラーにつながったりします。これらのエラーは最終的にシステムの誤動作につながるため、より慎重な設計、場合によっては設計変更も求められます。この記事では、シュミット・トリガの利点およびシュミット・トリガを内蔵した新しい HCSロジック・ファミリの有用性について解説します。

    設計エンジニアの多くは、外付けのシュミット・トリガ入力を用いたロジック・バッファを使って信号ノイズに取り組んでいます。シュミット・トリガは、信号遷移に対する閾値を2つ設けることで、発振を除去します。なだらかな信号エッジとノイズが多いエッジのどちらの場合でも、きれいな信号に変換し、シグナル・チェーンの下流にノイズを伝播させず信号エラーを防ぎます…

  • アナログ: 基板面積の縮小に役立つ小型データ・コンバータ

    Other Parts Discussed in Post: ADS7042, DAC53608, DAC53401, ADS7138

    システムの小型化がますます加速するなか、プリント基板(PCB)のわずかな面積も無駄にできなくなっています。それと同時に、データの需要の高まりから、モニタリングが必要なセンサの数も増えています。 

    この記事では、TIの小型データ・コンバータを使って、PCBのフットプリントを大幅に削減し、チャネル密度を高め、他の部品や機能をより高度に統合することで、小型ながら高い価値を提供する方法を説明します。

    メリットその1:PCBフットプリントの削減

    設計やパッケージの技術の進歩に伴い、電子部品のサイズは縮小し続けています。図1のように、TIの最新のシングルチャネルADC『ADS7042』のフットプリントは2.25mm2と、10年前の同等のADCと比べてサイズがほぼ半分にまでなっています。同じく、TIの最新のシングルチャネルDAC…

  • 産業機器: 容量性ベースの絶縁を使用してACモーター・ドライブの寿命と温度の問題を解決

    私たちは毎日、モーターで動くさまざまなシステムを目にしています。

    ACモーター・ドライブは、最も一般的に使用されるモーター駆動方式です。これは商業ビルの空調設備やファクトリー・オートメーション機器など、各種の産業用アプリケーションで使用されています。

    このような産業用アプリケーションは高い電圧(通常400V以上)および電力レベル(通常キロワットまたはメガワット単位)で動作するため、作業者や高価な電子機器を安全に保護するための配慮が不可欠です。

    絶縁は、安全なACモーター・ドライブ・システムを構築するために欠かせない要素であり、IEC(国際電気標準会議)61800-5-1安全規格によって規定されます。システムの絶縁要件の詳細については、ホワイトペーパー「ACモーター・ドライブの絶縁: IEC 61800-5-1 安全規格の理解」を参照してください。絶縁は、電力段モジュールのゲート・ドライバの絶縁や、制御モジュールの帰還信号および通信インターフェイスの絶縁など…

  • アナログ: 48Vハイブリッド車/電気自動車システムで信号絶縁が重要な理由

    ガソリンエンジン車とハイブリッド電気自動車(HEV)あるいは電気自動車(EVが大きく違うところは、1つにはバッテリや電圧レベルが複数あるということです。内燃エンジンは12V24Vのバッテリ1つで動作し、通常は鉛蓄電池を使用します。しかし、HEVEVは、高電圧の充電型バッテリを使用し、その電圧はHEV48VEVならそれよりずっと高い400Vから800Vにも及びます。

    電圧レベルが複数ある場合、低電圧回路を高電圧から保護するために絶縁が必要になります。400V以上のバッテリに絶縁が必要なのは当然のように思えますが、48Vのマイルド・ハイブリッド・システムにも絶縁が必要なのでしょうか。確認してみましょう。

    48V HEVでの絶縁

    400V800Vほど高電圧ではないとしても、48Vのハイブリッド車でも絶縁が重要な考慮事項となり、その理由はノイズ耐性や障害保護を含めていくつかあります。

    1スタータ・ジェネレータ・シ…

  • 産業機器: TI DLPテクノロジ搭載の構造化ライト・システムによりビン・ピッキングの精度を向上

    産業環境では、さまざまな形状、大きさ、材質、光学特性(反射、吸収など)を持った部品を毎日扱わなければなりません。これらの部品は、処理のためにピッキングして特定の向きに置く必要があります。このような、部品がランダムに置かれる環境(コンテナなど)からのピック・アンド・プレース動作を自動化することを、一般的にビン・ピッキングと呼びます。このタスクでは、ロボットのエンド・エフェクタ(ロボット・アームの末端に取り付ける装置)が、つかみたい物体の正確な3D位置、大きさ、向きを知ることが課題となります。箱の壁や箱内部の他の物体を避けて移動するには...