• 1台でさまざまなサイズ、電圧、フォーム・ファクタに幅広く対応するバッテリ・テスタを設計する方法

    この技術記事では、デジタル制御ループ・バッテリ・テスタの利点を説明し、柔軟性と費用対効果が高いバッテリ・テスタ設計の例を紹介します。バッテリ試験設計における課題の概要は、ホワイト・ペーパー「精密な多機能リチウムイオン・バッテリ試験ソリューションの設計」(英語)をご覧ください。

    リチウムイオン電池は、小さな電子機器にも、電気自動車や電力グリッドといった大規模のアプリケーションにも使われており、当然ながらバッテリのサイズ、電圧、フォーム・ファクタは多岐にわたります。しかし、このように幅広い種類があるため...

  • 「イノベーションの道のり」 世界初のオンチップ・ミリ波レーダー・システムのインサイド・ストーリー パート2

    TIの技術者チームが世界初のオンチップ・ミリ波レーダー・システムを開発したことで、カスタマーに車載レーダー・テクノロジを提供することが可能となり、その結果、より安全な車をより多くの人に届けることができるようになりました。

    「ミリ波研究開発チームは“JDI”と呼ばれていました。“Just do it”、『とにかくやってみる』という意味です」開発中核チームの技術者であるVijayは、当時のチームの呼び名のことを懐かし気に話しました。世界初の車載用オンチップ・ミリ波レーダー・システムの開発は9年にわたる長い道のりでしたが...

  • 破壊的変化に備える 機械学習の3つの活用方法:俊敏性を重視するビジネスをサポート

    世界各地でパンデミックへの対応が始まった頃、オンライン・ショッピングは以前よりもずっと手軽になりました。自宅にこもる人が増え続ける中、配送が数日遅れることがあったかもしれませんが、ほとんどの小売業者は営業を続けて商品を届けることができていました。

    この実績は驚異的です。需要がかつてないほど急増していたうえに、注文を処理する倉庫では、ソーシャル・ディスタンスを保つためにスタッフを減らして距離をとりながら働かなければならなかったからです。

    オンライン業務を実践していたチームだけでなく、あまり顧みられることがない小さな部分であるプロセッサとソフトウェアに注目してみましょう...

  • 「ビジョンを可能に」世界初のオンチップ・ミリ波レーダー・システムのインサイド・ストーリー パート1

    TIの革新的な技術者たちが世界初のオンチップ・ミリ波レーダー・システムを開発したことで、TIの顧客企業はレーダー・センシング・テクノロジをさまざまなアプリケーションに取り入れることができるようになりました。このようなアプリケーションは道路上や工場内での安全性を支えるだけでなく、消防士が煙の向こうにいる人の命を救う助けにもなるでしょう。

    壁や煙で見えなくても、意識を失って動けなくなっている人を見つけるために、消防士のヘルメットにも取り付けられる低コストのレーダー・センサをイメージしてみてください...

  • 世界を変えた半導体チップ

    今から約60年前の1958年に、テキサス・インスツルメンツでエンジニアとして働いていたジャック・キルビーが集積回路(IC)を発明しました。

    この技術記事では、この発明がどのように車の安全性、水漏れ検出可能なスマートメータおよびポケットサイズの超音波を実現しているのかをご紹介します。

    ICが電子機器のコストを100万分の1にまで下げることになるとは思ってもいなかった」ジャック・キルビー

     www.youtube.com/watch

    ジャック・キルビーが最初のICを発明したとき...

  • TIのミリ波占有センサを使用してエネルギー効率の良いスマート・エアコンを設計する

    先進国のみならず開発途上国でも、快適な居住環境を維持するために人々はこれまで以上にエアコンに頼るようになっており、エネルギー消費量が急速に増加しています。

    国際エネルギー機関が発行した「The Future of Cooling」というレポートによると、現在の総エネルギー消費量のうちの10%をエアコンが占めています。エアコンの電気使用量は2050年までに3倍になると予測され、これは米国、EU、日本の現在の電力供給容量を合わせたものに匹敵します。住宅や商業ビルに設置されるエアコンの数は、現在の16億台から...

  • PWMの手法による高性能流量トランスミッタの構築

    センサは工場環境内のプロセスに対して各種の測定を行い、それに基づいて、システム全体の状態をプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)により制御します。一般的な測定値は、温度、圧力、流量、液位などです。流量トランスミッタの設計時に使用できる手法はいくつかありますが、ここではPWMを取り上げます。 

    ここでご紹介するアプリケーション・ノートでは、「超低消費電力での高速セトリング・タイムといった機能の実現にPWMの手法を利用できるか?」という質問について解説しています。  

    ループ給電により4...

  • 分子検査技術を用いて、医師の迅速で正確な診断を支援

    (この技術記事はEduardo Bartolomeとの共著です。)

    ポイント・オブ・ケア(PoC)分子診断市場の成長を後押しする主な要因は、感染症の有病率の高さ、オーダーメイド医療の認知と受容の拡大、そして、結果の正確さや可搬性の向上につながる分子技術の進歩です。PoC分子診断技術のおかげで、何日も検査結果を待たなくても初診時に迅速に診断して治療内容を決定できるので、医師はより良い標準治療を提供することが可能になります。この技術記事では、この種の検査について簡単に説明し、これらの機器の主要ブロックに使われる実際のいくつかのコンポーネントについて詳しく説明します...

  • 新型コロナウイルス感染症と闘う医療従事者に向けてTIのお客様への支援


    「息苦しさはありませんか?」というメッセージで、スマホのアプリが毎日ユーザーの状況を訊ねてきます。

    しかし、医療従事者はすでに、ユーザーの健康状況を把握しています。患者個人が使用する新しいウェアラブル・テクノロジを利用して、血中酸素レベル、脈拍数、その他のバイタル・サインをモニタリングしているのです。このウェアラブル・デバイスは、患者の居場所に関係なく、もちろん自宅にいるときでも、呼吸器疾患を常に監視します。

    医療従事者や患者、その他の人が新型コロナウイルスにできるだけ感染しないように厳重な対策を行っている病院にとって...

  • 赤外線体温計の設計を迅速に行う方法

    健康維持には、検温が必要不可欠です。非接触で体温を測定できる赤外線体温計は、接触感染の拡大の抑制に有効です。この技術記事では、赤外線体温計のシステム系統図に含まれるさまざまな構成要素を分析します。

    MSP430™マイコンは、超低消費電力の、16ビットRISCミックスド・シグナル・プロセッサです。多くのアプリケーション、特にセンシングや計測アプリケーションがこの製品ファミリを利用して作られていますが、高性能A/Dコンバータ(ADC)、LCDドライバ、シリアル通信、パルス幅変調(PWM)出力、およびその他のペリフェラルがマイコンに統合されていることが...

  • リアルタイム制御リソースを拡張し、電力変換アプリケーションのプラットフォーム開発を持続させる方法

    性能と効率の向上が絶えず求められるリアルタイム電力変換の領域において、設計者にとって重要なのは、スケーラブルで持続可能な産業用および車載用電力変換ソリューションの設計に労力を注ぐことです。こうした需要は、一方でサーボ・ドライブ、電力供給、グリッド・インフラストラクチャ、オンボード充電といったアプリケーションにおいて、MIPS(毎秒100万回の命令数)、パルス幅変調器(PWM)、アナログ/デジタル・コンバータ(ADC)などのリアルタイム制御システム要件が増大することにもつながります。また、開発者にとっては...

  • 自律型および協調型産業用ロボットのエンジニア向けガイド

    工場でロボットがより一般的になるにつれて、ロボットがよりインテリジェントで自律的、より安全で効率的なものになることが重要です。これらすべては、正確なモーター制御、高度なセンシングテクノロジー、エッジでの処理によって実現され、すべて堅牢なリアルタイム通信を備えています。これらのテクノロジーは、ロボットシステムの設計にとって重要です。

    • 正確なモーター制御により、効率と低消費電力を実現します。
    • 高度なセンシング機能と機械学習機能により、ロボットは周囲の環境と双方向のコミュニケーションをとることができます...
  • 自律型工場の原動力となるエッジ・インテリジェンス

    Other Parts Discussed in Post: IWR6843, IWR6843AOP

    従来の産業用ロボット・システムから現在における最新の協働ロボットまで、さまざまなロボットが頼りにするセンサは、ますます大容量で多様なデータを生み出し、処理しています。図1に示すように、このようなデータを用いて自律型ロボットがリアルタイムに意思決定を下せるようになることで、激しく変化する実世界環境の中で生産性を維持しながら、効率的なインシデント管理が可能になります。

    1:機械周辺を監視してインシデントのリアルタイム管理を助けるミリ波センシング

    TIのミリ波センサが工場のエッジでどのようにインテリジェンスを実現するか

    TIのミリ波センサは、リアルタイムでの意思決定のために、内蔵プロセッサによりオンチップでデータを処理できます。プロセッサを内蔵することで、光や視覚をベースとしたセンサに比べて小型の設計となっています。さらに…

  • 水晶を使わない業界初のワイヤレス・SimpleLinkマイコンで、設計戦略をサポート

    半導体業界のイノベーションは、多くの場合、既存製品に「足していく」ことですが、設計においては「引いていく」ことが重要視されます。TIでは、SimpleLinkTMワイヤレス・マイコン周辺の電子部品表(BOM)を詳しく調べて、機能を犠牲にせずに外付けの高周波水晶振動子を取り除けないかと考えました。こうして、革新的なBAW(バルク弾性波)共振器テクノロジが登場しました。

    設計スペースに限りのあるビル・セキュリティ・システムであれ、過酷な実環境で使われる電動工具であれ、BAW共振器テクノロジを活用することができます...

  • 豊富なセンサを備えたスマート・ストアで買い物がよりスムーズに



    スーパーに行ったら買おうと思っていた商品が品切れだったり、レジに行列ができていたりして、思ったよりも時間がかかってしまうことが多々あります。

    データは光の速さで移動しますが、食料品はそうはいきません。張り巡らされた高速インターネットにより情報通信はますます高速化していますが、商品の売買に伴って必要になる物理的な業務の効率化は立ち遅れたままです。しかし、それも変わろうとしています。

    ホワイト・ペーパー(英語)「最先端の小売と物流のオートメーションを実現」を読む

    TIのシステム...

  • TIのミリ波センサを活用した、プライバシーを侵害しない非接触型 転倒検知システム

    米フォーブス誌によると、世界の60歳以上の人口は、2050年までに20億人に達すると予想され、その数は世界人口の5分の1以上を占めることになります。高齢者が増え続けることで、家庭でのより高度な見守りが必要となりますが、同時に個人の自律性も保たれるようにしなければなりません。米国疾病管理予��センターによると、毎年、高齢者の4分の1近くが転倒しており、高齢者が外傷関連で入院する一番の原因が図1のような転倒です。本記事では、転倒検知システムがセンサ主導型ソリューションによる高精度な点群データを使用することで...

  • 容量性ベースの絶縁を使用してACモーター・ドライブの寿命と温度の問題を解決

    私たちは毎日、モーターで動くさまざまなシステムを目にしています。

    ACモーター・ドライブは、最も一般的に使用されるモーター駆動方式です。これは商業ビルの空調設備やファクトリー・オートメーション機器など、各種の産業用アプリケーションで使用されています。

    このような産業用アプリケーションは高い電圧(通常400V以上)および電力レベル(通常キロワットまたはメガワット単位)で動作するため、作業者や高価な電子機器を安全に保護するための配慮が不可欠です。

    絶縁は、安全なACモーター・ドライブ・システムを構築するために欠かせない要素であり、IEC(国際電気標準会議)61800-5-1安全規格によって規定されます。システムの絶縁要件の詳細については、ホワイトペーパー「ACモーター・ドライブの絶縁: IEC 61800-5-1 安全規格の理解」を参照してください。絶縁は、電力段モジュールのゲート・ドライバの絶縁や、制御モジュールの帰還信号および通信インターフェイスの絶縁など…

  • TI DLPテクノロジ搭載の構造化ライト・システムによりビン・ピッキングの精度を向上

    産業環境では、さまざまな形状、大きさ、材質、光学特性(反射、吸収など)を持った部品を毎日扱わなければなりません。これらの部品は、処理のためにピッキングして特定の向きに置く必要があります。このような、部品がランダムに置かれる環境(コンテナなど)からのピック・アンド・プレース動作を自動化することを、一般的にビン・ピッキングと呼びます。このタスクでは、ロボットのエンド・エフェクタ(ロボット・アームの末端に取り付ける装置)が、つかみたい物体の正確な3D位置、大きさ、向きを知ることが課題となります。箱の壁や箱内部の他の物体を避けて移動するには...

  • バッテリ保護は思ったより難しくない

    bq77905 3S-5S、スタッカブル、高度な低消費電力バッテリ・プロテクタEVM

    保護は、どんなタイプであっても単純なソリューションにしましょう。保護は一度設計して組み立てれば二度と心配しなくて済むようにしましょう。少なくともそうあるべきです。しかし、多様な優れたバッテリ保護に関しては、設計者はこれから発生する可能性のあるコストに悩むかもしれません。

    通常、バッテリ保護回路は目に触れないバッテリ・パックの内部にあります。一般的には、かっこよく、しゃれた新しいアプリケーションの機能というわけではないので、設計者はそれほど深く考えないかもしれません。しかし、最近のいくつかの事件から学んだように、バッテリ保護は適切に行わないと、ヘッドラインを大きく飾る可能性があるのです。

    通常、どんな保護デバイスでも仕組みは簡単なものが望まれます。例えば、システムを保護する一方で、大電流消費といった余計な「値札」が付いていないICです…

  • 全温度範囲で電力段を最大限に活用する - パート1

    モーター制御の電力段を設計する場合、効率に関して特別な考慮をすれば、システム全体のコストを低減できます。これには、FET、スイッチ・ノード、制御アルゴリズムの最適化が含まれます。設計時に、過温度条件からシステムを保護する必要があります。過温度とは、システムがある温度レベルになると、プリント基板上の部品がその仕様範囲を超えることを意味します。この結果、部品にダメージを与え、ドライブ・システムの故障原因になります。

    温度センサは、電力段の部品を監視/保護して、ドライブ・システムを安全動作領域(SOA)内に保ちます。SOAは、特定の皮相負荷またはRMS相電流において、特別な冷却機能なしでドライブが対応できる動作温度範囲として、システムに対して定義���れています。産業用機器の温度範囲は通常、-40°C85°Cの周囲温度です。

    TIの「サーボ・ドライブ向け、スマート・ゲート・ドライバ搭載、48V/500W、3相インバータのリファレンス…

  • C2000マイコン・ファミリの最新デバイスを使用した、イーサネットによるVienna整流器の制御とモニタリング

    Other Parts Discussed in Post: TMS320F28388D, C2000WARE, DESIGNDRIVE


    自動車メーカーは電気自動車(EV)に多額の投資を始めていますが、最近発表されたレポートによると、EV市場は2019年の300万台から2030年までに2,700万台へと拡大すると予想されています。これは、21.1%の年平均成長率に当たります。このようなEV市場の成長に伴い、EV用の公共充電オプションの需要も急激に増大するでしょう。

    EV充電ステーションは、電気自動車給電機器(EVSE)に関して3つのレベルに分類することができます。図1に、この3種類のEVSEの相違点を示します。

    図1:EV充電器の分類

    レベル3のEVSE(DC急速チャージャ)は、レベル1、2とは異なり、ACからDCへの電力変換が充電ステーションで行われます。そのため、高電圧のDC電力をバッテリに供給することが可能になり…

  • 汎用Ethernetをベースとしたオープン・ネットワーク: FL-net

    Other Parts Discussed in Post: AM3359

    ファクトリ・オートメーション(FA)の進展にともない、各種のコントローラや FA 機器を相互接続してシステムを統合化する必要性が高まり、この実現手段であるネットワークの標準化が国際的な動向となっています。プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)を中心とした、オープン・ネットワーク 【FL-net】 もその一つで、TI SitaraTMプロセッサでもこのプロトコルのサポートが開始されました。

     一般社団法人日本電機工業会...

  • 月面着陸から50年:大きな飛躍を遂げたTIのIC事業


    1969年7月20日、TIの航空宇宙技術者だったベリエ・リマと彼の家族は、ダラスにある自宅近くのプールで泳いでいました。突然、ひとりの女性が「いよいよ始まるわ」と叫びました。

    「人間が月に着陸する寸前だったのです。もちろん、みんなプールから一斉に飛び出して、車に乗り込みましたよ」とベリエは当時を振り返ります。

    数分後、ベリエと妻と3人の子供たちは自宅のリビング・ルームにいました。そして月面着陸という歴史的瞬間をテレビで見ていました。

    すでにTIから退職しているベリエは、「そのとき最も強く思ったことは、この快挙を実現した技術のことです」と語ります。

    夢のような出来事でした。ベリエはTIで無人宇宙計画に携わっていた回路設計技術者でしたが、彼ら技術者の長年の苦労が報われた瞬間でした。月着陸船の操舵装置、ロケット噴射の起動/停止装置、レーダーおよびナビゲーション機器の制御装置など、アポロ11号で使用された、月面着陸の成功に欠かせないシステムには…

  • 洗練されたロボットのための超音波式検出の利用

    現在、人間が行っている作業の多くをロボットが行うようになる日は、遠い先のことではありません。私たちはすでに、ロボット掃除機に部屋の掃除をさせたり、ロボット芝刈機に庭の草刈りをさせたりしています。工場では、歯ブラシから自動車まで、私たちが使用する多くの製品をロボットが製造しています。中国や日本ではロボットが料理を運び、ドローンによる肥料の散布や商品の配送も行われています。ですから、ロボットが家を建てたり、道路を敷いたり、クルマを運転したりする日も近いことでしょう。しかし、そのような未来を現実にするための重要な要件の1つは...

  • 生産性向上につながるスマート・ファクトリの3つのトレンド

    生産現場のシステムがダウンした場合、一部の自動車メーカーでは、非稼働の間1分当たりおよそ22,000ドルも浪費していることになります1。このような利害を考慮し、効率的で先進的なマシン間コネクティビティとマイクロ秒単位の高速通信を実現するために、スマート・ファクトリ・テクノロジの進化が待ち望まれています。ここでは、インダストリー4.0にインテリジェンスを加えるトレンドを3つご紹介します。 同じ生産ラインを使っていろいろな飲み物のボトル充填をする飲料工場 モジュール式生産セルにより、同じライン...