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  • アナログ: TINA-TI によるオペアンプ回路設計入門(第11回) - 入力オフセット電圧

    このブログはアナログシグナルチェーンの基本素子とも言うべきオペアンプの基本理論と応用回路技術の習得を目的とします。本格的な電子回路シミュレーション・ツールである TINA-TI を自分の手で実際に動かすことで直感的な理解が得られるよう工夫しています。 今回は、実践編として入力オフセット電圧を取り上げます。

    e2e.ti.com/.../7571.TINA_2D00_TI_5F00_OPA_5F00_11_5F00_20160709.pdf← クリックしてダウンロードして下さい

    TINA-TI によるオペアンプ回路設計入門  ← クリックすると ブログ本体 にジャンプします。

  • 組込みプロセッシング: 内蔵 ADC の機能を活用し低消費電力を実現するための 12 の方法

    設計の際に消費電力低減のために、マイコン(MCU)に搭載されている内蔵 A/D コンバータ(ADC)のすべての機能を活用していますか? このブログでは、消費電力の低減のため内蔵 ADC を活用する方法を紹介します。

    今回は例として、MSP432P401R マイコンに搭載されている、ADC14 と呼ばれる内蔵 14 ビット ADC を使用します。  ADC14 は、低消費電力アプリケーション向けに設計されており、デューティ・サイクル・アプリケーションによりターンオン時間が短縮されています。 ただし、最小の消費電力を実現するための方法はそれぞれのアプリケーションごとに異なっていることから、ADC14 の調整ノブつまりプログラマビリティについては注意深く選択する必要があります。

    このブログは ADC14 の消費電力と性能のカスタム化を可能にするために、 MSP432™ マイコンのいくつかの重要な機能について取り上げています。

    1. 組込みプロセッシング: 競合企業との差別化を可能にするマイコン内蔵 ADC のフレキシビリティ活用法 – パート 2

      筆者の最近の記事では、マイコンに内蔵されている  14 ビット A/D コンバータ(ADC)のオーバーサンプリングを実行することで ADC の性能を向上させる方法や、設計のフレキシビリティ向上につながる重要な性能特性について説明しました。 

      今回は、MSP432P401R マイコンの14 ビット ADC (ADC14)の使いやすい機能について説明します。これにより、実際のアプリケーションの要件に応じてフレキシブルにカスタマイズを行うことができるようになります。

      • 使いやすい機能:
        • サンプル・モードと変換モードの選択
        • DMA を使用したブロック処理
        • 内部温度センサ
        • 内部バッテリ・モニタ
        • ウインドウ・コンパレータ
        • 割り込み

      フレキシビリティを最大限活用するためには、時間はかかりますが、それだけの価値はあるので、ADC14 の機能について、まず理解する必要があります。 

      サンプル・モード

      さまざまなサンプル・モードはさまざまなアプリケーションのニーズに対応します…

    2. 組込みプロセッシング: 競合企業との差別化を可能にするマイコン内蔵 ADC のフレキシビリティ活用法 – パート 1

      MSP マイコン(MCU)に内蔵されている A/D コンバータ(ADC)はプログラマブルな分解能や複数の電力モードなど高いフレキシビリティを提供しています。その理由を考えたことはありますか。 こうした高いフレキシビリティは、スタンドアロン方の ADC では通常、実現が不可能です。 MSP マイコンはさまざまなアプリケーション設計で、性能、使いやすさ、消費電力の最適化を実現し、こうした高いフレキシビリティの活用を可能にします。 最近、筆者は Analog Wire で、MSP432™ マイコンに内蔵されている 14 ビット ADC のオーバーサンプリングによる ADC の性能向上法について解説しました。

      今回は、フレキシビリティが高く、アプリケーションに応じてカスタム化が可能な ADC14と呼ばれる MSP432P401R マイコン の14 ビット ADC の主要な性能特性に着目します。

      • 性能特性:
        • 複数のリファレン…
    3. 電源 IC: FemtoFET MOSFET:砂粒ほどのサイズに、より狭小なピッチを実現

      砂粒とTIの最新FemtoFET™製品を比較した場合、どちらが小さいでしょうか?新たにリリースされたF3 FemtoFET(図1)のパッケージ・サイズは、わずか0.6mm×0.7mm×0.35mmと、砂粒に匹敵するほどの大きさです。

      図1: F3 FemtoFETパッケージ・サイズ

      FemtoFETポートフォリオに追加された超低容量『CSD15380F3』を含む、新製品については下記の表をご覧ください。

      Part Number

      N/P

      Vds

      Vgs

      Id Cont. (A)

      Typical Rdson (mohm)

      Ciss (pF)

      4.5V

      2.5V

      1.8V

      CSD15380F3

      N

      20

      10

      0.5

      1170

      2200

      x

      8.1

      CSD25480F3

      P

      20

      1…

    4. 組込みプロセッシング: 未来のリモコンの世界にようこそ!

      Other Parts Discussed in Post: TIDM-CAPTIVATE-REMOTECONTROL

      物理的なボタンは存在しないのに、TV/STBのユーザー・インターフェースを自在に操れるスマートなデザインのリモコンを想像してみてください。それを可能にするのが、静電容量式タッチ技術とボイス・コマンド技術です。ジェスチャー・パッドを使えば、ユーザーは簡単にメニューをスクロールし、ナビゲートすることができます。ジェスチャー・パッドは、方向を示すジェスチャーのほか、シングルタップ、ダブルタップなどのジェスチャーを検出できます。5μA未満で動作する超低消費電力のグリップ検出機能により、ユーザーがリモコンをグリップした時に自動的にバックライトが点灯するようになります。また、加速度センサなどのモーション検知用の追加部品も不要になります。またリモコンのボイス・コマンド機能により、ユーザーはお好みのTV番組をサーチし、録画できるほか…

    5. 組込みプロセッシング: 5G-より多くの人とモノを結ぶ次世代通信

      つながることで新たな価値が生み出される、コネクテッド・ワールドやネットワーク化社会への移行が加速しています。2013年時点で、世界人口の96%以上が携帯電話を利用し、発展途上国の人口の74%以上がモバイル・ブロードバンドを利用していました。2019年までにワイヤレス・データ・ネットワークのトラフィックはさらに10倍増えると予測され、地球上のほとんどの人がモバイル・サービスを利用するようになります (1,2)

      躍進するM2M(マシン・ツー・マシン)通信との間でも大きな帯域幅の奪い合いになるでしょう。飛行機が国境を超える際に、1台のジェット・エンジンが0.5テラバイト以上のセンサ・データを集め、その多くを各地上局に伝送する必要があることをご存じでしたか。また、ガス・タービン・エンジンの1枚のブレードに付いている1つのセンサが毎日何ギガバイトものデータを生成していることをご存知でしょうか。

      テザリングを伴わない接続に対するニーズは飛躍的に増加しており…

    6. 電源 IC: 車載機器用の電源設計の際に考慮すべきこと

      Other Parts Discussed in Post: LM53635-Q1

       車載機器用の電源ICを選ぶ際にしばしば見落とされることは、データシートに記載された仕様ではなく、そのデバイスが最終機器内でどのような動作をするか、ということです。データシートはそのICの性能を記述しているだけで、そのデバイスが閉ループでどのように動作するか、またシステム内のその他の部品と、どのような相互作用をするかについては、見落とされがちです。このことは、車載機器のフロントエンド電源を選択する際に、さらに重要です。このような、バッテリーに直結される電源は、高効率、小型のソリューション・サイズ、そして(電磁的に)非常に静かな動作が求められます。

      TIの新製品である『LM53635-Q1』レギュレータは、単独で、コンバータIC以上の機能を提供します。この製品は、動力伝達機構、エンジンやブレーキなどの車載の電気機械システムの高ノイズで過酷な環境下において…

    7. アナログ: Isolation Glossary(絶縁関連用語)

      1.       Isolation Glossary(絶縁関連用語)

      Primary Circuit一次側回路; 電力を受けるために、外部電源に直接接続されている回路。

      Secondary Circuit二次側回路; 一次側回路に直結していない回路で、トランス、コンバータや同等の絶縁デバイスから電源供給される回路、または電池から電力の供給を受ける回路。

      Creepage 沿面距離; 2つの導体部分を結ぶ、デバイスの絶縁面に沿った最短距離のこと。通常、パッケージの外周が沿面距離となります。

      Clearance 空間距離; 2つの導体間の、空間中での最短距離。

      Isolation Capacitance (CIO) 絶縁容量; 絶縁バリアの一次側端子全てを接続したものと、二次側全ての端子を接続して構成した二端子デバイスで、絶縁された端子間の静電容量。

      Isolation Resistance (RIO) 絶縁抵抗; 絶縁バリアの一次側端子全てを接続したものと…

    8. 組込みプロセッシング: 宮崎 仁のQ&Aでよく分かるマイコン基礎の基礎: 22. マイコンのウォッチドッグ・タイマって何ですか?

      ● プログラムの暴走

      Q: マイコンのI/O機能の中に、ウォッチドッグ・タイマという変わった名前のものがあるのを見つけたのですが、これはいったい何ですか?

      A: ウォッチドッグ・タイマ(watchdog timer)というのは、万一プログラムが暴走したときに、プログラムを終了させるための特別な機能をもったタイマです。名前が長いので、略してWDTと書くこともあります。watchdogとは、「番犬」とか「監視人」という意味の英語です。プログラムが暴走していないかを、いつも見張っていてくれることから、このような名前になりました。

      Q: プログラムの暴走って、よく聞きますが、どういうことですか?

      A: コンピュータは、与えられたプログラムを指定された順番通りに実行するのが仕事です。表示器にデータを出力したり、スイッチなどの状態を入力したりするのも、プログラムが順番通り動いていなければできません。プログラムの動作が誤って不正な無限ループに入ってしまうと…

    9. アナログ: 4-20mAカレントループ・トランスミッタ製品の基礎

      なぜ4-20mAカレントループが使われ続けるのか?

      産業用制御システムにおいて、4-20mAカレントループ・トランスミッタ製品は、使用、設置および保守が容易なことからコントロールセンターとフィールドに設置されたセンサ/アクチュエータ間のデータ伝送の最も一般的な通信方式の1つとして、今でも使用されています。

      4-20mAカレントループ・トランスミッタ製品の歴史は、初期の産業用オートメーション・サイトでアクチュエータの制御のために圧搾空気信号を使い、比例制御を行ったことから始まりました[1]。代表的な圧力レベルは3PSI~15PSIであり、3PSIはゼロスケールを、15PSIはフルスケールの入出力を表しました。圧搾空気のラインが故障した場合、圧力は0PSIまで低下し、対応が必要なフォールト(故障)状態であることを表しました。電子技術が主流になると、圧搾空気ラインは、アンプ、トランジスタ、およびその他のディスクリート電子部品で構成された4…

    10. アナログ: 強化絶縁: 二重絶縁を超える性能の単一絶縁

      高電圧に曝されるアプリケーションを扱う産業用システムの設計者は、最終兵器に対して適切な絶縁機能を確保し、システム・レベルで複数のIEC規格に適合させることが必要です。これらの安全規格、可変速ドライブが対象のIEC 61800-5-1等は、その機器が寿命となるまでの期間にわたって印加される一定の高電圧、偶発的な過電圧過渡波形や究極の高電圧ピーク・サージに対する絶縁性について、どのように確保すべきかを規定しています。強化絶縁は、産業用オートメーション、モーター・ドライブ、ヒューマン・マシン・インターフェイスや医療用エレクトロニクスなどのアプリケーションで、危険な高電圧に対する究極の保護機能を提供します。強化絶縁は、1つのデバイスで、お客様のシステムに2倍の絶縁保護性能を提供する機能として考えることができます。次に、単一絶縁による二重絶縁を超える絶縁性能を提供する方法を説明します。

      人体と危険な電圧源との間の絶縁に関する安全規格は、メインとなる…

    11. 電源 IC: Power Tips: USB Type-C AC/DCアプリケーションでのコントローラのバイアス

      USB Type-C標準では、5V~20V可変出力電圧、および最大3Aの負荷電流を標準ケーブルで供給できます。最大60Wの電力レベルまでは、フライバックが良好なトポロジとなります。ただし、1次側コントローラにバイアス電力を供給する際に、いくつかの問題が生じる場合があります。

      一般に、フライバック・トランスの補助巻線は絶縁境界の1次側のコントローラに電力を供給します。この巻線によって生成される電圧は、出力電圧に比例します。出力電圧の範囲が4:1であれば、バイアス電圧も4:1の割合で変化します。現実には、リンギングによるバイアス・コンデンサのピーク充電を考慮して、実際の範囲はもっと広くなります。

      出力巻線から補助巻線への巻線比は、出力電圧が5Vと低くても1次MOSFET(Q7)を効果的に駆動できるよう、バイアス電圧が十分高くなるように設定する必要があります。約12Vの駆動を可能にするには、1:2.5(出力対補助)の比が適切な値となります…

    12. 電源 IC: Power Tips: USB Type-Cアプリケーションでの電源共有

      USB Type-C™の電力供給(PD)標準では、1ポートあたり7.5W(5V、1.5A)~100W(20V、5A)の電力を見込んでいます。しかし、個々のシステムでは、使用できる入力電力に制限があります。複数のポートを持つシステムでは、各ポート間で電力をどのように割り当てればよいのでしょうか。

      明白な電力共有方法の1つは、ポートごとの電力を制限して、合計の消費電力が入力電力制限を決して超えないようにすることです。しかしこの場合は、電力がポート間で分割されるため、システムに接続されたどのデバイスも、使用可能な入力電力を完全に利用することができません。

      別の方法は、1つの高電力ポートを用意する一方で、残りのポートへの電力を厳格に制限することです。その場合、より大きなデバイスに電力を供給でき、より高速な充電が可能になります。ただし、ユーザーのほとんどは、製品のラベルやマニュアルに目を通しません。そのため、なぜ一部のポートではデバイスの充電が遅くなるのかを理解できない可能性があります…

    13. 電源 IC: 発想の転換:回路基板の裏に装着されたパワー・コンバータにより、再定義されるエレクトロニクス

      設計エンジニアは回路基板で作業を行い、1枚の回路基板にさまざま可能性を思い描きます。その際、慎重に部品を選び、それを巧みに配列して、機能と性能を回路基板に組み込んでいきます。パワー・コンバージョンの画期的な技術革新のおかげで、回路基板上のスペースが開放され、回路設計における可能性を大きく広げることができるようになりました。

      当社のSWIFT™ 『TPS54A20』シリーズのコンデンサ式バックコンバータは、2016年5月に発売され、電源を従来のサイズを20%以下にまで縮小することで、一般的な電子システムの基板スペースを大きく開放しました。

      新しいトポロジーに基づいて造られたこの革新的な技術は、何年にもわたり、効率を落とすことなく、より多くの機能と電源を、より小さく密集したスペースの中に詰め込む方法を模索しながら、徒労に終わったシステム設計者に限りない機会を与えます。また、それにより、隅々まで切り詰めることなく、コストを削減できるというメリットもあります…

    14. 電源 IC: 新型の60V FemtoFET MOSFET製品で、産業用機器を小型化

      Other Parts Discussed in Post: CSD18541F5

      最近、あるインフォテインメント・システム・メーカーの設計者と面会した際、製品設計に60Vロード・スイッチを使うことはあるかと訊ねたところ、SOT-23パッケージで、オン抵抗(RDS(ON))が100mΩ程度の耐圧30V~60Vのトランジスタを10個ほど使った基板を設計した、という回答がありました。

      さらに、その基板には実装面積の制約がある、という答えを受けて、オン抵抗が60mΩ未満で、1.5mm×0.8mm (1.2mm2) と小型の実装面積を提供するTIの新製品『CSD18541F5』 60V FemtoFET™ MOSFETの特長を説明しました(図1)。このMOSFETは、インフォテインメント・システムをはじめとした実装面積に制約があるアプリケーション向けに設計された製品です。

       図 1:『 CSD…

    15. DLP®︎ テクノロジ: IoTセンサ・ソリューションのクラウド活用法

      IoT(モノのインターネット)は、かつてないスピードで人々やデバイス、クラウド・データ・ストレージ・サービスをつないでいます。2020年までに500億台のデジタル・デバイスがインターネットにつながるという市場調査会社の予測もあります。

      カスタマは、分光分析や3Dマシン・ビジョン、スマート・ホーム・アプリケーションなどのリモート・センシングにおいて新しい独自の機能を開発するのにDLP®製品を活用しています。開発者やエンジニアは現在、製薬、農業、製造業などのさまざまな産業に向けて、IoTの能力をさらに活用しています。

      多くの産業に可能性をもたらすIoT

      DLPテクノロジを利用すれば、モバイル分光計を、何千もの参照物質の情報を保存しているクラウド対応データベースにつなぐことができます。例えば、病院や薬局で働くヘルス・ケア従事者は、多くの薬品が正しい成分を含んでいるか、あるいは不正なものかを判断するためにリモート操作で薬品を精査するというソリューションを使えます…

    16. DLP®︎ テクノロジ: 精度と性能が求められる産業用プロジェクタの設計

      映画館や教室、オフィスの会議室などで使われるビデオ・プロジェクタには、人の眼に合わせて設計されているものが多いものです。しかし、すべてのプロジェクタが、人間が使うことを前提に作られているわけではありません。3Dマシン・ビジョンやダイナミック・プロジェクション・マッピングのような産業用途では、より高速なフレーム・レートや低いレイテンシの産業用プロジェクタが求められます。それは、産業用プロジェクタを使って適切な位置に対象物を選択し、その位置を特定し、そこに配置するFA(ファクトリ・オートメーション)の設定において特に重要です。

      それでは、なぜフレーム・レートとレイテンシが重要なのでしょうか。1秒あたりのフレームは、文字通り、毎秒スクリーンに映る画像の数を表します。プロジェクタの高速フレーム・レートを高速度カメラが合わさることで、より短時間に視覚情報を捉えることができるようになるため、マシン・ビジョン・システムの精度とスループットを向上させることができます…

    17. 産業機器: スマート・ファクトリ・オートメーション・システムにおける制御レベルの設計課題

      インダストリ4.0向けに設計されるファクトリ・オートメーション(FA)・システムは、リアルタイム通信と制御を担う三つのレベルの装置を備えています。

      1. I/Oモジュールやアクチュエータ、ドライバが工場の実動作に使われる現場レベル
      2. PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)やCNC(コンピュータ・ニューメリカル・コントローラ)が現場レベルから情報を集め、コマンドを現場レベルへ発行する場所制御レベル
      3. HMIデバイスがオペレータと情報のやり取りをし、オペレータがコマンドを発行できるオペレータ・レベル

      これらのレベルでは、それぞれに最適化されたハードウエアとソフトウエアのソリューションを必要とする設計上の課題があります。制御レベルに関する課題は、特に取り組むことが難しいです。

      産業用オートメーションの設計に関する課題(消費電力、長い供給ライフサイクル、および信頼性の要件)に加え、この制御レベルの装置設計者は、一つのコントローラが対応できるノード数が増加していることから生じるいくつかの問題に直面します…

    18. アナログ: 誘導性センシング: スイッチ・アプリケーションの簡略化

      Other Parts Discussed in Post: LDC0851

      移動する物体の存在を検出するスイッチング/ラッチ・アプリケーションは、設計が複雑になったり、信頼性の面で問題が起きる可能性があります。具体的な用途としては、ドアの開閉の際の不正検出や、センサの遮断や故障の発生を招く塵埃や油に常にさらされるギアの回転速度測定などがあります。

       スイッチング・アプリケーションに使用される技術によっては、さらに次のような課題が発生します。

      •  磁石や磁化材質などの付加的な部品の要件により、スイッチング・スレッショルドの精度が低下する問題が発生します。精度が低下する原因の 1 つが個々の部品のばらつきで、製造時に多くの場合キャリブレーションが必要になります。

      • 温度変化と部品の経年劣化も、スイッチング・スレッショルドの精度と再現性に影響を及ぼします。

       TI の LDC0851 差動型誘導スイッチは、コイル径に対して 1% の精度で温度安定性の高いスレッショルドを実現しており…

    19. 電源 IC: ホット・スワップ回路に電子ヒューズを組み込む方法

      パワー回路を設計する際に、回路をどのように保護するべきかという問題がよく起きます。どの程度の保護が必要で、それはどのように行うべきなのでしょうか?保護用にヒューズをまだ使っているのでしたら、ヒューズのアップグレードをテーマにした、こちらのブログをご覧ください。もし、ヒューズの代わりにFETを外付けしたホット・スワップ・コントローラを保護用にお使いでしたら、この記事を読んで、電子ヒューズ(eFuse)を使ってスペースの節約方法を学びましょう。

      ホット・スワップ・コントローラを使うメリット 

      電子ヒューズとホット・スワップ・コントローラとの主な違いは、ホット・スワップは図1が示すように外付けFETを駆動するコントローラであるという点です。負荷に供給される電源を調節するために、このホット・スワップ・コントローラ内部の制御ロジックにしたがって、FETはオンとオフのスイッチングを行います。このスイッチングは、センス抵抗がフォールト状態を検出すると…

    20. 組込みプロセッシング: 宮崎 仁のQ&Aでよく分かるマイコン基礎の基礎: 21. マイコンのデータ格納用メモリについて教えてください。

      ● データ格納用メモリは大部分がSRAM

      Q: マイコンのプログラム格納用メモリはフラッシュメモリが主流だそうですが、データ格納用メモリにはどんなメモリが内蔵されているのですか?

      A: 大部分がSRAMと言って良いでしょう。

       

      図 マイコンの基本構成例


      Q: ここでもDRAMは使わないのですね。どうしてですか。

      A: 最大の理由は、DRAM回路はマイコンの大部分を占める大規模ロジック回路とは半導体製造プロセスが大きく異なるので、マイコンにDRAMを内蔵しようとすると製造コストが高くなってしまうことです。

      もともと、自由に書き換えが可能なRAMの中でDRAMが広く普及したのは、1ビットあたりの製造単価が安く、最も大容量の製品を実現できたからです。1ビットのDRAMセルは、1個のトランジスタと1個のキャパシタで構成される1T1C構成で実現できます。構造が単純なので小型化や高集積化が容易です。ただし、このキャパシタを作るには、トランジスタ主体の大規模ロジックとはかなり異なる製造プロセスが必要です…