アナログ/デジタル・コンバータ(ADC)を評価する際に、多くの設計者がADCのダイナミック特性を解析するために高速フーリエ変換(FFT)法を使用しています。このダイナミック特性テスト手法は、ADCの入力側に純シングルトーン正弦波信号を加え、ADCデータの周波数領域解析を行い、スペクトルに含まれるノイズと歪み成分を数量化します。ADCの特性を調べる際にコヒーレント・サンプリングを用いると、FFTのスペクトル成分を正確に分解することができます。コヒーレント・サンプリング基準に対応できないアプリケーションの場合、サンプリングしたデータにウィンドウ加重関数を適用してスペクトル漏れを最小化します。
本稿では、ADCのFFT解析に関する2つの重要なコンセプト、すなわちADC評価の際のコヒーレント・サンプリングの基礎と非コヒーレント・サンプリングの影響を考察します。さらに、今後のブログで、コヒーレント・サンプリング、ウィンドウ・サンプリング、最適なウィンドウ選択のための基準について取り上げます…