Recent Technical Articles
  • アナログ: SAR型A/Dコンバータの駆動にはアンプが必要?

    一般に、SAR(逐次比較)型A/Dコンバータで高精度の計測を行うためには、アナログ入力にドライバが必要ですが、低いスループットで、低い分解能の場合にはドライバが不要な場合もあります。SAR型A/Dコンバータのサンプリング動作とアナログ入力構造を検討して、ドライバの必要性について考えてみます。

    SAR型A/Dコンバータのアナログ入力回路はサンプリング・スイッチ、抵抗Rsとサンプリング・コンデンサCsで構成されます。図1に、SAR型A/Dコンバータのアナログ入力回路を示します。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    図1

    サンプリング・スイッチは、入力信号を取り入れるためにアクイジションタイムtACQ の期間にオン(導通)となり、変換動作中にはオフ(切断)になります。サンプリング動作中には、アナログ入力信号源からサンプリング・コンデンサへ電荷が移動し、サンプリング・コンデンサが入力信号の電位まで充電されます。Nビット分解能のA/Dコンバータでは、サンプリング…

  • アナログ: SAR型A/Dコンバータの入力タイプの比較

    設計中のアプリケーションで、最高の性能を発揮するSAR(逐次比較型)A/Dコンバータの選択に、入力信号がどのように影響するかをご存じですか。

    「入力」という言葉を聞くと、私たちの頭の中には周波数、振幅、サイン波、ノコギリ鋸波その他の言葉が浮かびます。これらのそれぞれが、信号コンディショニングを最適化しようとする場合に、関連した問題を持っています。しかし、事前にあまり考慮されないのが、SAR型A/Dコンバータ の入力タイプです。このブログ記事では、シングルエンド、疑似差動、それに完全差動という3種類のSAR入力と、それぞれのアプリケーションでの使用について検討します。また、後続のブログ記事では性能の差や、最適な入力性能を得るために憶えておくべき、いくつかの重要な基本的注意事項についても説明します。

     

    シングルエンド入力SAR型A/Dコンバータ

    3種類の入力タイプの中で、最も簡素なのがシングルエンド入力であり、A/Dコンバータには1本の入力しかありません…

  • 組込みプロセッシング: MSP432 イベントドリブン 速度性能 [msp432info soft]

    下記に掲載したexample Event_read() の速度性能が遅いので改造して、速度性能を調べました。

    MCLK=24MHz、LDO_Vcore1、最適化設定なし の条件です。 測定値は目安としてお考えください。

    MSP432 イベントドリブン example

    MSP432 LPM0とLPM3のwait切り替えexample 


    ** さらに、compiler optimaization 設定で大幅に性能改善した結果を、下記に追加いたしました。

    MSP432 イベントドリブン optimization

     

     

    1 EventLib改善

     

    1.1 変更点

     

    ・ MSP432P401IRQnmax640~63)のため、event64バイトサーチ部分の時間がかかりすぎていました。

    ・ eventをビットに変更して、16bits4ビット8bit単位のビットサーチに変更しました。

     

    1.2 速度測定

     

    ・ IRQn0~63

  • アナログ: 高精度のデータ・アクイジションとは?すべてが相対的です

    「利口な人は問題を解決する、賢い人は問題を回避する」アルバート・アインシュタイン

    アルバート・アインシュタインは恐らくアナログ設計が好きだったのではないかと思います。アナログ設計には、常に相対的な要素が含まれています。例えば、データ・アクイジション・システムの精度は、データ・コンバータのリファレンス電圧を基準とした、相対的なものです。

    設計者の知恵と洞察力次第で、必要なトレードオフを評価し、基板レベルの設計で最適な性能を実現できます。設計者は、電圧リファレンス回路の設計に隠れた落とし穴を常に考慮しなければなりません。さもなければ、16 ビットのデータ・アクイジション・システムが、しばしば、12 ビット精度で動作することがあります。

    データ・アクイジション・システムの A/D コンバータにリファレンスが内蔵されていない場合、外部の電圧リファレンスが必要になります。基板レベルやシステム・レベルの設計者にとって残念なことに、これがしばしば…

  • アナログ: A/D コンバータ入力駆動の際に最も役立つ経験則

    技術者は多くの経験則を駆使して、設計プロセスの簡素化を試みます。私の最も好きな経験則は、A/D コンバータの入力を低インピーダンスの信号源で駆動することです。その理由は、高精度データ・アクイジション・ブロックに多くの利点を提供するからです。

    本稿では A/D コンバータの入力範囲に合わせるために、高電圧の信号源のレベル変換が必要な、代表的なアプリケーションを検討します。図 1 の簡単な分圧回路は、±5V の信号を 0.5V に変換することで、レベル変換の問題を解決します。この分圧回路の等価インピーダンス Req は R1 と R2 の並列抵抗によって得られます。

    この有限の信号源インピーダンスは、データ・アクイジション・システムに、どのような影響を与えるでしょうか。

    図 1

    高い信号源インピーダンスは、データ・アクイジション動作中に、直線性誤差と非直線性誤差の両方を発生します。SNR や THD の悪化を招く大きな誤差要因には…

  • アナログ: On Board with Bonnie: A/Dコンバータのノイズの徹底的な検討

    A/D コンバータのノイズについて、アナログの観点から検討したいと思います。通常、こうしたノイズはデジタルの観点から説明されるため、読者の方々は、アナログの観点から見ることについて違和感があると思います。私はお詫びしなければならないかもしれません。しかし、アナログの観点から検討すると、非常に明解な結果を得ることができます。

    図1の ADS 1220 などのデルタ-シグマ型A/Dコンバータは、データ・コンバータで発生するノイズについて詳細な情報を提供します。ここでノイズ en の単位は実効値マイクロボルト(μVrms)と、ピークツーピーク・マイクロボルト(µVp-p)です。

    図1: ADS 1220 高精度A/Dコンバータを使った抵抗ブリッジ計測回路

    図 2 に示すように、オペアンプの場合と同様にノイズは入力換算値として表すことができます。オペアンプの場合、ノイズ en の単位はナノボルト/√Hz (nV/√Hz…

  • アナログ: 熱ノイズを利点に変える方法

    アナログ設計では熱ノイズは常に寄生しますが、あらゆる手段を使っても回避する必要があります。入力フィルタ、プリント基板のレイアウトやグラウンド手法は、良い設計には重要ですが、アナログ・システムでは多少のジョンソン-ナイキスト熱ノイズや、フリッカ・ノイズは常に残留します。

    熱ノイズや、その他のノイズ源よりも深刻なノイズ源となるのが量子化ノイズです。量子化は信号をアナログからデジタルに変換する際に発生します。

    4 ビットのアナログ/デジタル・コンバータ でサイン波をデジタイズした結果発生する、量子化ノイズの様子を図 1 に示します。

    図 1

    測定する対象に定規を当てて長さを測る場合には、定規の目盛りを読み取ります。その時、その対象の長さが 2 つの目盛りの間の場合にはどうなるでしょうか。2 つの目盛りの間の長さをどうしても測らなければならないときには、実際の長さに近い方の目盛りを選ぶことになります。実際の長さと目盛りの違いを、一番近い目盛りを元に四捨五入して丸めることは…

  • アナログ: ADC 精度 Part 3:ADC シグナルチェーンでの温度ドリフトの影響

    ADC 精度に関するブログ・シリーズの Part 1と Part 2 では、アナログ/デジタル・コンバータ(ADC)の分解能と精度の相違点と、ADC の総合未調整誤差(TUE)に影響を与える要因について説明しました。こうした誤差の大半は、周囲の条件下でキャリブレーションが可能な静的誤差です。しかし、多くのファクトリ・オートメーション/制御アプリケーションなどで一般的に見られる温度変化により、キャリブレーション後でもシステム性能ドリフトが続くことがあります。電子部品の経年劣化、湿度、圧力などの要因も、長期的な性能ドリフトに影響を与える可能性があります。

    以下の 3 つの主要な要素が、データ・アクイジション・システムの精度ドリフトに影響を及ぼします。

    • Ÿ   ADC オフセット・ドリフト
    • Ÿ   ADC ゲイン・ドリフト
    • Ÿ   電圧リファレンス・ドリフト

    内蔵の抵抗、コンデンサ、スイッチなどのアクティブなデバイス間のミスマッチが、ADC のオフセット…

  • アナログ: ADC 精度 Part 2:総合未調整誤差(TUE)について

    このシリーズの Part 1 のブログでは、アナログ/デジタル・コンバータ(ADC)の分解能と精度の違いについて説明しました。今回は、ADC の総合精度に影響を与える総合未調整誤差(TUE)について掘り下げて解説します。

    ADC の TUE 仕様の中で「総合」が何を意味するかについて疑問が起こると思います。ADC のデータシート(例えば、オフセット電圧、ゲイン誤差、INL)のすべての DC 誤差仕様を単に足し上げたものなのでしょうか。あるいはそれ以上のものなのでしょうか。答えは、TUE は ADC の動作入力範囲に対する総システム誤差の比率を表したものです。

    より具体的に言うと、TUE は最下位ビット(LSB)の単位で表現される DC 誤差仕様で、ADC の実際の伝達関数と理想的な伝達関数間の最大偏差値を示します。この仕様値はいかなるシステム・レベルのキャリブレーションも行われていないことを想定しています。概念的には、TUE は…

  • アナログ: ADC 精度 Part 1:精度と分解能の相違点は?

    アナログ/デジタル・コンバータ(ADC)を使用するシステム設計者と話している際に最も多く聞かれるのが、 

    「16 ビット ADC は 16 ビットの精度があるのですか?」という質問です。

    この質問に対する答えは、分解能と精度の違いを根本的に理解することによって得られます。

    分解能と精度のコンセプトはまったく異なるにもかかわらず、この 2 つの用語は多くの場合、混同されています。

    このブログ・シリーズでは、今回は 2 つのコンセプトの違いを詳細に説明し、次回以降で、ADC の精度を低下させる要因について掘り下げていきます。

    ADC の分解能はデジタル出力値を 1 カウント変化させる入力信号値の最小変化と定義できます。理想的な ADC では、この伝達関数は分解能と等しいステップ幅を持つ階段の形をしています。しかし、16 ビット以上の高分解能のシステムでは、伝達関数の応答が理想的な応答から大きく逸脱するようになります。ADC や駆動回路によってもたらされるノイズが…

  • 組込みプロセッシング: MSP432 LPM0とLPM3のwait切り替えexample [msp432info soft]

    ・ ほとんどDIORTCからの割り込みを待機するシステムでは、省電力モードのLPM3で待機するのが得策です。

      しかし、Timerなどのクロックを使用するペリフェラルを動作させるときはLPM0で待機する必要が有ります。

    ・ このような、LPM0LPM3の待機が混在するときに、簡潔にLPM0/3の切り替えを制御する例を説明します。

      exampleのプログラムは、下記で説明しましたイベントドリブン構造で作成して有ります。

      MSP432 イベントドリブン example

     

    E2E Japan MSP430 forum参考記事

    ① MSP432 MSP432 Power Control Manager (PCM)

    ② MSP432 LPMとWakeup

     

     

    1 LPM0LPM3の切り替え制御が必要な理由

     

    ・ BCLK以外のクロックが動作していると、デフォルトではLPM3指定してもLPM0で待機(wait)となります。

  • 電源 IC: 出力電流を倍増、より高電力のPOL電源を提供するPowerStack パッケージ製品

    電圧レギュレータ、特に制御用のパワーMOSFETを集積したDC/DCコンバータは、入力電圧、出力電圧と出力電流で規定される低電力の簡単な電源レギュレータから、動作環境をモニタし、その条件に適応する機能を備えた高度で大幅に高電力なコンバータ製品へと発展してきました。

    歴史的には、10A~15Aを超える電源電流が必要なアプリケーションは、必要な電力を賄うために、一般に外付けの制御用パワーMOSFETとコントローラ製品で構成されていました。より容易なレイアウトや、より少ない外付け部品点数によるより簡素な設計が可能で、かつ高い信頼性で高電力密度のソリューションを提供するコンバータ製品であっても、供給可能な高電力は限られていました。

    ネットワーク・ルーター、スイッチ、企業向けサーバーや組み込みの産業用システムなどのアプリケーションは、より高い消費電力を必要とするようになり、POL電源(ポイント・オブ・ロード、負荷に接近して配置される分散型電源…

  • 組込みプロセッシング: MSP432 イベントドリブン example [msp432info soft]

    ・ ISRからアプリケーションに、イベントを通知するexampleについて、説明します。

    ・ 過去にも、MSP430向けに下記のexampleを投稿していますが、仕組みを大幅に簡素化しました。

      複数ペリフェラルを並行動作させる方式

     

    ・ LPM0とLPM3を切り替えてsleepする方法は、下記に掲載しました。

      MSP432 LPM0とLPM3のwait切り替えexample

     

     

    1 概要

     

    ・ 複数のペリフェラルを並行動作させているアプリケーション(APP)では、下記の処理が必要になります。

    ① ISRから割り込み(イベント)を受けているのか調べる

    ② イベントに対応した処理に分岐する

    ③ 複数イベントが発生したときも、もれなくイベントを処理する

    ④ イベントが無ければ、sleepに入る

     

    ・ 例えば、portに複数の割り込みが発生したことを識別できる必要が有ります。

    ・ これを簡潔に処理する仕組み・関数のexample

  • 電源 IC: DC/DCコンバータのデータシート解説 - システム損失を計算する

    「DC/DCコンバータのデータシート」ブログ・シリーズの最終回では、DC/DCレギュレータ部品での導通損失について説明します。

    導通損失は、DC/DCコンバータ内のデバイスの寄生抵抗により発生する損失です。これらの損失は、デューティ・サイクルに直接関連しています。内蔵のハイサイドMOSFETがオンになると、そこに負荷電流が流れます。ドレイン-ソース間チャネル抵抗(RDSON)に電力消費が発生します。これは次の式1のように表されます。

    LM 2673のような非同期デバイスの場合、内蔵MOSFETがオフになると、ダイオードは順方向バイアスになります。この期間中、インダクタ電流は出力コンデンサ、負荷、順方向バイアスのダイオードに流れて減少します。負荷電流によってダイオードが導通している状態になるので、そこでは次の式2で表されるような電力消費が発生します。

    ここで、VFは選択したダイオードの順方向電圧降下です。

    すべてのインダクタにはコイル内のワイヤの抵抗である有限のDC抵抗…

  • 電源 IC: DC/DCコンバータのデータシート解説 - 静止電流について:第2部

    第1部 の最後では、無負荷時の入力消費電流についての説明を始めたところでした。しかし、先に進む前に説明しておくべき“静止”電流がもう1つあります。

    多くのDC/DCコンバータには、コンバータの内部回路に電力を供給する低ドロップアウト・レギュレータ(LDO)が内蔵されています。最新のレギュレータでは、LDOの入力をコンバータの外部ピンとして利用できる場合が多くなっています。通常、このピンは“バイアス”と呼ばれますが、実際の名称はデータシートで確認してください。この入力をレギュレータの出力に接続することで、バイアス電流はコンバータの出力に追加された負荷として機能します。この負荷は、他の負荷と同じように入力電圧と出力電圧の比率でダウンコンバートされます。結果として、入力時の電流が減少し、効率が上がることから、これは推奨される接続方法と言えます。

    では、無負荷時の入力電流に話を戻しましょう。この入力電流は…

  • 電源 IC: DC/DCコンバータのデータシート解説 - 静止電流について:第1部

    DC/DCコンバータの仕様で最もわかりにくい部分の1つが、静止電流(IQ)です。わかりにくい理由として、1つには同じものを指す用語や定義がメーカごとに異なるという点が挙げられます(少なくとも、スイッチング・レギュレータの詳細な動作について熟知していなければ、そう感じるでしょう)。

     この2部構成のシリーズの第1部では、入力電源から降圧レギュレータの入力電圧(VIN)ピンに流れる電流を中心に説明します。データシートを読むときは、用語を気にするよりも入力電流のデータが取得された条件に注目することが大切です。では、ユーザーが関心を持ちそうな、3つの最も重要な消費電流について見てみましょう。

     “シャットダウン時電流”は、通常はレギュレータがオフになったときに測定される消費電流を意味します。このような条件では、公称入力電圧と、コンバータをシャットダウンするためにイネーブル・ピンに必要な電圧が存在し、レギュレータからの出力は0Vとなっています…

  • 電源 IC: DC/DCコンバータのデータシート解説 - システム損失について(DC/DC converter datasheets – System losses demystified)

    「DC/DCコンバータのデータシート」シリーズへようこそ。前回はシステム効率について取り上げましたが、今回はDC/DCレギュレータ部品のスイッチング損失について、まずは第1部の図3(ここでは図1)に示した、時間に対するVDSおよびIDの曲線から説明します。

    図1: スイッチング損失

    まずは内蔵ハイサイドMOSFETでのスイッチング損失について見てみましょう。各スイッチング・サイクルの開始時に、ドライバは内蔵MOSFETのゲートへの電力供給を開始します。第1部の内容から、MOSFETには端子間に寄生容量があることがわかっています。最初の期間(図1のt1)中、ゲート-ソース間電圧(VGS)はMOSFETのスレッショルド電圧VTHに近づきますが、ドレイン電流はゼロです。そのため、この期間での電力損失はゼロになります。t2の期間では、MOSFETの寄生入力容量(CISS)が充電を開始し、ドレイン電流がMOSFETに流れ始めて直線的に増加します…

  • 電源 IC: DC/DCコンバータのデータシート解説 - システム効率について

    市場には多種多様なレギュレータが出回っているため、適切なDC/DCレギュレータを選択しようとして苦労する場合があります。車載アプリケーションの大半はバッテリで動作するため、負荷範囲の全体にわたって高い効率が求められます。とはいえ、多くの産業用アプリケーションで必要とされるのは高負荷時の優れた効率であり、軽負荷時の効率はそれほど重要ではありません。そのため、DC/DCレギュレータでの損失を把握することが重要になります。DC/DCコンバータのデータシートで効率曲線を確認すると、いくつかの疑問が生じます。たとえば「軽負荷時の効率はなぜ低いのか?」、「重負荷時に効率が低下するのはなぜか?」といった疑問です。このブログ・シリーズでは、SIMPLE SWITCHER® LM 2673 3A降圧型電圧レギュレータを例として使用し、システム効率をさまざまな部品での損失へと分解することを行ってみます。

    図1に、評価モジュール(EVM)の回…

  • 産業機器: 産業用ロボットの進化:FAにおける安全なロボット・ヒューマン・インタラクションの技術的課題

    “I’ll be back.”(「必ず戻る」)

    これは映画『ターミネーター』の中でターミネーターが口にした言葉ですが、おそらく、ロボットが発した言葉の中で最も有名な言葉と言えるでしょう。しかし、第1作でのターミネーターの行動は、友好的な人間の行動からはほど遠いものでした。このため、この言葉はおそらく、ロボット技術をプロモーションする上では最適な言葉とは言えないかもしれません。幸いなことに『ターミネーター』は単なるSF映画で、第2作ではアーノルド・シュワルツェネッガー(アーニー)は人類を救うことになります。ここでエンターテインメントの世界からビジネスの世界に話題を切り替え、ファクトリ・オートメーション(FA)にかかわるさまざまな種類のロボットと人間のインタラクションから人間が得ることのできるメリットと、ロボットとともに働く際の安全性の確保法について見てみたいと思います。International…

  • 電源 IC: 車載製品の過渡電圧波形の除去機能を提供する高PSRR 同期整流降圧-昇圧型コンバータ製品

    Other Parts Discussed in Post: CSD

    車載機器向けの電子サブシステムが普及したことで、車載という過酷な環境条件で動作可能な、小型、高コスト効率、高信頼性のDC/DC電源コンバータの需要が大幅に増加しています。車載バッテリの安定時電圧は、充電状態、周囲温度やオルタネータ(交流発電機)の動作条件などによって9V~16Vの範囲で変化しますが、電源レールも、スタート/ストップ、コールド・クランクやロード・ダンプの過渡波形などの動的な擾乱の影響を受けます [1]。自動車メーカ各社では、ISO7637やISO16750 [2,3,4]をはじめとした複数の国際標準で規定されるパルス波形テストのほか、独自かつ、詳細に渡るCI(接触イミュニティ)テスト・スイートを実施しています。表1に示す電圧低下や過電圧の過渡波形のほかに、DCバスに重畳するオルタネータのサイン波形ノイズも、特に車載インフォテインメントや照明システムに悪い影響を与えます…

  • 組込みプロセッシング: TIマイコンを活用した革新的なアプリケーション事例:TIマイコン設計コンテストの応募作品から (2)

    テキサス・インスツルメンツ・インドでは、エンジニアの技術的な知識を向上させるため、TIのマイコンを活用して設計したアプリケーションを募集するコンテストを実施しました。多くの応募がありましたが、ここではその中から、革新性に富み、日本の設計者の方々のアイディア作りに役立つ設計プロジェクトとして次の3つの応募作品を選び、詳しく解説します。

    設計のヒントとしてお役立てください。

                  ・ロボット・アームを装備した音声制御方式の車椅子

                  ・先進的な駐車場管理システム

                  ・スマート・リモート・コントロール・システム

    今回は、「スマート・リモート・コントロール・システム」をご紹介します。

    スマート・リモート・コントロール・システム:
    S&S / Karmic Design(カーミック・デザイン)チーム

    このシステムは、インターネット/LANや近距離無線を利用してさまざまな家電製品の電源のオン/オフをリモート制御することによって、家庭内の節電を実現するものです…

  • 組込みプロセッシング: TIマイコンを活用した革新的なアプリケーション事例:TIマイコン設計コンテストの応募作品から (1)

    テキサス・インスツルメンツ・インドでは、エンジニアの技術的な知識を向上させるため、TIのマイコンを活用して設計したアプリケーションを募集するコンテストを実施しました。多くの応募がありましたが、ここではその中から、革新性に富み、日本の設計者の方々のアイディア作りに役立つ設計プロジェクトとして次の3つの応募作品を選び、詳しく解説します。

    設計のヒントとしてお役立てください。

                  ・ロボット・アームを装備した音声制御方式の車椅子

                  ・先進的な駐車場管理システム

                  ・スマート・リモート・コントロール・システム

    今回は、「ロボット・アームを装備した音声制御方式の車椅子」と「先進的な駐車場管理システム」をご紹介します。

    ロボット・アームを装備した音声制御方式の車椅子:
    Boschers(ボスチャーズ)チーム

    このシステムでは、利用者が簡単な音声コマンドを使って車椅子とロボット・アームを操作できます。

    システム全体の制御には、TIのTiva…

  • アナログ: アナログ回路設計者のためのアナログトレーニング ( Analog Training ) 日本語資料

    オームの法則といった電子回路の基本的事項から書かれています。 これからアナログ(主にオペアンプやADコンバータ)の回路設計を始める方、
    すでに回路設計をしているが、改めて基礎を勉強されたい方、あるいは、実際の回路でのトラブルシューティングに役立てたい方は是非ご活用ください。

    ■オペアンプ編

     ・e2e.ti.com/.../_AA30DA30A230F330D7302D005D306E30_1_2D00_.pdf

     ・e2e.ti.com/.../_AA30DA30A230F330D7302D005D306E30_2_2D00_.pdf

     ・オペアンプの動作原理:e2e.ti.com/.../SigChain01-OPAmp_5F00_Theory_5F00_V22.pdf

     ・TINA- TIによるオペアンプ動作の確認:e2e.ti.com/.../SigChain02-Tina_5F00_TI_5F00_Basic_5F00_V21…

  • 組込みプロセッシング: デュアルバンド接続によるワイヤレス・センサ・ネットワークの管理法

    ビル・オートメーションなどの IoT アプリケーションの最新のトレンドの 1 つがスマート機能の向上です。これにともない、接続対象が増加するとともに、システムのプロビジョニングとメンテナンスの複雑性が増していることが、大きな技術的課題となっています。
    センサ・ネットワーク導入とメンテナンスを簡素化し、コストを低減することは産業機器市場で重要な要件の一つとなっています。Sub-1GHz コネクティビティ・リンクとして採用すれば、2.4GHz の採用時に比べ、スペクトラムの混雑解消、屋外での伝達距離の延長、屋内での性能向上などが可能になり、システムの全般的性能が大幅に向上します。今日では、システム・レベルのソリューションにより、Sub-1GHz IP ワイヤレス・センサ・ネットワークに容易に採用できるようになっており、ビルディング/ファクトリ/リテール・オートメーションのニーズへの対応のほか、全カバー領域でのスター・ネットワーク…
  • アナログ: D/Aコンバータの精度を改善するためのトリミング

    ラフール・プラカシュ(Rahul Prakash)、クナル・ガンディー(Kunal Gandhi)/Texas Instruments

    より多くの産業用システムが、より高い精度を必要としています。これまで、高精度のシグナル・チェーン部品の開発を促進してきたのは主としてテスト/計測機器でしたが、現在、この傾向はファクトリ・オートメーション、光ネットワーキングや医療用機器まで広がっています。ATE(自動テスト装置)、DAQ(データ収集)や高性能オシロスコープ製品は、最も高精度のシグナル・チェーンが必要です。

    高精度D/Aコンバータは、このようなシグナル・チェーンに必須の部品であり、高精度信号に最も大きな影響を与える構成要素でもあります。通常、高精度D/Aコンバータは、ゲインとオフセットの微調整や、その他の非直線性を最小にするために使います。したがって高精度D/Aコンバータは信号の較正を行うことで、信号の精度を向上することになります。本稿では…