• 信号と電力を絶縁する際によくある4つの疑問

    Other Parts Discussed in Post: ISOW1412, ISOW1044, ISOW7741この記事では、設計で信号および電力を絶縁する際のよくある疑問を取りあげ、利用可能なディスクリートおよび統合型のオプションについても簡単にご紹介します。 高電圧回路設計には、操作する人を保護したり、低電圧回路と通信ができるようにしたり、システム内の望ましくないノイズを除去したりするために絶縁が必要です。デジタル・アイソレータの利用は、産業用および車載用アプリケーションで高電圧絶縁通...
  • 低消費電力オペアンプを用いた設計 Part2:低電源電圧アプリケーション向けの低消費電力オペアンプ

    Other Parts Discussed in Post: TLV9042, TLV9001, OPA391 このシリーズのPart1では、正弦波出力とDCオフセットを伴う単電源オペアンプ回路の消費電力に関連した課題と、このような回路で消費電力を減らす2つの手法について説明しました。それは、抵抗値を増やすことと、低静止電流のオペアンプを選ぶことです。この2つの手法は、ほとんどのオペアンプ・アプリケーションで使用できます。 Part2では、低い電源電圧に対応した低消費電力オペアンプの使用方法を説...
  • 低消費電力オペアンプを用いた設計 Part1:オペアンプ回路向けの省電力手法

    Other Parts Discussed in Post: TLV9042, TLV8802, OPA2333, OPA391, TLV9002ここ数年で、バッテリ駆動の電子機器が普及したため、アナログ回路設計者にとって、消費電力の優先度が高まっています。この点を考慮して、このシリーズでは低消費電力オペアンプを用いたシステム設計の詳細を説明します。 Part1では、オペアンプ回路向けの省電力手法として、低静止電流(IQ)のアンプを選ぶことや、帰還回路の負荷抵抗を増やすことなどの検討を行います。...
  • CANの設計課題への対処 第2部:CANの電圧および電源の課題への対応

    CANの設計課題への対処 第2部:CANの電圧および電源の課題への対応   「CANの設計課題への対処」の第1部では、CAN(Controller Area Network)バスの設計と終端処理に関する詳細や課題について述べました。第2部となる今回は、消費電力についてと、CANアプリケーションに電圧レールが複数ある場合の設計方法に注目します。   CANトランシーバの消費電力の計算は思ったほど単純ではなく、トランシーバ関連の電圧レールが複数追加されると、さらに複雑さが増します...
  • プログラム可能な電圧リファレンスとしてDACを使用する際の3つの重要な仕様

    この技術記事では、高精度デジタル/アナログ・コンバータ(DAC)を設計に適した電圧リファレンスにするための主要な仕様について掘り下げ、さらにDACがプログラム可能なことで得られるメリットについても説明します。 車載用、通信用、産業用のシステムの多くは、実世界から情報を受け取り、それに応じた出力を行って、精密に応答を制御します。例えば、自動運転機能は、その周辺の物体とどれくらい近いかという実世界の情報を基に車をコントロールします。通信無線や基地局では、外気温が電波送信に必要な電力に影響する可能性が...
  • 電流センス・アンプで人工衛星の状態を監視する方法

    様々な民間の人工衛星企業が大きな影響力と共に参入してきたことで、これまで主に政府資金により推進されてきた航空宇宙分野に変革が起きています。大規模通信コンステレーション、堅牢なレーダー・ネットワーク、高度な光学画像プラットフォームの開発を進めたい企業のニーズによって、対地低軌道、中軌道、赤道上空静止軌道に向けて1年に打ち上げる人工衛星の数を増やす必要性が高まっています。これを達成しようと、オペアンプやトランジスタなどの単純なディスクリート部品を基にした衛星設計から、より集積度の高い回路を優先するように...

  • 48Vスタータ・ジェネレータのモータ・ドライバ設計を最適化する方法

    この記事では、高出力モータを駆動しながら機能安全を実現する、小型の48Vモータ・ドライバをどう設計するか、について説明します。自動車メーカーは、温室効果ガス(GHG)排出量の削減を最終的な目標として、マイルド・ハイブリッド車(MHEV)を開発しています。MHEVには、車の変速機につながる48Vモータ駆動システムが内蔵されています。GHG排出量削減のため、惰性走行のときはMHEVの内燃エンジン(ICE)を停止する一方、48Vモータ・システムによって、車に電力を供給する48Vバッテリを充電します。

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  • チョッパ・アンプでシグナル・チェーンの誤差を抑える2つの方法

    この記事では、高精度のシグナル・チェーンを設計する際の2つの一般的な課題と、それぞれの対処方法について説明します。まず、これらのシステムでよく使用されるチョッパ・アンプについて理解しておくことが重要です。

    プログラマブル・ロジック・コントローラ、重量計、自動試験機器などの産業用機器向けに、より高分解能で高速なシグナル・チェーンのニーズが高まっている中、そのようなシグナル・チェーンでA/Dコンバータドライバや電圧リファレンス・バッファとして動作する高精度アンプのニーズも増大しています。

     

    チョッパ...

  • クラスDオーディオ・アンプでバッテリの持続時間を延ばし、消費電力を削減する方法

    バッテリ駆動オーディオ・システムの設計者は、再生時間の延長とコストの削減という2つの目標の達成を求めています。古い従来型のクラスDアンプは、信頼性が高い一方、ポータブル・システムでは消費電力が大きすぎるため、これらの目標達成には難がありました。

    デジタル入力クラスDアンプは、10年近くにわたってテレビ用のオーディオに使用されてきました。テレビ向けに設計されたアンプには、省電力設計になっていないという問題があります。これらのアンプは、最大出力(一般に約24V)で85%の効率となるよう設計されています...

  • 単一電源絶縁型アンプおよびADCによる絶縁電流/電圧センシング設計の簡素化

    作業者の保護、ノイズ耐性の強化、サブシステム間のグランド電位差への対処など、その機能はあらゆるところで必要とされます。モータ駆動太陽光インバータDC充電(パイル)ステーション産業用ロボット無停電電源トラクション・インバータオンボード・チャージャDC/DCコンバータなどのアプリケーションのために、その機能を設計します。

    その機能とはもちろん、ガルバニック絶縁のことです。

    前述のようなシステムでは、モニタリングと制御を行うために、ある電力ドメインから別のドメインへ絶縁バリアをまたいで電流と電圧の情報を伝える必要があります...

  • 設計目的に合ったデジタル・アイソレータの選び方

    この記事では、デバイス選定が簡単になるように、デジタル・アイソレータを選択する際の主な判断基準を見ていきます。

    車載用や産業用のアプリケーションにデジタル・アイソレータがますます使われるようになる中、膨大な候補の中からシステムに最も適したデバイスを選択するのは骨の折れる仕事です。それだけでなく、ほとんどのデジタル・アイソレータは特定のシステム要件やアプリケーションを念頭に作られているので、選んだデバイスがシステムの要件と合っているかを確認するために、仕様や機能に延々と目を通すことになります。

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  • 10BASE-T1Lシングル・ペア・イーサネットにより少ないケーブルでネットワーク・エッジを近づける方法

    Other Parts Discussed in Post: DP83TC811

    店舗のPOSシステムから競技場のデジタル・サイネージまで、イーサネットは身の回りのあらゆるところに存在し、産業用オートメーション・プロセスの一部にも使われています。どこにでも活用されているイーサネットですが、広く常用されるようになるのはまだこれからの領域もあります。この記事では、特にその領域の1つである、遠隔での産業用、ビル・オートメーション、プロセス・オートメーションといったアプリケーションに使われる10Mbpsの長距離...

  • 高速データ・コンバータを使用した設計を迅速に成功させるポイント

    航空宇宙/防衛システム、試験/計測機器、車載LIDARアナログ・フロントエンド(AFE)など、最新の高速データ・コンバータを使用したハードウェアの設計では、高周波数の入力、出力、クロック・レート、デジタル・インターフェイスなどに関して困難な課題に直面します。主な問題としては、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)との接続、最初の設計パスを確実に機能させること、構築前のシステムの最適なモデリング方法の決定、などがあります。

     

    この記事では、それらの各課題について詳しく見ていきます。

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  • PSpice for TIを使用して複雑なアナログ電源および信号チェーン回路をシミュレーションする方法

    多くのハードウェア技術者は、厳しいプロジェクト日程の中で結果を出すことを求められます。回路設計者やシステム設計者はすべてのツールを駆使して、正確で堅牢な設計を初回で正常に動くように作り上げなければいけません。このような要望や昨今の在宅勤務の増加もあり、リモートで使用できる回路シミュレーションおよび検証ツールの需要がこれまで以上に高まっています。

    アナログ回路の設計とシミュレーション用のソフトウェア・ツールは、ほぼすべてのハードウェア技術者が日常的に利用しています。TIでは、Excelをベースにした単純な計算ツールから予想性能を視覚的に表現するものまで...

  • 高速アンプを用いた設計によくある3つの疑問

    高速アンプを使って設計する際には、共通の仕様に精通し、考え方をある程度理解しておくことが重要です。この技術記事では、ゲイン帯域幅積(GBW)が50MHz以上を高速オペアンプとしますが、それ以下の速度のデバイスにもここで紹介する考え方が当てはまる場合もあります。高速アンプを用いる場合に設計者がよく抱く疑問をいくつか紹介していきます。

    Q:一部の高速オペアンプの仕様に最小ゲインが規定されているのはなぜですか?

    A不完全補償型オペアンプには閉ループの最小ゲイン安定仕様がありますが、ユニティ・ゲイン安定アンプと比べて不完全補償型オペアンプは...

  • CANの設計課題への対処 第1部:CAN信号の終端処理を分かりやすく

    CAN(Controller Area Network)システムは、一般的なインターフェイスのように見えますが、CANシステムを設計および実装したりする際には、疑問や問題がたくさん湧き出てくるでしょう。すでに多くのエンジニアがこのような課題に取り組んできました。この「よく聞かれる質問」記事シリーズの第1部では、CANシステムの信号終端処理を取り上げます。

    CANバス信号でネットワーク内のすべてのCANノードに信号を伝える際には、適切に終端が施されているかどうかが非常に重要となります。正しく終端されていないと...

  • ウェアラブル体温センサによる個人に合わせた体温測定

    4つのバイタルサイン(生命兆候:呼吸、体温、血圧、脈拍)のうち、個人個人や測定のタイミングによるばらつきが最も少ないのが体温です。私たちは皆、平熱は37℃(98.6°F)だと教えられてきました。これが平均値であることは多くの人が理解していますが、集団に対する平均だと思っているでしょう。これが時間平均でもあると言うと、ほとんどの人が驚きます。私たちの体温は、身体活動、サーカディアン・リズム、ホルモン変動、体重、年齢によっても、常に変動しているのです。最近の出来事により、ウェアラブル体温センサへの関心が急速に高まっています...

  • 高電圧システム用電流センシング技術を正しく選択する方法

    EVの自動運転や電気飛行機が話題を集め、無人生産ラインの導入が進むなど、動力の電動化やオートメーション技術の進歩はめざましく、現在、私たちは、オートメーションとスマート・モニタリングを中心とする第四次産業革命(Industry 4.0)の真っ只中にいます。電動化の動きが加速するなか、高効率かつ高性能を実現する高電圧システムの重要性は高まる一方です。この記事では高電圧用途を対象として電流センシング技術を正しく選択する方法について説明します。

    高電圧ドメインに組み込まれるシステムでは、交流か直流かを問わず...

  • 電力線通信用にOOK変調を備えたRS-485トランシーバでバス設計を簡素化しコストを削減する方法

    現代はエアコンのおかげで、夏真っ盛りの時期でもとても爽やかに過ごせます。ただリモコンのボタンを押すだけで、部屋がたちまち快適な温度になります。その間ずっと、リモコンから遠く離れた場所で、室外機が激しく稼働し続けています。このような高温の中で、信頼性の高い長距離接続が行われるのは、魔法のように見えるかもしれません。これは、比較的ありふれた通信規格の1つであるRS-485のおかげです。


    4ワイヤから2線式ワイヤへ

    電力線通信用のOOK変調を備えた『THVD8000』 RS-485トランシーバは、既存の電力線にデータを変調します。この機能により、電力供給とデータ通信が共通のワイヤを共有するため、システムコストを大幅に削減できます。

     

    RS-485は、家庭用および業務用のHVAC(暖房、換気、空調)システムや、ファクトリ・オートメーション、グリッド・インフラストラクチャ…

  • アナログ回路設計者のためのヒント集:「ADC信号の分解」

    シグナルチェーン・ノイズやアナログ/デジタル変換に対する影響、およびその影響を最小限に抑える方法についての理解は、すべてのアナログ設計者にとって基本的な知識と言えます。

     この「信号の分解」シリーズは、デルタ-シグマADCのノイズに関し、包括的な理解を提供することを目的としています。代表的なシグナル・チェーンの一般的なノイズ源を調べ、ノイズを低減して高精度の測定を維持する手法を、全12部にわたり解説します。

     

     <デルタ-シグマADC内のノイズの概要>

    第1部
    ADCノイズの基本を重点的に見ていきながら...

  • イーサネット設計を簡素化する 第1部:イーサネットPHYの基本と選択プロセス

    Other Parts Discussed in Post: DP83TC811S-Q1, DP83826E

    100BASE-T1、1000BASE-T、100BASE-TX、10BASE-T、10BASE-Teなど、イーサネットPHYの用語に不慣れな人にとって、いくつもある規格を見比べるのは大変でしょう。他にも下記のようなたくさんの疑問があることでしょう。

    ・MII(Media Independent Interface)とは?
    ・車載PHYと産業用PHYとの違いは?
    ・インターネット・プロトコル...

  • ラボに行かずに設計を続けるためのヒントとツール

    ハードウェア・エンジニアのみなさんは、仕事を部分的に自宅で行うのには慣れているかもしれません。しかし、ラボに行かずに設計を構築・検証・試験するのは、不可能ではないにしても難しいでしょう。

    TIでは、調査・ブレインストーミングから設計、試験、サポートに至るまで、設計プロセスのそれぞれのフェーズに対応したオンライン・ツールやリソースを幅広く用意しています。今回はその豊富なTIのリソースをご紹介します。

    フェーズ1:調査とブレインストーミング

    システム設計の期限が厳しくて、この設計が最も効率的なものなのか...

  • DIN VDE V 0884-11:2017-01規格が絶縁設計に与える影響

    2020年1月時点で、DIN(ドイツ規格協会)V VDE(Verband der Elektrotechnik, Elektronik und Informationstechnik)V 0884-10:2006-12は、磁気および容量性のガルバニック絶縁製品における固有の絶縁特性と高電圧性能の評価に使われる認証規格として有効ではなくなりました。これで、2017年にDIN VDE V 0884-11:2017-01更新規格が発表され���ときにICメーカーに与えられた、3年間の移行期間が終了したことになります...

  • 信号の分解:デルタ-シグマADCを使用するときの電源ノイズの影響の低減(第12部)

    Other Parts Discussed in Post: ADS127L01, TIDA-00095, ADS127L01EVM, TPS7A49

    第11部では、電源ノイズについて取り上げ、ノイズが多い電源になる原因や、A/Dコンバータ(ADC)に与える影響などにつ��て述べました。また、ノイズ除去において電源の影響の度合いを測定する方法として、電源除去(PSR)を紹介し、電源ノイズが各種のADC電源に与える影響を分析しました。

    最終回となる第12部では、ADS127L01評価モジュール(EVM...

  • SoC電源設計:3つのステップで熱最適化された電源を設計する方法

    Other Parts Discussed in Post: TPS546D24A

    この記事では、通信基地局や試験・計測機器、データ・センターといった、システム・オン・チップ(SoC)アプリケーションの電源設計について解説します。

    熱最適化された電源設計が簡単だったことなどありませんが、最近のSoCに必要な電力要件により、ますます難しい作業になっています。20年ほど前に初めて市場に出たFET(電界効果トランジスタ)内蔵型の降圧コンバータは、基板面積の制限が厳しくなる一方で、より大きな電力をポイント...